オール電化住宅にリフォームするには、IHクッキングヒーターや電気給湯器などの設備を新たに導入する必要があります。リフォームに必要な初期費用や工事の流れ、オール電化におすすめの電気料金プランを解説します。
オール電化のリフォームに必要な初期費用とは?
安全性と快適性に優れた住宅として、オール電化住宅が注目されています。一般住宅をリフォームする場合、どのような初期費用が生じるのでしょうか?導入が必要な設備やリフォームの大まかな流れを確認しましょう。
設備の本体費用と工事費用が発生
オール電化とは、ガスコンロやガス給湯機器などを使用せず、ご家庭のエネルギー源を電気で賄うことです。火災リスクが低減するほか、キッチンの手入れや光熱費の支払いが楽になるなどのメリットが期待できます。
オール電化にリフォームする場合、以下のような設備・機器を導入するのが一般的です。
- IHクッキングヒーター
- 電気給湯器・エコキュート
- 蓄熱暖房器具
- 床暖房
リフォーム工事では、「設備の本体費用」に加え、据付工事・電気工事・既存設備の解体といった「工事費用」がかかります。現場の状況によっては、追加費用が発生する可能性もあるでしょう。
⇒オール電化についてもっと詳しく知りたい方はこちら
金額はさまざまな要素で変動する
オール電化のリフォームに必要な費用は、設備の本体費用と工事費用に大別されます。
設備の種類や家の大きさなど、さまざまな要素によって金額が変動するため、一概にいくらとはいえません。数十万円で済むケースもあれば、数百万円に上ることもあります。
リフォームを検討する方は、必ず複数の業者に見積もりを依頼し、工事内容と金額を比較しましょう。
オール電化設備には「メーカー小売希望価格」がありますが、実際の工事では割引が適用されます。割引率が高く、かつリフォームの実績が豊富な業者を選ぶのがポイントです。
費用の適正価格を知りたいときは、見積もりの一括サイトで調べる手もあります。ただし、無料見積もりはあくまで概算であり、現地調査をしなければ正しい金額はわかりません。
リフォーム工事の流れ
オール電化のリフォーム工事は、どのような流れで行われるのでしょうか?電気給湯器・エコキュートの設置を例に挙げると、工事の大まかな手順は以下の通りです。
- 業者による現地調査
- 見積書・工事計画書・契約書の作成
- 電力会社の見直し
- 工事の実施(基礎工事・電気工事・配管工事など)
- 試運転
- 工事完了
一般的なご家庭は、大手電力の「従量電灯プラン」を契約していますが、オール電化へのリフォームに伴い、電力会社や料金プランを変更するケースが多く見受けられます。
オール電化向けの料金プランは、時間帯ごとに異なる電力量料金単価が設定されているのが特徴で、昼間よりも夜間が割安です。
オール電化に必要な設備3選
オール電化住宅に必要な設備としては、「IHクッキングヒーター」「電気給湯器」「床暖房システム」が挙げられます。それぞれの設備の特徴と工事にかかわる留意点を見ていきましょう。
IHクッキングヒーター
IHクッキングヒーターとは、火を使わない調理器具です。鍋を置くプレート部分には、磁力発生コイルが埋め込まれており、電流が流れると磁力線が発生します。磁力線が鍋底を通過する際にうず電流が生じ、上に置かれた鍋が熱くなる仕組みです。
IHクッキングヒーターは、「ビルトインタイプ」と「据え置きタイプ」に大別され、天板の大きさ・グレード・搭載する機能によって費用が変わります。
工事費用には、ガスコンロやガス配管の撤去・IHの設置工事・200V専用回路増設工事・IH専用コンセントの取り付け工事などが含まれると考えましょう。
状況によっては、電気の引き込みや分電盤の交換といった追加工事が発生する可能性があります。
電気給湯器
ガス給湯器を使用している場合は、電気の力でお湯を沸かす「電気給湯器」への交換が必要です。費用は、搭載されている機能・容量・メーカーなどによって変わるため、業者に見積もりを依頼しましょう。
近年は、電気給湯器の1つである「エコキュート」を選ぶご家庭が増えています。正式名称を「自然冷媒ヒートポンプ給湯機器」といい、少ないエネルギーで効率良くお湯を沸かせるのが特徴です。
電気給湯器の工事費用には、ガス給湯機器の撤去・電気給湯器の設置工事・電気工事・200V専用回路増設工事・給排水工事・リモコン取り付け工事などが含まれます。
床暖房システム(電気式・温水式)
床暖房システムには、大きく「電気式」と「温水式」があり、さらに複数のタイプに分かれます。
費用や工事の方法は、システムのタイプや面積などによって変わるため、事前の見積もりは必須です。床の張替え工事が必要になることも覚えておきましょう。
電気式は、床下に電気ヒーターを設置するタイプで、温水式よりも導入コストが安く済む傾向があります。
温水式は、床下のパイプに温水を循環させて部屋を暖めるのが特徴です。電気またはガスで加熱するのが一般的ですが、オール電化では電気の力のみを使用します。
中でも、大気の熱を使ってお湯を温める「ヒートポンプ式」は、電気式よりもランニングコストが抑えられる可能性があります。
オール電化住宅におすすめの設備2選
ガスを使わない分、オール電化にすると今までよりも電気代が高くなります。電力使用量が多いご家庭は、「太陽光発電」や「蓄電池」の導入を検討してはいかがでしょうか?導入費用の目安や留意点を解説します。
太陽光発電
太陽光発電は、太陽の光を電気エネルギーに変換する発電方法で、太陽光パネルやパワーコンディショナーで構成されています。
電力会社のオール電化向け料金プランは、深夜よりも日中の電力量料金単価が高めに設定されているケースがほとんどです。太陽光発電を導入すれば、昼間の電気代が削減できる上、余った電力を売ることも可能です。
資源エネルギー庁の資料によると、2023年度における太陽光発電の設置費用の平均値は1kWあたり約280,000円でした。
住宅用の容量は約3~5kWが一般的なので、約840,000~1,400,000円が相場とみてよいでしょう。価格が最も高いのは太陽光パネルで、設備費の半分以上を占めます。
⇒太陽光発電についてもっと詳しく知りたい方はこちら
※出典: 太陽光発電について|資源エネルギー庁
蓄電池
蓄電池とは、電気を蓄える機能を備えた設備です。太陽光発電で発電した電気を蓄えたり、自宅のコンセントから電気を充電したりして、繰り返し使えるのが特徴です。
太陽電池と蓄電池を併用すると、昼間に発電した電気を夜間に使えるため、電力会社からの売電量を大幅に減らせます。
三菱総合研究所の資料によると、補助事業以外で家庭用蓄電システムを導入する場合、設備費は約150,000~200,000円/kWh、工事費は約20,000円/kWhが標準的です。
蓄電池の相場は、本体の蓄電容量・機能・メーカーによって変わります。用途にもよりますが、一般的なご家庭では、約10kWhの蓄電池が一般的でしょう。
⇒蓄電池についてもっと詳しく知りたい方はこちら
※出典: 家庭用及び業務・産業用蓄電システムに関する課題整|三菱総合研究所
リフォーム前に確認すべきこと
オール電化の工事をスムーズに行うためには、事前の調査と準備が重要です。リフォームの検討段階において、事前に確認すべきポイントを取り上げます。
電気給湯器の設置スペース
電気給湯器を導入する場合は、十分な設置スペースが確保できるかどうかを確認しましょう。
例えば、エコキュートは、貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットから構成されます。メンテナンス時の作業スペースや障害物との距離を考えると、狭い場所には設置が難しい場合があります。
参考までに、370Lの角型の貯湯タンクの場合は、横幅2,300mm以上、奥行600mm以上、高さ1,900mm以上が必要です。ヒートポンプユニットは、幅800mm以上×奥行300mm以上×高さ720mm以上を目安とします。
スペースが限られている場合、奥行が少ない薄型タイプやコンパクトタイプを選ぶとよいでしょう。
電気配線工事の必要性
一般の家庭用電圧は100Vですが、オール電化設備のほとんどは200Vです。一般の家庭用100V電源では使用できないため、「単相3線式」の工事が必要になります。
単相3線式は、3本の電線を使って100Vと200Vの電圧を同時に供給する仕組みです。大半のご家庭は、3本の電線が分電盤まで届いているため、ごく簡単な屋内配線工事で済みます。
分電盤のふたを開け、アンペアブレーカーに3本線があるかを確認しましょう。屋内の分電盤まで電線が届いていなければ、屋外から引き込む工事をしなければなりません。業者に現地調査を依頼した上で、正確な見積もりを出してもらう必要があります。
災害時の対策
「オール電化は災害に弱い」というイメージがありますが、実際には電気は他のライフライン(ガスや水道)と比べて比較的早く復旧する傾向があります。
また、給湯にエコキュートを使用していれば、タンク内の湯水を生活用水として活用できるため、断水時に役立ちます。
ただし、停電時はすべての電化製品が使えなくなるため、災害対策を考えておかなければなりません。万が一に備え、カセットコンロ・ガスボンベ・石油ストーブ・ポータブル電源は用意しておくのが賢明です。
さらに、太陽光発電と蓄電池を併用すれば、停電時でも最低限の電力を確保できます。オール電化へのリフォームを検討している場合は、これらの導入もあわせて考えると、災害時の備えとしてより安心です。
国・自治体の補助金の有無
エコキュートや太陽光発電などの設備を導入するにあたり、国や自治体から補助金が出る場合があります。
東京都では、省エネ・再エネ住宅の普及拡大に向けて、太陽光発電・蓄電池・エコキュート・V2Hなどに対する補助事業を実施しています。2025年度の補助金制度については、正式な発表が待たれています。
資源エネルギー庁でも、高効率給湯器の導入にかかる経費の一部を負担する「給湯省エネ2025事業」を実施するとしています。国・自治体のWebサイトで最新情報を小まめにチェックしておきましょう。
※出典: 断熱・太陽光住宅普及拡大事業補助申請期間等|東京都
※出典: 給湯省エネ2025事業(令和6年度補正予算「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」)について|資源エネルギー庁
電力会社の料金プラン
オール電化にすると、光熱費の負担が電気代のみになります。1kWhあたりの電力料金単価は電力会社によって異なるため、できるだけ単価が安いところに切り替えるのが賢明です。
従来の「従量電灯プラン」は、基本料金(最低料金)と従量料金で構成されています。従量料金は、電力使用量が多いほど単価が上がる「3段階料金」なので、電気を多く使うオール電化にはあまり向いていません。
エコキュートや蓄熱暖房器具を夜間に稼働させるご家庭であれば、夜間の電力料金単価が安いプランを選ぶ手もあります。電力会社やプランを切り替える際は、現在と比べてどれだけ安くなるのかをシミュレーションしましょう。
オール電化には「市場連動型」がおすすめ?
「市場連動型」は、2016年4月1日の電力小売自由化の後に普及したプランです。オール電化に特化しているわけではありませんが、電気を使うタイミングを工夫すれば、電気代の大幅な削減が可能です。市場連動型の魅力と活用のポイントを解説します。
単価が安い時間帯を狙えば電気代が安くなる
市場連動型とは、電力量料金単価が市場価格と連動するプランを指します。市場価格とは、日本で唯一の電力取引所「JEPX(Japan Electric Power Exchange)」で決まる取引価格のことで、30分ごとに見直されるのが特徴です。
市場価格は需要と供給のバランスで決まります。以下に挙げるような時間帯は、市場価格が下落する傾向があり、電気を使うタイミングさえ調整できれば、月々の電気代を効果的に抑えられます。
- 太陽光発電の発電量が多い昼間
- 電力需要が低下する深夜から明け方(午前0時~午前6時)
一般的な「オール電化向けプラン」は、昼間の料金単価が割高に設定されています。市場連動型であれば、深夜はもちろん、昼間でもお得になるケースが多いでしょう。
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市場連動型には、価格変動のリスクがあります。料金単価が安いタイミングに電気を使えれば、電気代は大幅に安くなりますが、市場価格が急激に上昇するケースもゼロではありません。
市場連動型のリスクを軽減させる方法の1つが、太陽光発電と蓄電池の導入です。電力会社からの買電量を減らせるため、家計負担の軽減につながります。市場価格が安い時間帯に蓄電池を充電しておく手もあるでしょう。
市場連動型というと、「料金が高騰する」「コントロールが難しい」というイメージがありますが、工夫次第では通常の料金プランよりもお得になる場合があります。市場連動型を通じて、電力の需給状況に関心が湧き、節電意識が高まる方も少なくありません。
オール電化の費用は見積もりを徹底しよう
オール電化にするには、従来のガスコンロやガス給湯器をIHクッキングヒーターや電気給湯器などに変更する必要があります。費用はさまざまな要素で変動するので一概にはいえませんが、数十万~数百万円のまとまった費用がかかります。
リフォームを始めるにあたり、オール電化のメリットや注意点を把握することが重要です。複数の業者に相見積もりを取ると同時に、電力会社や料金プランの見直しも進めましょう。
光熱費を抑えたいと考えている方は、Looopでんきの「スマートタイムONE」を検討してみませんか。このプランは、電気料金が30分ごとに市場価格に合わせて変動する仕組みを採用しており、電気をたくさん使うご家庭でも、料金が安い時間帯を上手に活用すれば無理なく電気代を節約できます。
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