ノートパソコンの購入を検討する際、「電気代はどのくらいかかるのか」と気になる方も多いでしょう。もともと省エネですが、使い方によって電気代をより抑えることが可能です。本記事では、ノートパソコンの消費電力と節約のポイントを解説します。
ノートパソコンの消費電力の目安
ノートパソコンの電気代はそれほど大きな負担ではありませんが、モデルによって差が生じます。標準的な機種と高性能なゲーミングモデルでは、必要な電力が異なるため注意が必要です。ノートパソコンの消費電力の具体的な目安を見ていきましょう。
電化製品の電気代は「消費電力(kW)×使用時間(h)×電力量単価(円/kWh)」で求められます。消費電力がW表示の場合は、1,000で割ってkWに換算しましょう。
電力量単価は契約している電力会社ごとに異なり、公式サイトや検針票(電気ご使用量のお知らせ)で確認できます。おおよその電気代を算出したいときは、全国家庭電気製品公正取引協議会が示す目安単価31円/kWhを用いるのが一般的です。
なお、記事全体を通してノートパソコンの使用時間は8時間と仮定します。
※出典: よくある質問 Q&A 公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
一般的なノートパソコンの消費電力と電気代
標準的な機種のノートパソコンの電気代を計算するために、次の製品を取り上げました。
- モデル名:N1635/HAシリーズ
- 消費電力:標準時約7.7W、最大時約65W、スリープ時約0.5W
標準時(約7.7W×8時間) | 約1.90円 |
最大時(約65W×8時間) | 約16.12円 |
スリープ時(約0.5W×8時間) | 約0.12円 |
標準的な消費電力で1日8時間使っても、電気代はわずか約1.9円です。1カ月でも60円程度に収まり、ノートパソコンは電気代の負担がほとんどないことがわかります。
※出典: LAVIE N16(カタログモデル)の仕様について|NEC LAVIE公式サイト
ゲーミングノートパソコンの消費電力と電気代
ゲーミングパソコンでは消費電力が明記されないことが多く、実際の電気代を把握しにくいのが特徴です。電源ユニットを選ぶ際は、システムの最大消費電力に対して1.5~2倍程度の容量を確保するのが一般的な目安とされています。
以下の計算では、ゲーミングノートパソコンの電源容量が消費電力の約2倍であると仮定しています。
- モデル名:GALLERIA RL7C-R35-5N
- 電源容量:180W
- 消費電力の目安:90W
- 1日(8時間)あたりの電気代:約22.32円
ゲーミングノートパソコンは一般的なノートパソコンより性能が高いため、電気代も一般的なノートパソコンより高めです。
※出典: GALLERIA RL7C-R35-5N(RL7C-R35-5N)15968|パソコン通販のドスパラ【公式】|ゲーミングPC
ほかのパソコンの消費電力の目安
デスクトップパソコンやゲーミングパソコンを使った場合、電気代はどの程度かかるのでしょうか。ここではそれぞれのおおよその電気代を示し、ノートパソコンと比較して違いを見ていきます。
デスクトップパソコンの消費電力と電気代
デスクトップパソコンは部品サイズが大きく、冷却ファンや電源ユニットもしっかりしているため、同等の処理能力を持つノートパソコンに比べ電力消費が大きくなります。
- モデル名:LAVIE A27 PC-A2795JAB
- 消費電力:標準時約33W、最大時約90W、スリープ時約3.6W
標準時(約33W×8時間) | 約8.18円 |
最大時(約90W×8時間) | 約22.32円 |
スリープ時(約3.6W×8時間) | 約0.89円 |
標準時・最大時・スリープ時のいずれも、ノートパソコンよりデスクトップパソコンのほうが電気代が高くなることがわかります。
※出典: LAVIE A27 - デスクトップパソコン 仕様 NEC Direct | NEC LAVIE公式サイト
ゲーミングパソコンの消費電力と電気代
ゲーミングパソコンは、搭載するCPUやGPUの性能によって、必要な電源容量が大きく変わります。以下はクラス別の電源容量の目安です。
エントリークラス(ライトゲーマー向け) | 450~550W |
ミドルクラス(一般的なゲーマー向け) | 650~750W |
ハイエンドクラス(重量級ゲームやクリエイター向け) | 850~1000W以上 |
今回はミドルクラスのゲーミングパソコンをピックアップし、電気代の目安を計算します。
- モデル名:G TUNE DG-A5G60
- 電源容量:750W
- 消費電力の目安:375W
- 1日(8時間)あたりの電気代:約93円
エントリークラスなら電気代はもっと安くなりますが、それでも一般的なデスクトップパソコンに比べると高めです。
※出典: G TUNE DG-A5G60│パソコン通販のマウスコンピューターの公式サイトです。デスクトップPCからノートPCまで、充実したカスタマイズと抜群スペックのパソコンが多数!万全のサポート&長期保証で購入前後も安心してご利用頂けます。
⇒ゲーミングパソコンの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
ノートパソコンの消費電力が上がるのはどんなとき?
ノートパソコンは基本的に省電力ですが、利用シーンによっては一時的に消費電力が増えることがあります。電源のオン・オフ時や複数アプリの使用時、システム更新時などは特に電力を使いやすい場面です。ここでは消費電力が上がる代表的なケースを解説します。
電源を入れるときや切るとき
電化製品全般にいえることですが、起動時には一時的に大きな電力を必要とするため、消費電力が高まりやすい傾向があります。ノートパソコンも例外ではなく、電源を入れるときにOSや各種プログラムが立ち上がる過程で負荷がかかり、通常より多くの電力を消費します。
さらに意外と見落とされがちなのがシャットダウン時です。終了処理の中ではデータの保存やシステムの停止処理が行われるため、このときにも一時的に電力使用量が増えます。短時間であっても、これらの動作を繰り返すことで結果的に電気代に影響する場合があります。
複数アプリを同時使用しているとき
複数のアプリを同時に使用すると、それぞれの処理が並行して実行されるため、CPUやメモリにかかる負荷が大きくなり、その分電力消費量も増加します。
特に動画編集ソフトや画像加工ツール、ウェブ会議アプリなどのようにリソースを多く必要とするソフトを同時に動かすと、処理能力をフルに使うことになり、電力の使用量は一気に高まるでしょう。
さらに、ユーザーが意識していなくても、バックグラウンドで自動更新やクラウド同期、セキュリティソフトの監視といったサービスが常時稼働しており、これらも隠れた負荷として電力消費に影響します。そのため、不要なアプリや常駐ソフトを整理することで、省エネ効果を高められます。
システムの更新やウイルスのスキャンをしているとき
システム更新時には、更新データのダウンロードからインストール、そして再起動に至るまで複数の工程が発生し、その過程でCPUやストレージへの負荷が大きくなります。
特に大型アップデートでは数百MBから数GBに及ぶデータを扱うこともあり、長時間にわたって処理が続くため、通常の作業に比べて消費電力は増加するでしょう。
また、ウイルススキャンではパソコン内の膨大なファイルを一つずつ照合し、不審な挙動がないかを確認するため、ストレージへのアクセス回数が非常に多くなります。その結果、CPUやメモリも集中的に稼働し、電力消費量が大きくなるのです。
これらの処理は利用者が意図しなくてもバックグラウンドで自動的に実行されることが多いため、気づかないうちに電気代に影響している可能性があります。定期的に行う必要のある処理ですが、使用していない時間帯にスケジュールしておくことで、負荷の分散と省エネの両立が期待できます。
動画や画像の編集をしているとき
動画や画像の編集作業は、パソコンにとって非常に負荷の高い処理の一つです。大容量のデータを読み込み、複数の工程を経て加工や書き出しを行うため、CPU・グラフィックボード・メモリがフルに稼働します。その結果、通常の文書作成やWeb閲覧と比べて消費電力が大幅に増えるでしょう。
特に高解像度の動画編集や3D処理を伴う作業では、短時間でも電力使用量が跳ね上がり、電気代に直結します。長時間作業を行う場合は冷却ファンも強く回るため、さらに多くの電力が必要です。
ノートパソコンの消費電力や電気代を下げるコツ
ノートパソコンはもともと省電力ですが、ちょっとした工夫でさらに電気代を抑えられます。電源管理の方法や画面設定、利用スタイルを見直すだけで効果が出る場合も少なくありません。日常的に取り入れやすい節電のポイントをご紹介します。
シャットダウンとスリープの使い分けを意識する
ノートパソコンを使わない時間が短時間であれば、シャットダウンよりもスリープを選ぶ方が効率的です。シャットダウンすると次回起動時に多くの電力を必要とし、その分、無駄な電気代につながってしまいます。スリープであれば待機中の消費電力はごくわずかであるうえ、すぐに作業を再開できる点もメリットです。
日本マイクロソフトの資料では、パソコンを使わない時間が90分以内ならスリープ、90分以上ならシャットダウンと使い分けることで、省エネと快適さの両立が可能になるとしています。
※出典: 使用しない時間帯における事務用機器等の電源の遮断 | 環境省
ディスプレイの輝度を下げる
ノートパソコンのディスプレイは、大きな電力を消費する部品の一つです。画面の輝度を下げることは、ノートパソコンの直接的な節電効果につながります。
明るさを最大に設定すると見やすさは向上しますが、その分余計に電力を消費してしまい、長時間利用する場合には電気代の差となって現れます。快適に作業できる範囲で輝度を下げることが重要であり、暗すぎて目に負担をかけない程度の調整が理想です。
使わない間はプラグを抜いておく
ノートパソコンを使っていないときでも、電源プラグをコンセントに差しっぱなしにしていると、待機電力が発生します。待機電力とは、機器がオフの状態でも内部の回路でわずかに消費されている電力のことです。
家庭全体の電力消費量のうち、待機電力が占める割合はおよそ5%とされ、意外と無視できない数字です。ノートパソコンを長時間使用しない場合や外出時には、電源プラグを抜く、またはスイッチ付き電源タップを活用することで無駄な消費を防げます。
※出典: 待機時消費電力について | 家庭の省エネ情報 | 電気のお役立ち情報 | 関東電気保安協会
省エネ機能を活用する
ノートパソコンには、消費電力を抑えるための省電力モードや節電機能が標準で備わっている場合が多く、設定を有効にするだけで効率よく電気代を節約できます。
省電力モードを使うと、ディスプレイの明るさを自動で調整したり、一定時間操作がないとスリープ状態に移行したりといった機能が働きます。また、機種によってはCPUの動作クロックや冷却ファンの回転数を調整できるなど、より細かなカスタマイズも可能です。
これらを上手に活用することで無駄な電力を抑え、快適さを維持しながら節約が実現できます。
性能を超えた使い方をしない
パソコンは搭載されているCPUやメモリ、グラフィック性能などのスペックに応じた使い方をすることで安定した動作を維持できます。しかし、性能を超える負荷をかけ続けると処理が追いつかず、CPUやGPUが高温になって冷却ファンがフル稼働し、消費電力も大きく上昇します。
特にオンラインゲームや映像編集など高負荷な作業を行う際には、推奨スペックを満たしているかどうかを確認することが重要です。余裕のない環境で動作させると、不具合や寿命の短縮につながるおそれがあります。快適さと省エネの両立には、自分のPC性能に見合った利用を心がけることが大切です。
最新機種に買い替える
ノートパソコンは長年使用することで、バッテリーの劣化や内部の冷却性能の低下が進み、本来よりも多くの電力を消費する傾向があります。バッテリーが劣化すると充電効率が悪化し、稼働中も余計に電力を必要とするのです。
また、冷却性能が落ちると内部温度を下げるためにファンが頻繁に回転し、その結果、消費電力が増える原因になります。
一方、最新のノートパソコンは省エネ性能が向上しており、CPUやディスプレイの効率化によって、少ない電力で高いパフォーマンスを発揮できます。電気代を抑えたい、あるいは快適に作業したいと考える場合には、新しい機種に買い替えることも有効な選択肢です。
電気料金プランや電力会社を変更する
電気代を抑える方法の一つに、契約している電気料金プランや電力会社を見直すことが挙げられます。例えば、夜間にパソコンを使うことが多い人は、夜間料金が安いプランを選ぶことでコスト削減につながります。日中の利用が中心なら、時間帯に応じた割引があるプランを検討すると効果的です。
ノートパソコン自体の消費電力は、家庭全体から見れば数%程度と大きくはありませんが、長時間の利用やほかの電化製品と合わせると積み重なって電気代に影響します。自分のライフスタイルに合ったプランへ変更することで、パソコンを含む電気代全体を、無理なく節約できます。
⇒電気を切り替えるメリット・デメリットについて詳しく知りたい方はこちら
⇒新電力と大手電力の違いについて詳しく知りたい方はこちら
ノートパソコンは消費電力を意識して賢く使おう
ノートパソコンは消費電力が少なく電気代も安いのが特徴ですが、使い方次第で無駄が生じることもあります。スリープや省電力機能を活用し、画面の輝度や利用スタイルを見直すことで節電効果を高められます。
ライフスタイルに合った電気料金プランや電力会社を選ぶことも併せて検討し、省エネと快適さを両立させましょう。
電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみませんか。
Looopでんきの「スマートタイムONE」は、電気料金が市場価格に合わせて30分ごとに変動する仕組みのプランです。 電気を多く使う家族世帯でも、料金が安くなる時間帯に合わせて電化製品を使えば、無理なく電気代を節約できます。さらに、契約期間の縛りがなく、解約手数料もかからないため、安心して気軽に利用を始められる点が魅力です。
また、専用アプリを使えば、30分ごとの電気使用状況が確認でき、月末の電気代も予測可能です。リアルタイムで使用量を把握できるため、電気代が思ったより高くなるといった心配も減り、家計に合わせた電気の使い方を管理できます。
実際にLooopでんきを利用しているお客さまの声をご紹介します。
「知り合いの勧めがあり、半信半疑で加入しましたが、大手とは異なる細やかさがあり満足しています。また料金も満足しています。」
「いつも毎日の電気予報を見ながら、炊飯器の使用や掃除機、洗濯機を動かしています。そのおかげで、随分節約できています。」
まずは、Looopでんきの「スマートタイムONE」で、今の生活に合った電気代の見直しをしてみませんか。