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空気清浄機の画像 空気清浄機の画像

室内の花粉やホコリ、ウイルスなどの対策として空気清浄機の購入を検討される方は多いと思います。空気清浄機を使う場合は24時間運転させた方がより効果が得られますが、そうなると気になるのは電気代です。

家庭用の空気清浄機には小型のものから大きめのものまで各種ありますが、電気代はそれほど高くありません。もちろん運転の仕方や機種にもよりますが、暖房器具などに比べると、電力使用量は非常に小さいのです。

この記事では空気清浄機の電気代について解説するとともに、メリットや使用上の注意点、効果を高める方法などについて説明します。

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空気清浄機の電気代

まずは空気清浄機の電気代を見てみましょう。今回取り上げるのは、空気清浄機の3大メーカーであるパナソニック、シャープ、ダイキンの製品から、適用床面積が23畳または25畳までで価格が2~4万円の空気清浄機です。

機種はパナソニックがF-PXT55、シャープがKC-J50、ダイキンがCK55Wで、それぞれの消費電力と電気代を比較しました(下表)。

消費電力は加湿機能を使わないで1日24時間運転した場合で、1kWhあたりの電気料金単価は27円/kWhで計算しています。

下の表では3機種をそれぞれ強(ターボ)、中、弱(静音)で運転した場合の消費電力の平均値を算出し1時間、1カ月、1年間の電気代を算出しています。

1時間の消費電力は強運転で55W、中運転は13.7W、弱運転は5.3Wで、電気代はそれぞれ1.49円、0.37円、0.14円です。1年間で比較すると、強運転の場合12,830円に対して、弱運転は1,237円と約10倍もの差になります。

機種 消費電力(W) 電気代(円/h)
パナソニック
F-PXT55
49.0 11.0 7.0 約1.4 約0.3 約0.2
シャープ
KC-J50
54 13 2.8 約1.46 約0.35 約0.08
ダイキン
MCK55W
62.0 17.0 6.0 1.67 0.46 0.16
平均 1時間
1カ月
1年間
55.0W
39.6kW
475.2kW
約13.7W
約9.9kW
約118.4kW
約5.3W
3.8kW
45.8kW
1.49円
1,069円
12,830円
0.37円
266円
3,197円
0.14円
103円
1,237円

運転モードを中や弱で使用すれば電気代は大幅に抑えられることがわかります。

空気清浄機の特徴、メリット

空気清浄機の空気状態を表すメーターの画像 空気清浄機の空気状態を表すメーターの画像

空気清浄機には「ファン方式」「イオン方式」「電気集塵方式」があります。

・ファン方式
吸い込んだ空気をフィルターに通すことで塵やにおいを取ります。この方式のメリットはフィルターを通すだけなので本体はコンパクトで比較的安価です。デメリットは、長く使えばフィルターが詰まってしまうことです。月に1回程度フィルターを掃除し、2年に1回程度フィルター交換が必要になります。

・イオン方式
従来のファン方式のデメリットを解消し、さらにウイルスなどを抑制できる技術が近年注目されています。その一つが「イオン方式」で、シャープの「プラズマクラスター」、パナソニックの「ナノイー」などが代表的なモデルです。イオンを空中に放出し、その酸化力で浮遊物質や菌を分解、除去、抑制します。

・電気集塵方式
ダイキンの「ストリーマ」は空気中の塵をプラスに帯電し、マイナスに帯電したフィルターで集塵します。これらのフィルター交換の目安は10年とされています。

空気清浄機は花粉症やダニアレルギーの方に特におすすめなほか、タバコやペットのにおいをなくしたい方にも有効です。PM2.5(微小粒子状物質)やウイルス対策としても必須な電化製品ですが、機種によって除去効果が異なるため事前に確認するのが良いでしょう。

部屋のにおいやホコリ・花粉などの対策になる

部屋の空気はさまざまなにおいや浮遊物質で汚れています。においにはペット臭やタバコのにおい、汗や生ごみなどいろいろあります。例えば、たばこの煙は直径1μm(μm:1ミリメートルの1000分の1)以下ですが、空気清浄機はこのような煙やにおいも除去でき、脱臭対策として有効な手段です。

空中に漂う浮遊物質対策にも空気清浄機は欠かせません。ハウスダストと呼ばれるものから春になると中国などから飛来する大きさ10μm以下の黄砂、自動車などから排出される2.5μmの微小粒子状物質のPM2.5、花粉などもあります。
PM2.5は肺の奥まで入ると喘息などの症状をもたらし、花粉は大きさが30μm程度でアレルギー反応を引き起こし、くしゃみ、鼻水、気管支などの炎症を引き起こします。

このほか、頭痛や吐き気、呼吸困難、かゆみなどが引き起こされるシックハウス症候群は、木製家具や建築資材などから発生する化学物質(ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、トルエンなど)が原因ですが、空気清浄機はこれらの化学物質の除去にも効果的です。

空気の質が良くなる

私たちは毎日4畳半の部屋の大きさ(約20立方メートル)に相当する空気を吸っています。目には見えませんが、その空気に微小粒子状物質や化学物質などさまざまな浮遊物質が含まれていて、肺に取り込む量によっては健康に悪影響をもたらします。

それだけに、私たちは空気の質に無関心ではいられません。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響で空気の質を改善する装置として空気清浄機に関心が高まり、空気清浄機の年間出荷台数は2020年に約303万台で前年同期比43.3%増、過去最高となりました(日本電機工業会(JEMA)の集計)。人々の空気の質に対する関心の高さが表れています。

現在、テレワークやステイホームの取り組みにより家で過ごす時間が増えていることもあり、ご家庭の中においてもより質の良い空気が求められており、ますますハイスペックな空気清浄機への関心が高まりそうです。

アレルギー物質やウイルスの対策になる

空気中にはアレルギー症状や健康障害をもたらす物質が多く浮遊しています。花粉やカビ、PM2.5、化学物質などはアレルギー症状を引き起こし、ウイルスは健康障害をもたらします。小さくて目に見えないこれらの浮遊物質対策として、空気清浄機は欠かせない電化製品です。

では、ウイルスに対して効果はあるのでしょうか。ウイルスは約0.1μmと極小のため通常のフィルターでは除去できません。現在多くの空気清浄機では、高性能のHEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)と呼ばれるフィルターが使われています。JIS規格ではHEPAは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して補集率99.97%以上と定められています。しかし、0.1μmの大きさのウイルスではHEPAでも捕集が難しいことになります。

こうした中で、プラズマクラスターやナノイー、ストリーマなどはウイルスをイオンの酸化力により分解させる新しい技術を搭載しているのです。一方、フィルターでもさらに微細な物質を捕集できるものも出始めています。
ただし、現在市販されている空気清浄機で明確に新型コロナウイルスに対する有効性が立証されたものはまだなく、過度な期待はできないでしょう。

空気清浄機の効果を高める方法

空気清浄機のフィルターの画像 空気清浄機のフィルターの画像

空気清浄機は部屋の空気を循環させながらホコリなどをキャッチするため設置場所によって効果が変わります。

例えば、人の出入りによってホコリが空中に舞い上がりやすい部屋の出入り口に設置するのが効果的です。あるいはエアコンや扇風機などと併用し、部屋全体の空気を循環させながら空気清浄機の効果を高めることも良いでしょう。

一方、空気清浄機のフィルターはホコリなどが付着すると空気が通りにくくなり、捕集効果も落ちるためこまめな清掃が必要です。

花粉やウイルスの場合では、玄関のドアを開けたときに室内に入りやすくなります。そのため、玄関に空気清浄機を置けば除去効果を高められます。

以下に、空気清浄機の効果を高める方法について、詳しく解説します。

広いスペースに設置

空気清浄機は部屋の空気を浄化するため、吸気口から部屋全体の空気が吸い込める場所に置くのが最善です。部屋の隅では空気が滞留しやすいので、部屋全体の空気をうまく吸入できなくなります。

また、邪魔にならないように家具の間などに置いてしまうのも、せっかくの空気清浄機の機能が生かされません。吸気口が本体の背面にある場合は、壁際に置くと部屋全体の空気が吸い込めないため注意が必要です。 また、吸気口が上向きの場合、窓際ではカーテンがかかると十分吸い込めなくなることもあります。

こうした点を考慮し、邪魔になるものがない部屋の中央や、広いスペースのある場所に置くのが良いでしょう。

部屋の出入り口の近くに設置

室内を漂うハウスダストなどのホコリは、最後は床に落ちます。しかし人が部屋に出入りするとその動きで再び空中に舞い上がります。空気清浄機は床のホコリを吸うことはできませんが、舞い上がればキャッチすることができます。
このため空気清浄機を部屋の出入り口近くに設置すれば、舞い上がったホコリをキャッチしやすくなります。

寝室の場合は、布団を敷いたりベッドに入るときにホコリが出ます。このタイミングで空気清浄機を強運転にすれば、舞い上がったホコリを減らし快適な睡眠が期待できます。

エアコンや扇風機などと併用する

空気清浄機が汚れた空気を吸い込みやすくするには、エアコンや扇風機と併用することも大事なポイントです。その場合、空気清浄機をどこに置くかがポイントになります。エアコンや扇風機によってつくられる気流と、空気清浄機がつくる気流がぶつかないよう注意が必要です。したがって、扇風機と併用する場合は空気清浄機を扇風機から遠い反対側に置くと、ホコリを吸い込みやすくなります。

エアコンの場合は、暖房運転と冷房運転の場合で異なります。暖かい空気は上昇する性質があるため、暖房時にはエアコンから下向きの風を出します。ホコリも斜めに降りてくる気流に乗るため空気清浄機をエアコンの反対側に置きましょう。

反対に冷たい空気は下降していくため、冷房時の冷風は上向きに出します。この場合は対流が起きにくくなるエアコンの真下に設置すれば、空気の循環が良くなり空気清浄機の浄化効果も大きくなります。

フィルター清掃をこまめに行う

空気清浄機は空気中のホコリなどを除去するので、フィルターなどが詰まりやすくなります。フィルターが詰まると空気の浄化機能の効率が悪くなり、電気代もかさみます。また、フィルターにホコリが付着したままにしておくと、カビなどが繁殖しやすくなります。

このため空気清浄機はこまめな掃除が大事です。特にフィルターは2週間に1回程度、定期的に掃除をしてホコリを取り除くようにしましょう。掃除の仕方は機種によって異なりますので、説明書で確認する必要があります。

とはいえ、掃除をしてもフィルターは古くなると機能が次第に低下するため、交換も必要です。
フィルター交換を長期間必要としない機種もありますが、2年ほどで交換が必要なものもあります。機種によってフィルターの交換時期が異なりますのでこちらも確認しておくと良いでしょう。

花粉やウイルスを防ぐなら玄関に置く

花粉やホコリ、ウイルスなどが最も室内に入ってきやすいのは玄関です。ご家族が出入りする際に入ってきやすく、玄関で花粉などが付着したコートを脱げば、花粉やホコリが舞い上がることになります。

また、玄関で発生するにおいや、自分たちでは気づきにくい家特有のにおいもあります。

花粉やウイルス、ホコリ、においを入り口で除去するために、玄関に空気清浄機を置くのも効果的な方法です。玄関があまり広くなく、大きな空気清浄機を置けない場合は、コンパクトで比較的パワーの大きな機種や玄関用の機種を選んでみてはいかがでしょうか。

電気代を節約する方法

空気清浄機の電気代はそこまで高くありませんが、ご家庭の電気代をもっと節約したいという方は、「契約アンペア(A)数」「電気料金プラン」「支払い方法」の3つを見直してみると良いでしょう。

一つ目の契約アンペア数とは、電気機器を同時に使用できる最大の電気量のことです。月々の電気代は契約アンペア数によって決まる「基本料金」と、実際に電気を使用した量によって決まる「従量料金」が主になります。 実際の電気の使用量に比べて契約アンペア数が大きすぎると基本料金が高くなるので、見直してみることをおすすめします。

二つ目は電気料金プランの見直しです。ご家庭で使う電気は2016年4月から小売電気事業者と自由に契約できるようになり、現在ではさまざまな事業者の電気料金プランが利用できるようになっています。 例えば、ガスと電気をセットにした割引プランや基本料金0円プランなど豊富な電気料金プランがあります。

三つ目は支払い方法の見直しです。電気料金を振り込みや口座引き落としにしている場合、おすすめなのがクレジットカード払いです。クレジットカード払いは手数料が不要な上、利用額に応じてポイントが付与されるのでお得です。クレジットカードの中でも、ポイント還元率がより高いカードを利用することをおすすめします。

まとめ

空気清浄機は、空気中に浮遊するホコリや花粉、化学物質、PM2.5、ウイルス、さらにはにおいなどを除去し、アレルギーの発症や健康被害を抑える、生活に欠かせない電化製品です。方式にはフィルター中心のファン方式やイオン方式、電気集塵方式などがあり、ウイルスにはイオン方式や電気集塵方式などが有効です。

電気代は、1日フル稼働しても冷暖房機器などに比べて安いのが特徴です。

それでも冬の暖房や夏の冷房など電気代がかかるので、

電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみましょう。

Looopでんきでは、市場価格に合わせて電気料金が変わる「スマートタイムONE」を提供しています。

ご自宅で電気を使用するタイミングを工夫したり、使用量を調整したりすれば電気料金の節約につながります。これを「ピークシフト」や「ピークカット」と呼びます。

以下は、ピークシフト・ピークカットの取り入れ方の例です。

  • 電気料金が安い時間帯に「電化製品を使用する家事」を済ませる
  • タイマー機能の付いた洗濯機や食洗機などを導入し、電気料金が安い時間帯を狙って稼働させる
  • 電気料金が高い時間帯には、外出を楽しむ

ピークシフト・ピークカットを実際に普段の生活へ取り入れているお客様の声を紹介します。

(40代 / 女性 / 5人暮らし)
電気の使用量アプリをうまく使い、節電出来ているので、おすすめしたいです。アプリは分かりやすいし、使用料金もでているので目安になりやすいです。

(40代 / 女性 / 3人暮らし)
ゲーム感覚で電気の節約を楽しめたのは初めてで楽しんでいた自分がいました。
周りの友人にもこの楽しさを共有したいので100%勧めたい。

まずは、市場連動型のプランを無理なく生活サイクルへ取り入れられるかどうかイメージしてみてはいかがでしょうか。

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