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2000年代の序盤から普及し始めたオール電化は、2011年の東日本大震災で一時普及が鈍化したものの、近年まで順調に導入が進んでいる状況です。これからオール電化への切り替えを検討しているご家庭向けに、オール電化のメリットや節電のポイントなどを解説します。

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そもそもオール電化って何?

近年は、電気エネルギーのみで日常生活を送れるオール電化の住宅が、当たり前になってきました。

住宅の購入や引越しなどを検討しているならば、オール電化の住宅に興味がある人も多いでしょう。まずはオール電化の住宅とはどういうものか、基本的なところから押さえておきましょう。

オール電化の住宅とは

オール電化の住宅とは、家庭で必要なエネルギーの全てを電気で賄っている家庭を指します。従来、ガスを利用していたコンロや給湯器なども、オール電化の住宅では電気(IHクッキングヒーターやエコキュートなど)を使用するのが特徴です。

日常生活で電気以外のエネルギーを使用しないため、光熱費は全て電気代となります。従って電気の使い方を工夫することで、毎月の光熱費を抑えられます。

オール電化住宅の居住数

リサーチ会社マイボイスコム(東京)の2021年の調査によると、オール電化住宅の居住数は全体の1割強で、一戸建ての持ち家居住者の2割強となっています。新築住宅は着工数自体が減っているものの、着工戸数に対するオール電化の採用率は今後増えていくと予想されます。

地域別にみると、中国地方や四国地方でオール電化の住宅比率が高めです。さらに、オール電化への切り替えの理由としては、ガスを使わないため安全だと考える家庭が多い傾向にあり、環境への負荷を考えてオール電化を選択している人も少なくありません。

※出典:オール電化住宅に関する調査|MyVoiceのプレスリリース

オール電化の代表的な設備

オール電化の代表的な設備としては、電気温水器やエコキュート、IHクッキングヒーター、床暖房や蓄熱暖房機などが挙げられます。それぞれの特徴を簡単に解説します。

電気温水器やエコキュート

電気の力でお湯を沸かす電気温水器や、エコキュートはオール電化の住宅に欠かせません。特にエコキュートはヒートポンプ技術を活用した電気給湯器で、フロンではなく二酸化炭素を利用している機種を指し、いまやオール電化の住宅に付きものの給湯システムとして広く認知されています。

さらに、エコキュートはお湯を沸かした際に発生した熱を床暖房に利用できるケースも多く、電気を効率的に活用できるサービスとしても人気です。

なお、給湯タンク内にお湯が溜まっている状態であれば、たとえ断水しても非常用の栓から取り出せるので、災害時にも役立ちます。

IHクッキングヒーター

電力によって加熱するIHクッキングヒーターも、オール電化の住宅を代表する設備です。電気によって磁場を発生させ、トッププレート上の調理器具を温める仕組みで、火やガスを一切使用しないため、安全性が高いのが特徴です。

火力調整が正確にでき手入れも簡単なので、オール電化の住宅ではなくても、既に一般的に普及しているシステムであり、自動調理機能や各種アシステム機能も充実しています。

何より火災のリスクを大幅に軽減できるため、利便性以上に安全性の面から導入を決める家庭も少なくありません。

床暖房や蓄熱暖房機など

エコキュートやIHクッキングヒーターのように必須ではないものの、床暖房や蓄熱暖房機なども導入すると、電気を効率的に使用できます。

床暖房は床下に温水や温風が通るパイプを用意し、床を暖めることで部屋の温度を調整するシステムで、上記のエコキュートのシステムとともに導入されるのが一般的です。

また、蓄熱暖房機は一般的に電気料金が安いとされる夜間に、機内の蓄熱レンガに熱を溜めておき、日中にそれを利用して室内を暖められる設備です。

夜間の熱を溜めこむ間のみ電気を使うため、夜間電力が安いプランを契約しているならば、電気料金の節約になります。

さらに、近年は太陽光発電パネルを設置している家庭も増えており、オール電化とまとめて導入する家庭も少なくありません。太陽光パネルで発電した電気を使えるので、導入費用はかかるものの、毎月の電気料金を抑えられます。

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オール電化が普及している背景

オール電化が徐々に普及している理由としては、以下のように設備の性能が向上し、電気のみで快適な生活を送れるようになった点が挙げられます。また、電力小売業の自由化なども背景になります。それぞれ確認していきましょう。

設備の性能向上やエコ意識の高まり

オール電化の家庭が一般的になってきた最大の理由は、給湯器やIHクッキングヒーターなどの性能が向上し、お湯を沸かしたり料理したりするのが電気だけで問題なくなってきたことです。

もともと日本でオール電化が登場したのは1980年代ですが、当時は一般家庭への普及がなかなか進みませんでした。家庭では電気とガスを利用するのが当たり前と考える人が多く、全てを電気で賄うメリットがあまり浸透していなかったのです。

しかし、近年は設備の性能向上に加えて、消費者のエコ意識の高まりもあり、電気をより効率的に使うため、オール電化に切り替える家庭が増えてきました。火を使わずに調理ができるメリットや安全性が広く認識されるようになったのも、オール電化が普及し始めた背景にあります。

電力小売業の自由化も理由に

2016年4月に電力小売業が全面的に自由化されたことで、より安いプランで電気を使える可能性が高まったことも、オール電化にする人が増えた理由の1つです。

電気をより安く使えるプランとともに、オール電化を全面的に売り出す業者も増え、電力会社の乗り換えとともに、オール電化にする家庭も出てきました。

電力の小売自由化により、新たに電気の小売事業をスタートした事業者は「新電力」と呼ばれており、新電力との契約で毎月の電気料金が安くなる可能性があります。また、電力会社が電気料金に応じたポイントを付与することも少なくありません。

今後さらに新電力の台頭とともに、オール電化にする家庭が増えると考えられます。新電力について詳しくは、以下の記事で解説しています。こちらも参考にしてみましょう。

新電力についてもっと詳しく知りたい方はこちら

オール電化の主なメリット

次に、オール電化のメリットを具体的に確認していきましょう。以下のように、オール電化で光熱費を抑えられるケースが多い点や、電気料金とガス料金を一本化できる点、火災のリスクを軽減できる点など、さまざまなメリットがあります。

なお、オール電化のメリットやデメリットに関しては、以下の記事でも説明しています。

オール電化のメリット・デメリットについてもっと詳しく知りたい方はこちら

全体の光熱費を抑えられる

近年はオール電化向けの電気料金プランを提供する事業者も増えており、契約によって全体の光熱費を抑えられる可能性があります。オール電化向けのプランは、電気を利用する時間帯により料金単価が変わり、一般的には夜間の電気料金が安くなります。

特に、エコキュートや蓄熱暖房機などは基本的に夜間電力を利用するので、時間帯で料金単価が一切変動しないプランを利用するのに比べて、工夫次第で毎月の電気料金を安くできるわけです。

ただし、昼間の時間帯の料金単価が安いプランを提供しているところもあるので、家庭の事情にあった電気料金プランを選択することが大事です。

電気とガスが一本化できる

オール電化にすれば、実質的に電気料金とガス料金を一本化できます。

電気とガスのそれぞれの料金について、基本料金が発生するプランを契約している場合、ほとんど使用しなくても一定の料金は支払わなければいけません。一方、オール電化ならばガス料金は一切発生しないため、電気とガスの基本料金の二重払いを防げますし、管理面でも支払い先が1つになるというメリットがあります。

また、電気料金プランによっては基本料金が0円の場合もあり、基本料金を一切支払わなくてよい場合もあるため、オール電化にすることで基本料金の負担がない状態を作り出すことも可能です。

さらに、従来発生していたガス料金を電気料金の支払いに組み込める形になるので、毎月の負担額が把握しやすいのもオール電化のメリットです。

火災のリスクを大幅に軽減できる

オール電化の家庭では火やガスを使わなくなるので、火災のリスクを大幅に軽減でき、安全に家事ができるようになります。ガス漏れやガスの不完全燃焼による中毒が発生する危険もありません。

特に、共働きの家庭で子どもが家事をする場合や、高齢者がいる世帯などの場合、ガスの使用に関して不安を覚える人も多いでしょう。事実、子どもや高齢者がガスの使い方を誤り、火災になってしまったケースは決して珍しくありません。

ガスを一切使用しないオール電化ならば、ガス周りの心配はなくなるので、ほかの要素以上に安全性を鑑みてオール電化に切り替える家庭も増えています。

災害時の対策としても有効

電気温水器やエコキュートのタンク内の水は、災害時の生活用水に利用できます。飲用には適していないので注意は必要ですが、洗濯やトイレなど、水が必要な場面で重宝するでしょう。

さらに、太陽光発電や蓄電池を利用できるオール電化の住宅も多く、災害が起こった際にはガスよりも電気が早く復旧する傾向にあるので、緊急時にもある程度は生活水準を維持できます。

火災保険の割引が受けられる場合も

オール電化では火やガスを使わないことから火災のリスクが低いと考えられており、保険会社によっては火災保険の割引プランを提供しているところもあります。

ただし、2010年に「保険法」の改正を経て多くの会社でこの割引が廃止されたため、火災保険の割引を扱っている会社は少なくなっています。

割引を受けたい場合は、加入前に保険会社に確認するようにしましょう。

オール電化のデメリットは?

オール電化は多くのメリットがある一方で、以下のデメリットもあります。双方をよく理解した上で、慎重に切り替えを検討する必要があります。

高額な導入コストがかかる

オール電化の代表的な設備である電気温水器やエコキュート、IHクッキングヒーター、蓄熱暖房機などは導入にかなりのコスト負担が発生します。

製品によって導入費用は大きく異なりますが、例えばエコキュートの場合、本体価格と工事費で約30万~80万円の費用がかかるのが一般的です。平均して50万円程度の費用はかかるでしょう。

さらに、オール電化のリフォームではIHクッキングヒーターの設置も必要となり、工事費込みで20万円程度は必要です。両方で100万円以上の費用が発生する可能性があるため、ある程度はまとまった資金を用意しておかなければいけません。

停電対策が必要になる

オール電化の住宅はライフラインのほとんどに電気を使っているため、停電になると生活に著しい支障が出る恐れがあります。

上記のように、エコキュートのタンク内の水を利用できたり、ガスに比べると電気は復旧が早かったりするものの、停電時の対策は考えておかなければいけません。

非常時に備えて、電気がなくても利用できるカセットコンロや石油ストーブなどは、できる限り用意しておきましょう。飲用水や調理しなくても食べられる非常食も、すぐに用意できる場所に常備しておくことが大事です。

昼間の電気料金が高くなる可能性がある

オール電化の家庭は、夜間に電気料金が安くなるプランを契約しているケースが多い傾向にあり、昼間の電気料金が割高になる可能性があるので注意が必要です。日中にも多くの電化製品を使用する場合、電気料金プランを見直した方が良い場合もあるでしょう。

電力会社の料金プランによって、基本料金の有無や時間帯の料金単価が変わってくるので、家庭の事情に合わせて最適なプランを選択することが大事です。

オール電化に必要な費用はどれぐらい?

オール電化の環境に住むのに、必要な費用はどれぐらいでしょうか?すでに住んでいる家をオール電化に切り替える場合と、オール電化の住宅に入居する際の費用などを簡単に解説します。

初期費用の目安

すでに説明したように、オール電化の環境を最低限整えるには、エコキュートとIHクッキングヒーターの導入が必要です。既存の住宅にこれらの設備を導入するならば、取り付け費用込みで50万~100万円程度は考えておかなければいけません。

さらに、床暖房や太陽光パネルの設置なども考えているならば、追加で数百万円の費用がかかります。

一方、オール電化の住宅に賃貸で入居する場合は、自らエコキュートやIHクッキングヒーターなどを導入する必要はありません。物件に備え付けられているため、そのまま利用できます。

ただし、オール電化の賃貸住宅やマンションなどは新しい物件が多く、一般的な物件に比べて家賃が高い傾向があります。従って入居時の敷金や礼金もその分、高額になる可能性があるので、事前に初期費用をよく調べておくことが大事です。

また、そもそもオール電化の賃貸物件の数自体が少ないため競争率が激しく、気に入った物件があっても入居できない場合もあるので注意しましょう。

毎月の電気料金の目安

オール電化に切り替えた際の毎月の電気料金は、当然ながら家庭によって異なるものの、平均して1カ月で15,000円程度が目安となっています。1人暮らしの場合は1万円程度です。

一方、総務省の調査によれば、電気とガスを併用している家庭の電気料金の平均は、2人以上の世帯で約12,500円、ガス料金の平均は約5,600円で、合計で約18,000円です。従ってオール電化の方が、全体の光熱費が安くなる傾向にあります。

ただし、当然ながら家電の使い方などで電気料金は変わってくるので、オール電化に切り替えた場合でも、電気を効率的に使う意識が重要である点に変わりはありません。

※出典:家計調査報告【2022年(令和4年)12月分、10~12月期平均及び2022年平均】(P7)|総務省

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オール電化で電気料金を節約するポイント

オール電化の住宅で電気料金を節約するためには、以下のポイントを押さえておく必要があります。設備の使い方を工夫するのはもちろん、住宅の断熱効率なども考えると節約の効果が高まります。

設備の使い方や設定を工夫する

まずは、契約している電力会社の料金プランをよく確認し、料金単価の安い時間帯の利用を心掛けることが大事です。

また、エコキュートなどを省エネモードで使ったり、常に必要最低限のお湯を沸かしたりするなど、設備の使い方や機器の設定を工夫したりすれば、無駄な電気を使わずに済むようになります。

さらに、エアコンや乾燥機など、もともと多くの電力を消費する電化製品の使い方も工夫しましょう。オール電化の住宅に限った話ではありませんが、いくらオール電化の設備の使い方に気を配っても、電力消費量の多い電化製品の使い方がいい加減だと、電気料金の節約はできません。

住宅の断熱効率をよくする

オール電化の設備や家電の使い方を工夫するのに加えて、住宅の断熱効率を上げれば、冷房・暖房にかかる電気料金を抑えられます。断熱性の高い住宅は外気の影響を受けづらいので、床暖房やエアコンの冷暖房などの効率を大きく高めることが可能です。

これから住宅を建てるのであれば、断熱材の質にこだわるのが重要ですが、すでに居住しているならば、窓のカーテンを厚くしたり部屋に仕切りを設けたりすることでも、十分な断熱効果が期待できます。断熱性能の高い窓ガラスを導入するのも有効です。

太陽光発電を利用する

オール電化の設備とともに太陽光パネルを導入し、太陽光発電と組み合わせて運用すれば、電気料金を安く抑えられます。例えば、電気料金の単価が高い時間帯は太陽光発電で得た電力を主に使用し、単価が安い時間帯は通常の電気を利用するといった方法がおすすめです。

また、蓄電池を導入して、電気料金単価の高い時間帯の電力を補うのもよいでしょう。いずれも相応の導入費用はかかりますが、長い目で見れば光熱費の節約につながります。

オール電化で電気を効率的に活用しよう

オール電化は設備の導入にかかる経済的な負担は大きいものの、電気を効率的に利用できるようになり、毎月の光熱費を安くできる可能性があります。導入にあたっては、毎月の電気料金を少しでも抑えるために、ご家庭の事情に合ったプランを選択しましょう。

光熱費の節約を考える方は、Looopでんきの「スマートタイムONE」を検討してみてはいかがでしょうか。電気の使い方を工夫すれば、電気料金を抑えられる可能性があります。

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