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電気料金に含まれる「再エネ賦課金」とは?仕組みと役割について解説

  • 公開日:2021年7月19日
  • 執筆者:Looop編集部

再エネ賦課金の写真 再エネ賦課金の写真

検針票(電気使用量のお知らせ)に記載されている「再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」。わたしたちはそれを毎月の電気料金の一部として支払っていますが、何を目的としたものなのでしょうか。今回は、再エネ賦課金の仕組みや特徴、次世代の新エネルギーである再生可能エネルギーについて解説します。

再エネを取り巻く状況

「再エネ賦課金」の正式名称は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」です。このお金は、再エネを促進する仕組みである固定価格買取制度を維持するために、電気を使う国民全員から徴収しています

しかし、このような説明では「わかるようなわからないような……」となってしまう方も多いかと思います。なので、この記事では、

  • そもそも「再エネ(再生可能エネルギー)」とは
  • 再エネを促進するための「固定価格買取制度」とは
  • 固定価格買取制度を維持するための「再エネ賦課金」とは


という順番で仕組みを解説していきます。
少し長くなってしまいますが、ひとつひとつ確認していく方がより深く理解できますので、順番に読んでもらえればと思います。
それでは見ていきましょう。

そもそも再エネとは

再生可能エネルギー(再エネ)とは、非化石エネルギーのうち半永久的に利用することができるものを指します。自然エネルギーとも呼ばれていて、電力資源としては太陽光発電や風力発電といったものが代表的です。

再生可能エネルギーは、石油や石炭を利用した火力発電と違って二酸化炭素を排出しません。そのため、地球温暖化の抑制につながる、環境に優しいクリーンエネルギーとして注目を浴びています。

再生可能エネルギーの普及を促進するために、一部の再生可能エネルギーは固定価格買取制度(FIT制度)という政府が定めた助成制度の対象になっています。市場価格に左右されない一定金額での電力買取を保証することで、電気事業者による再生可能エネルギー発電の導入を後押しするものです。

エネルギー資源の自給率向上や環境保全の観点から、国や企業は再生可能エネルギー利用への積極的な取り組みを行っています。

再生可能エネルギーの種類と特徴


ここからは、固定価格買取制度(FIT制度)の対象となっている再生可能エネルギーの、代表的な種類とその特徴、そしてそれらが抱える課題や解決方法について解説します。

太陽光発電

太陽光発電とは、太陽光のエネルギーを電気に変換する発電方法です。自然エネルギーと聞いて、まず太陽光発電を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

発電装置である太陽光パネルは一般住宅にも設置できるので、再生可能エネルギーのなかでも普及率が高いのが特徴です。また、2017年には世界の太陽光発電装置の累積導入量が原子力発電を追い抜くなど、世界規模でも導入が進んでいます。

日光さえあれば無限に発電できるのが特徴ですが、悪天候や夜間には電力の供給ができないことが課題点です。

風力発電

風の力で風車を動かして発電機を回転させる発電方法が風力発電です。太陽光発電と違い、風が吹いていれば日の当らない夜間でも発電し続けることができます。また、ほかの再生可能エネルギーより比較的効率良く発電できることも風力発電の特徴です。

風力発電には大きく分けて、山や海沿いに発電装置を設置する陸上風力発電と、海や湖に設置する洋上風力発電の2種類があります。

風力発電の課題点としては、風力が弱いときや台風などの悪天候のときには利用できないことなどが挙げられます。

水力発電

再生可能エネルギーのなかで最も電気エネルギー変換効率が高いのが水力発電です。水が高い位置から流れ落ちるエネルギーを利用して水車やタービンを回し発電します。

水を落とす高低差を作る方法にはダム式と水路式、2つを併用したダム水路式があり、水の運用方法も流れ込み式や調整池式などさまざまです。

水力発電には水の流れを調整して、必要に応じて発電量をコントロールできるという利点があります。日本は山など高低差のある土地に恵まれ、水も豊富なため、戦前から水力発電が活発に行われてきました。

ただし降雨量が少ない時期に発電量が減ってしまうことなどが主な課題点です。

地熱発電

日本の風土に適した発電方法の1つが地熱発電です。火山や天然の噴気孔、温泉などがある「地熱」地帯には、他の土地より浅い地点にマグマだまりがあります。

この地熱地帯の地面にしみ込んだ雨水は、マグマだまりによって加熱されて水蒸気となり地熱貯留層にたまります。地熱発電では、ここから水蒸気を取り出し発電に利用しています。火山国である日本では地熱発電が行いやすく、天候に左右されないため供給量も安定しているという特徴があります。

地熱発電が抱える課題点としては、発電施設の建設にコストと時間がかかることなどが挙げられます。

バイオマス発電

最後にご紹介するのが、動植物由来の資源を利用したバイオマス発電です。木材チップや動物の糞尿、下水の汚泥などを燃焼あるいは発酵させて、そこから発生した水蒸気やガスを発電に利用します。

天候に影響されやすい太陽光発電や風力発電に比べて供給が安定しており、また必要量に応じて発電量を調節できるという特徴があります。また、植物が持つCO2は元々自然界から吸収したものなので、植物由来の燃料資源は、利用してもCO₂を減らさない代わりに、本来のCO2量を増やすこともありません。このような考え方を「カーボンニュートラル」と言います。バイオマス発電はこのカーボンニュートラルに即した発電方法であることもポイントです。

バイオマス発電の課題点としては、電気エネルギー変換効率の低さや発電にかかるコストの高さが挙げられます。

再生可能エネルギーの種類と特徴
発電方法 特徴 課題
太陽光発電
  • 一般家庭でも設置可能
  • 屋根や壁などの空きスペースに発電装置を設置できる
  • 悪天候や夜間には発電不可能
風力発電
  • 昼夜問わず運転可能
  • 海上での発電が可能
  • 風が弱い、悪天候で発電不可能
水力発電
  • 電気エネルギー変換効率が良い
  • 発電量の調整が可能
  • 降雨量によっては発電不可能
地熱発電
  • 日本の風土に適している
  • 電力供給量が安定している
  • 発電施設にコストがかかる
バイオマス発電
  • 電力供給量が安定している
  • 「カーボンニュートラル」である
  • 電気エネルギー変換効率が低い
  • 発電にコストがかかる

再エネと固定価格買取制度

そして、日本での再生可能エネルギー普及に大きく関わるのが、再エネ賦課金と固定価格買取制度(FIT制度)です。ここからは固定価格買取制度の仕組みについて詳しく解説します。

固定価格買取制度とは

固定価格買取制度とは、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が固定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。FIT(Feed-in Tariff)という略称でも知られており、再生可能エネルギーの普及を目的に2012年7月からスタートしました。

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FIT制度では、再生可能エネルギーで発電した電気は、制度を利用しはじめてから10年~20年、固定価格で電力会社が買い取ってくれます。
この買取は国が義務づけているものであり、また買取価格は通常よりも高額に設定されています。そのため、発電事業者は高い収益を安定して得られることができます。この利点によって多くの事業者が再エネの発電事業に参入し、日本における再生可能エネルギーの導入促進が後押しされました。

再生可能エネルギーの普及・拡大を行う理由


再生可能エネルギー普及・拡大に政府や企業が熱心に取り組む理由としては、まず世界規模で問題視されているCO2など温室効果ガスの削減が挙げられます。

菅義偉首相は2021年4月、日本の2030年度における温室効果ガス削減目標を、それまでの26%削減から46%削減(2013年度比)へと引き上げると発表しました。菅首相が打ち出した対策案には、「脱炭素」「カーボンニュートラル」に向け再生可能エネルギーの最大限の活用などが盛り込まれています。

また、再生可能エネルギーには、日本の低いエネルギー自給率を向上させてくれるという期待もかけられています。 日本には石油やガスといった資源エネルギーに乏しいため、そのほとんどを輸入に頼っています。2018年時点での日本のエネルギー自給率は11.8%(※)と、OECD(経済協力開発機構)に加盟する35カ国のなかでは34位とかなり低い状況です。また、輸入燃料は価格の変動が激しく、電気事業をはじめとする国内産業への影響も少なくありません。

こうした状況を打開するために、自給できる再生可能エネルギーの普及・拡大には大きな関心が向けられているのです。

なお、再生可能エネルギーは発電施設の建設や維持が課題となります。火力発電や原子力発電に比べて発電量が確保できない、あるいは再エネの種類によっては建設コストに見あうだけの発電量が得られないなど、導入における大きな懸念が多いです。
固定価格買取制度には、コストの面で再生可能エネルギーの普及を手助けし、エネルギー自給率の向上を後押しする狙いがあります。

※出典:経済産業省資源エネルギー庁|日本のエネルギー 2020年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」

再エネ賦課金とは

再エネ賦課金という略称で知られる「再生可能エネルギー発電促進賦課金」とは、前述した固定価格買取制度にかかる費用を補填するために作られたです。FIT制度での電力買取を維持するために、その費用は電力を使う日本全国の人々で平等に負担しています。そのため、再エネ賦課金は毎月の電気量の一部として自動的に徴収されます

短期的に見れば負担が増えるものですが、再生可能エネルギーが今より普及・拡大すると、長期的には電気料金の価格が安定していきます。そのような形で将来的には国民みんながリターンを受け取ることができます。

再エネ賦課金の金額は、普及状況や事業コストを踏まえて算出された買い取り費用をもとに、有識者による調達価格等算定委員会を経て、経済産業大臣が毎年決定しています。

再エネ賦課金の仕組みと計算方法


ここからは、再エネ賦課金の目的や毎月の料金の計算方法などについて見ていきましょう。

再エネ賦課金の目的


再エネ賦課金の最大の目的は、再生可能エネルギーの普及と促進です。固定価格で買い取ることで、再生可能エネルギー事業者の利益を安定化させ、事業が行いやすくなるよう配慮されています。

また、前述したとおり、再生可能エネルギーの普及が進めば化石燃料への依存を減らすこととができます。依存度が減ると電気料金が燃料価格変動の影響を受けづらくなりますので、電気を利用する人全員がメリットを享受することにつながります。

日本の発電電力量に占める再エネ比率は、2017年時点で16.0%(水力を除くと8.1%)。再生可能エネルギーの普及・拡大への道のりはまだまだ長く、再エネ賦課金も今より増額されることが予想されます。すぐに効果を実感できる訳ではありませんが、再エネ賦課金がより良い未来に貢献するものであることを、ぜひ覚えておいてください。

再エネ賦課金の特徴と懸念点

再エネ賦課金は、どの電力会社と契約していても、電気を使ったら必ず支払うものになります。
また、自宅に太陽光パネルなどを設置して自家発電・自家消費をしている場合などは、電力料金に加算されないので再エネ賦課金の負担対象外になります

懸念点は、再エネ賦課金の単価が増え続けていることです。制度導入当初の2012年度には0.22円 / kWhでしたが、2021年度には3.36円 / kWhまで上昇しています。
環境省の発表によると(※)、固定価格買取制度が終了し、再エネ賦課金が0になる見込みは2048年。2030年頃からやっと再エネ賦課金の減額が始まるとの予測ですが、それまでは増額し続ける見通しです。

国民や企業の負担と再生可能エネルギー普及コストのバランスをとることが、再エネ賦課金の課題と言えるでしょう。

※出典:環境省|「平成25年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討報告書」より5. 再生可能エネルギーの導入に伴う効果・影響分析

再エネ賦課金単価の推移
2021年度分 3.36円 / kWh
2020年度分 2.98円 / kWh
2019年度分 2.95円 / kWh
2018年度分 2.90円 / kWh
2017年度分 2.64円 / kWh
2016年度分 2.25円 / kWh
2015年度分 1.58円 / kWh
2014年度分 0.75円 / kWh
2013年度分 0.35円 / kWh
2012年度分 0.22円 / kWh


※出典:新電力ネット|再生可能エネルギー発電促進賦課金の推移|RENEWABLE

再エネ賦課金の計算方法

再エネ賦課金の計算方法は以下のとおりです。

再エネ賦課金=再エネ賦課金単価×電気使用量(kWh)

毎年に改定される再エネ賦課金単価に、月々の電気使用量を掛け合わせたものが再エネ賦課金として請求されます。

例えば、2021年5月~2022年4月の再エネ賦課金単価は3.36円/kWh(※1)。一般家庭の1カ月の消費電力量(※2)で計算してみると、

248.7kWh(2015年度平均電力使用量)× 3.36円/kWh= 835円(小数点以下切り捨て)

となります。

※1 東京電力エナジーパートナー|2021年5月分以降の再生可能エネルギー発電促進賦課金単価について
※2 東京電力エナジーパートナー|電力需要

まとめ

この記事では、再生可能エネルギーの種類や再生可能エネルギー発電促進賦課金について詳しく解説しました。再生可能エネルギーの普及・拡大を目的として設けられた再エネ賦課金は、2030年頃のピークに達するまで今後も増額し、2048年にかけて減額する見通しです。

再エネ賦課金そのものは、国の制度として定められているので、電力会社を切り替えても減額できません。
ただ、再エネ賦課金に関係なく電力料金を節約したいのであれば、契約している電力会社の見直しで月々の支払いを減額できるかもしれません。また、自宅の太陽光パネルで発電した分に関しては賦課金を回避できるので、こうした装置の導入も一つの選択肢です。

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