記事をシェアする

紙幣と電卓と電気代の看板 紙幣と電卓と電気代の看板

「電化製品の買い換えで節電になる」と聞いたことがある方は多いかもしれません。電化製品は企業努力によって年々省エネ技術が向上しています。特に、エアコンや冷蔵庫など消費電力量の多い電化製品ほど省エネが進んでおり、10年以上前に購入した電化製品であれば、買い換えるだけで大幅に電気代が節約できる可能性が高いです。

「まだ使えるけど、省エネのために思い切って電化製品を買い換えよう」という方がいる一方で、「どのくらい省エネになるかわからないと決められない」という方もいると思います。電化製品買い替えによっての電気代がどれだけ安くなるかは、年間消費電力量を見ることでわかります。

この記事では、電化製品の年間消費電力量とは何か、計算方法や消費電力との違いなどを解説します。年間でどのくらいの電気代が安くなるかもわかれば、買い換えへの不安も和らぐでしょう。電化製品の買い換えに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

再エネ由来の電気をフル活用
料金プランはこちら

年間消費電力量とは?

まず、電化製品の年間消費電力量について解説していきます。

年間消費電力量

年間消費電力量とは、実際の使用条件に近い条件のもと、その電化製品を1年間使用することでかかる電力量のことです。測定の条件は、メーカーごとではなく電化製品ごとに決まっています。

たとえば、テレビの場合は1日4.5時間視聴、19.6時間待機状態と想定して計算するなど、一定のルールがあります。電化製品の使い方は各家庭で異なりますから、正確な電気代を測定することはできません。しかし、「1年間使ったらおおよそこのくらいだな」という目安はつかめます。

年間消費電力量を見るときの注意点

年間消費電力量の測定方法は、実際に使用される条件に近づけるよう改善され、昔と現在では測定方法が変わっている電化製品があります。たとえば、冷蔵庫は2016年に測定方法が変わりました。2000年代~2010年代前半の冷蔵庫と最新の冷蔵庫の年間消費電力量を比較する場合は、厳密に比較することはできないので注意しましょう。

2015年以前の冷蔵庫の年間消費電力量の見方

年間消費電力量は、JISC(日本工業標準調査会)の制定基準で算出されていますが、冷蔵庫の場合、2016年に測定方法が変更されました。そのため、次の項でご紹介する計算方法で年間消費電力量から電気代を計算した場合、2016年以前に作られた冷蔵庫と、現在の冷蔵庫では正確な比較はできません。

10年以上使用している古い電化製品の正確な年間消費電力量を知りたい場合は、環境省のサイトにある「しんきゅうさん」を利用しましょう。製造年数やメーカーなどを記載すると、年間消費電力量が正確にわかります。

2016年以降の電化製品ならば、そのまま自分で計算式にあてはめて、電気代の比較が可能です。なお、年間消費電力量は電化製品の製品番号や型番が記載してあるシールや説明書、メーカーのホームページに記載されています。

年間の電気代の計算方法

年間消費電力量を使って年間の電気代を計算するには、次の式を使います。
年間消費電力量(kWh) × 1KWhあたりの電気料金単価(円/kWh)
1kWhの電気料金単価は、一般的に27円/kWhくらいが相場ですが、電力会社によって変わるので、ご自宅で契約している電力会社の電気料金単価を確認してみてください。

年間消費電力量は、電化製品ごとに測定の条件が決まっています。測定条件は、一般的な生活を想定されたものですが、ご自身のライフスタイルがその測定条件とあまりにかけ離れている場合は、実際の電気代と異なる可能性があるため注意しましょう。

年間消費電力量の活用方法としては、年間消費電力量の値が低い製品ほど電気代がかからないので、テレビならテレビ、冷蔵庫なら冷蔵庫で、電気代が安い製品を探している際の簡単な目安になるという点です。

消費電力と定格消費電力は年間消費電力量とどう違う?

消費電力には「年間消費電力」「定格消費電力」といった種類があります。ここでは、これらの違いについて詳しく解説していきます。

消費電力とは?

消費電力とは、電化製品を稼働した時に消費する電力です。消費電力はW(ワット)で表されます。消費電力の値を使って、使用時間あたりの電気代を算出することができます。

消費電力で時間あたりの電気代がわかる

消費電力から時間あたりの電気代を計算する場合は、次の式で求められます。
電気代
=1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×1kWhあたりの料金単価(円/kWh)
=1時間あたりの消費電力(W)÷1000×使用時間(時間)×1kWhあたりの料金単価(円/kWh)

1kWhの電気料金単価は前述したように、27円/kwh前後が多いですが、電力会社によって異なるので、契約している料金プランをぜひ確認してみてください。

※電化製品などに書かれている1時間あたりの消費電力はWで表示されているので、WをkWの単位に変換すると、消費電力(W)÷1000となります。また、1kWh(キロワットアワー)とは1kW(1000W)の電力を1時間使ったときに使用した電気の量のことです。

定格消費電力とは?

定格消費電力とは、すべての機能を最大限に使用した場合に消費する電力量の値です。たとえばドライヤーやハロゲンヒーターなど、使用環境によって消費電力が変わらない電化製品や、照明器具のようにスイッチのオン・オフのみの機能がある電化製品のことで、スイッチをオンにして運転した時の消費電力がそのまま定格消費電力量になるのでわかりやすいです。ただし、実際の電化製品の消費電力は、限界の消費電力を超えないようにするため、定格消費電力の90%ほどとなっています。

年間消費電力量を用いて、電気代を比較する

電卓と電球の写真 電卓と電球の写真

前述したように、電化製品の省エネ技術は年々進歩しています。電化製品によっては、10年前と最新式の製品を比べる年間消費電力量が2~3割以上違うというものもあります。最新の電化製品の方が、今お持ちの電化製品よりも大幅に年間消費電力量の数値が低い場合は、買い換えたほうが電気代の節約になります。

ここでは、電化製品を最新型のものと買い換えることで、どのくらい電気代の節約になるのか解説していきます。比較する電化製品は、冷蔵庫・テレビ・エアコン・温水洗浄便座です。これら4つの電化製品は、家庭の電化製品別の電気使用量トップ5です。冷蔵庫が全体の14.2%、3番目はテレビ8.9%、4番目がエアコン7.4%、5番目が電気便座3.7%(※1)となっており、これらの電気代が節約できれば、毎月の電気代も節約できることでしょう。ご自宅の電化製品の年間消費電力量もぜひチェックしてみてください。

(※1)出典:資源エネルギー庁

冷蔵庫

冷蔵庫は、24時間ずっと稼働し続けるので、ご家庭の電気使用量の中でも最も高い割合を占めます。電化製品協会が作成した「2020年度版スマートライフおすすめBOOK」(※2)によると、2009年と2019年にそれぞれ発売された定格内容積401~450Lの冷蔵庫の年間消費電力量が比較されています。

冷蔵庫 (定格内容積401~450Lの比較) 年間消費電力量
2009年モデル 490kWh~550kWh
2019年モデル 293kWh

※JIS C 9801-3:2015に基づき測定。なお、特定冷蔵庫の年間消費電力量や年間電気代を示したものではなく、消費電力量や電気代を保証するものではありません。

2009年モデルの年間消費電力量が490kWh~550kWhに対し、2019年モデルは、293kWhです。つまり、40~47%もの省エネになっています。一般財団法人 電化製品協会の試算では、年間電気代は約5,290円~6,910円安くなるとのことです。

(※2)出典:一般財団法人 電化製品製品協会「2020年度版スマートライフおすすめBOOK」

テレビ

テレビは、家庭の電気使用量にしめる割合が3番目に多い電化製品です。冷蔵庫と同じように、一般財団法人電化製品協会が作成した「2020年度版スマートライフおすすめBOOK」(※2)から、2010年と2019年の製品の消費電力量を比較してみましょう。

32V型液晶テレビ 年間消費電力量
2010年モデル 81kWh
2019年モデル 57kWh

※JIS C 9801-3:2015に基づき測定。なお、特定の製品の年間消費電力量や年間電気代を示したものではなく、消費電力量や電気代を保証するものではありません。

32型液晶テレビは、2010年モデルが81kWhに対し、2019年モデルは57kWhです。電力消費量は約30%削減され、電気代は年間で約640円お得になっています。

40V型液晶テレビ 年間消費電力量
2010年モデル 144kWh
2019年モデル 84kWh

※JIS C 9801-3:2015に基づき測定。なお、特定の製品の年間消費電力量や年間電気代を示したものではなく、消費電力量や電気代を保証するものではありません。

40V型液晶テレビの場合は、2010年モデルが144kWhに対し、2019年モデルが84kWhです。電力消費量は42%削減され、電気代は年間で約1,600円も安くなります。

(※2)出典:一般財団法人 電化製品製品協会「2020年度版スマートライフおすすめBOOK」

エアコン

エアコンは消費電力が大きく電気代が高い電化製品と思われがちですが、冷蔵庫やテレビに比べると家庭内の消費電力に占める割合は4番目と低くなっています。これは使う時期が限られていることが要因で、通年で使用する冷蔵庫やテレビに比べると消費電力は意外と高くありません。

エアコン 年間消費電力量
2009年モデル 978kWh
2019年モデル 811kWh

*JIS C 9801-3:2015に基づき測定。なお、特定の製品の年間消費電力量や年間電気代を示したものではなく、消費電力量や電気代を保証するものではありません。

2009年モデルと2019年モデルでエアコンの年間消費電力量を比べると(※2)、2009年モデルが978kWhの消費電力量だったのに対し、2019年モデルは811kWhです。消費電力量は約17%削減され、年間の電気代は約4,510円安くなります。エアコンは、各メーカーが省エネに積極的に取り組んでいるので、省エネ率が高い電化製品です。

(※2)出典:一般財団法人 電化製品製品協会「2020年度版スマートライフおすすめBOOK」

温水洗浄便座

温水洗浄便座も通年で使用するので、家庭の電気使用量にしめる割合が5番目に多くなっています。

2009年と2019年で温水洗浄便座の年間消費電力量を比べると(※2)、

温水洗浄便座 年間消費電力量
2009年モデル 108kWh
2019年モデル 87kWh

*JIS C 9801-3:2015に基づき測定。なお、特定の製品の年間消費電力量や年間電気代を示したものではなく、消費電力量や電気代を保証するものではありません。

2009年モデルの消費電力量が108kWhだったのに対し、2019年モデルは87kWhまで下がっています。消費電力量は19%削減され、年間の電気代は約570円安くなる計算です。年間を通して温水洗浄便座を使うご家庭は、省エネ率が高い製品に買い換えたら、目に見えて電気代が安くなる可能性もあるでしょう。

(※2)出典:一般財団法人 電化製品製品協会「2020年度版スマートライフおすすめBOOK」

省エネ性能の高い電化製品を見つけるには

最新の電化製品の方が省エネ率は高いことはおわかりいただけたでしょうか。ここでは省エネ性能の高い電化製品を見分けるポイントを解説します。新しい電化製品を省エネ基準で買い換えたい場合は、ぜひ参考にしてみてください。

トップランナー制度

トップランナー制度という、対象となる機器ごとに基準値を設定し、達成年度を定めてエネルギー消費効率を高めるよう促進する資源エネルギー庁の政策があります。2014年からはじまり、対象となる機器は徐々に増えています。トップランナー制度により、メーカーはより省エネ効率の高い電化製品を開発するようになりました。トップランナー制度をどのくらい達成しているかは、次に説明する、省エネ基準達成率で示されています。

省エネルギーラベリング(省エネラベリング)制度

省エネルギーラベリング(以下、省エネラベリング)とは、省エネ法で定められた製品に貼られるラベルの総称で、製品の省エネ性能が目標基準を達成しているかを表すものです。対象となっている電化製品は、エアコン・冷蔵庫・テレビ・照明器具・電気便座・ストーブなど21品目で、対象の電化製品には省エネ性マークがつけられています。この省エネマークにはグリーンとオレンジがあり、オレンジのマークは国が定めた省エネの目標に達していない製品に貼られ、グリーンのマークは目標に達している製品に貼られるので、省エネの程度が一目で分かるものです。
省エネラベルからは、以下のことが記載されています。

  • 省エネ性マーク:オレンジ・グリーンで表します。説明は前述の通りです。
  • 省エネ基準達成率:製品がトップランナー基準の目標基準値を、どの程度達成しているかを%で表したものです。100%で達成、100%以上は目標基準値をうわまわっていることを示します。
  • エネルギー消費効率:エネルギーの年間消費量で表す製品が多いです。

また、「統一省エネルギーラベル」というものもあり、これは製品の省エネルギー性能を星の数で表したものです。エアコンの売り場で見たことがあるという方も多いことでしょう。省エネ性マークより、省エネ率がわかりやすいので、省エネ電化製品を選びたい場合は統一省エネルギーラベルをまず確認しましょう。

まとめ

今回は、年間消費電力量から年間の電気代を計算する方法や、年間消費電力量の値を使って、最新の電化製品がどれだけ省エネで、古いモデルの機器からの買い替えによってどれほど電気代の削減になるのかを解説しました。最新の電化製品ほど省エネの性能は高くなっていますので、10年以上使っている電化製品は、一度買い換えを検討して見ると良いでしょう。

電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみましょう。

Looopでんきでは、市場価格に合わせて電気料金が変わる「スマートタイムONE」を提供しています。

ご自宅で電気を使用するタイミングを工夫したり、使用量を調整したりすれば電気料金の節約につながります。これを「ピークシフト」や「ピークカット」と呼びます。

以下は、ピークシフト・ピークカットの取り入れ方の例です。

  • 電気料金が安い時間帯に「電化製品を使用する家事」を済ませる
  • タイマー機能の付いた洗濯機や食洗機などを導入し、電気料金が安い時間帯を狙って稼働させる
  • 電気料金が高い時間帯には、外出を楽しむ

ピークシフト・ピークカットを実際に普段の生活へ取り入れているお客様の声を紹介します。

(40代 / 女性 / 5人暮らし)
電気の使用量アプリをうまく使い、節電出来ているので、おすすめしたいです。アプリは分かりやすいし、使用料金もでているので目安になりやすいです。

(40代 / 女性 / 3人暮らし)
ゲーム感覚で電気の節約を楽しめたのは初めてで楽しんでいた自分がいました。
周りの友人にもこの楽しさを共有したいので100%勧めたい。

まずは、市場連動型のプランを無理なく生活サイクルへ取り入れられるかどうかイメージしてみてはいかがでしょうか。

Looopでんきの「スマートタイムONE」をチェック