テレワーク(在宅勤務)を始めるとなると気になるのが、電気代の負担の増加です。テレワークを始めたときに増える電気代の額を計算します。併せて電気代を抑える方法も解説するので、テレワークの電気代の負担を賢く軽減していきましょう。
テレワーク(在宅勤務)中にかかる主な電気代
テレワークを始めると、リビングや作業部屋で新たにパソコン・エアコン・照明を使うことになるため、電気代の上昇が懸念されます。テレワークでパソコン・エアコン・照明を使ったときにかかる電気代の額を計算します。テレワーク開始に伴い、どれくらいの電気代負担が増えるのか、具体的にイメージできるようになりましょう。
なお、計算に用いる電力量料金の単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が基準として掲げる「31円/kWh(税込)」を採用しています。
※出典: よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
パソコンの電気代
パソコンはテレワークに欠かせない電化製品の代表格です。今回は、HPのノートパソコン「Ryzen 5 7530U」を例に電気代を計算します。Ryzen 5 7530Uの消費電力の最大値は45Wです。よって、Ryzen 5 7530Uを使ってテレワークをしたときの電気代は以下のようになります。
・1時間あたり:約1.395円
・1日(8時間)あたり:約11.16円
・1カ月あたり(週2日リモートワークで勤務):約89.28円
・1カ月あたり(週5日リモートワークで勤務):約223.2円
パソコンは、ノートタイプよりデスクトップタイプの方が電気代がかかるため、テレワークの電気代を節約したいのであれば、ノートタイプのパソコンを使うのがおすすめです。
また、パソコンと併せてプリンターや外付けハードディスクドライブなどの周辺機器を使っていると、その分電気代が高くなるので注意しましょう。
※出典: HP 14-em0000シリーズ
⇒パソコンの消費電力と電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
エアコンの電気代
夏と冬にテレワークをする場合には、エアコンを使用して勤務することになります。ダイキンの6畳用エアコン「S225ATES-W」を例にテレワークの電気代を計算します。1日8時間エアコンを稼働させた場合の電気代は以下の通りです。
■冷房時(消費電力:580W)
・1時間あたり:約17.98円
・1日(8時間)あたり:約143.84円
・1カ月あたり(週2日リモートワークで勤務):約1150.72円
・1カ月あたり(週5日リモートワークで勤務):約2876.8円
■暖房時(消費電力:470W)
・1時間あたり:約14.57円
・1日(8時間)あたり:約116.56円
・1カ月あたり(週2日リモートワークで勤務):約932.48円
・1カ月あたり(週5日リモートワークで勤務):約2331.2円
エアコンの電気代は、使用する環境や使用方法によっても大きく異なってくるため、上記の数値はあくまでも目安として捉えましょう。
※出典: Eシリーズ 仕様(スペック) | 壁掛形エアコン | ダイキン工業株式会社
⇒エアコンの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
⇒エアコンの節電方法についてもっと詳しく知りたい方はこちら
照明の電気代
テレワークを始めたときにかかる電気代を考えるとき、見逃しがちなのが照明の存在です。電気を使っているという意識は薄くても、テレワーク時に照明を使っていれば、その分確実に電気代がかかります。
部屋全体を照らす照明として天井に設置されているシーリングライトは、現在LEDタイプが主流です。パナソニックのLEDシーリングライト「HH-CM0834A」を例にテレワークの電気代を計算します。なお、HH-CM0834Aの消費電力は28.9Wです。
・1時間あたり:約0.8959円
・1日(8時間)あたり:約7.1672円
・1カ月あたり(週2日リモートワークで勤務):約57.3376円
・1カ月あたり(週5日リモートワークで勤務):約143.344円
※出典: 詳細情報 スタンダードシリーズ プレーン ~8畳 HH-CM0834A | LED照明器具(シーリングライト・デスクスタンドなど) | Panasonic
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⇒部屋の電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
パソコンでできる節電術
パソコンを使うときに試したい節電術を3つ紹介します。簡単に実践できる方法を厳選しているので、パソコンに苦手意識がある方でも簡単に実行できるはずです。
電源プランとして「省電力モード」を選択する
Windowsのパソコンは、ユーザーのパソコンの使い方に合わせて電源プランをアレンジできるようになっています。節電を意識するのであれば「省電力モード」を選択するのがおすすめです。
Windowsのパソコンに備わっている基本の電源プランは下記の3種類です。なお、メーカーによってはメーカー独自の電源プランが備わっている製品もあります。
・バランス:シーンに合わせて消費電力を増やしたり減らしたりするモード
・省電力:パソコンのパフォーマンスを抑制して消費電力を抑えるモード
・高パフォーマンス:消費電力を度外視してパソコンのパフォーマンスを高めるモード
省電力モードを選択すると、自動的にディスプレイの明るさを落としてくれたり、スリープ状態に移行するまでの時間を短くしてくれたりするので、無意識に節電が実現できます。
ディスプレイの明るさを暗めに設定する
パソコンの電気代を削減するには、ディスプレイの明るさを抑えるのも効果的です。無理のない範囲でディスプレイを暗めに設定しましょう。
ディスプレイの明るさを落とすと、省エネにつながるだけでなく、疲れ目が起きにくくなる効果も期待できます。目は、光の量が多くなるほど疲れやすくなります。そのため、ディスプレイの明るさを下げると、目にかかる負担が軽減され、疲れ目が起きにくくなるのです。
パソコンのディスプレイの明るさを調整するときは、コピー用紙のような白い紙を使う方法がおすすめです。白い紙をディスプレイの横に置き、紙とディスプレイの明るさが同じくらいになるように調整すると、簡単に適切な明るさに設定できます。
「スリープ」を賢く活用
パソコンの前を離れるときは、電源からパソコンをオフにするのではなく、「スリープ」を活用しましょう。スリープとは、作業内容をキープしたままパソコンの一部の電源を落とす機能です。
パソコンは電源オフの状態が最も消費電力が少なくなるものの、システムを起動させるときに多くの電気を消費するため、頻繁にシャットダウンを繰り返していると、無駄な電気を消費してしまうようになります。
離席している時間が90分以下であれば、シャットダウンではなくスリープを選択するのがおすすめです。計画的にスリープとシャットダウンを使い分けましょう。
エアコンの節電方法と効率的な使い方
エアコンを稼働させたときにかかる電気代を節約する方法を3つ解説します。正しい節電ワザを駆使すれば、過ごしやすい室温を維持しながら電気代を節約できます。快適性を保ちつつ節電を実現しましょう。
適切な温度設定を守る
節電しつつエアコンを使いたいのであれば、適切な設定温度を守ることが大切です。節電を意識する場合、冷房は28℃、暖房は20℃に設定するのが適切とされています。
経済産業省資源エネルギー庁がまとめた省エネポータルサイトによると、外気温が6℃の環境下でエアコンの設定温度を21℃から20℃に変更した場合、1日9時間エアコンを稼働させたと仮定すると、年間で約1,650円の節約になると試算しています。
理想の設定温度では暑すぎる・寒すぎる場合には、夏ならサーキュレーターや扇風機を、冬なら加湿器を併用するのがおすすめです。
※出典: 空調 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
風量設定は「自動」に
エアコンを使うのであれば、風量は「自動」に設定しましょう。エアコンは風量によって消費する電気の量が変わり、風量が小さくなるほど消費電力は少なくなります。
しかし、最初から風量「弱」でエアコンを稼働させるのはNGです。始めから風量「弱」でエアコンを使うと、部屋が快適な温度まで冷える・暖まるまでに余分な時間がかかり、かえってトータルの消費電力が高くなってしまいます。
風量を「自動」に設定すると、最初は風量「強」で効率的に部屋を冷暖房し、室温が十分に整った段階で自動的に「弱」に切り替わるため、無駄なく室温をコントロールできます。
フィルターをこまめに掃除する
エアコンを使ったときに消費する電気代を節約したいのであれば、こまめなフィルター掃除が欠かせません。
エアコンのフィルターを掃除しないと、空気中を漂っていたほこりがどんどんフィルターに溜まっていき、目詰まりを起こすようになります。フィルターが目詰まりを起こすと、エアコンに備わっている空気を吸い込む力が落ち、室温を調整するために余分な電気を消費するようになります。
理想的なフィルター掃除の頻度は2週間に1回です。掃除を行うときはフィルターを取り外し、フィルターの表面に掃除機をかけて、ほこりを吸い取りましょう。汚れがひどいときには、中性洗剤を使って水洗いするのがおすすめです。
照明の節電方法とLED活用術
照明が消費する電気代を節約する方法を2つ紹介します。照明の節電方法による削減額は大きくありませんが、実践すれば確実に電気代を抑えられるため、取り組む価値はあるといえます。
LED照明に交換する
いまだに白熱電球や蛍光灯を使っている場合には、LEDに交換するのがおすすめです。
LED最大のメリットは消費電力が小さいことです。LEDの消費電力は白熱電球の約20%、蛍光灯の約30%程度といわれているため、LEDに交換するだけで省エネが実現します。
省エネポータルサイトの試算によれば、68Wの蛍光灯から34WのLEDに交換すると、年間2,000時間照明を使うと仮定すれば、年間で約2,108円の節約になるとしています。
LEDのデメリットは価格が高いことです。しかし、LEDへの交換に伴って安くはない費用がかかったとしても、一度LEDに交換してしまえば、以後ずっと電気代を節約できるため、比較的早くコストを回収できるはずです。
※出典: LED照明に省エネ節電効果は?照明はどう選ぶ? | 省エネ・コスト削減のエスコ(ESCO) | エスコ(ESCO)の豊富な実績とノウハウで、省エネ・節電・コスト削減対策をサポートいたします
※出典: 照明 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
照明を消すときは主電源から
リモコンを使ってオン・オフを切り替えられる照明を使っている場合には、長時間部屋の照明を使わないときには、壁に付いたスイッチから電源を落とすようにしましょう。
リモコンで電源をオフにすると、いつでも再度電気をつけられるように準備するために待機電力がかかり、結果的に無意識のうちに電気を使ってしまうことになります。
主電源から照明を消したときに節約できる電気代はわずかではあるものの、少しの心がけで節電が実現するので、試す価値はあるといえるでしょう。
電気代を根本から節約するための見直し方法
電気契約を見直したり、使用している電化製品を買い替えたりすれば、生活の中で節電を意識せずとも、簡単に電気代を削減できます。電気代を根本から見直す方法を3つ紹介します。
電力会社を乗り換える
手っ取り早く電気代を安く抑えたいのであれば、電力会社を乗り換えて、自分にぴったりの電気料金プランに切り替えるのがおすすめです。
電力小売自由化がスタートした2016年からは、電力会社の垣根を超えて、自分のライフスタイルにフィットした電気料金プランを選べるようになりました。従来通りの電気料金プランのまま電気を使い続けるのは、もったいないといえるでしょう。
テレワークをする家族がいるご家庭におすすめなのが、電力使用量が多いご家庭向けの電気料金プランを展開している電力会社です。テレワークをしているとどうしても電力使用量が多くなるため、電力使用量が多いご家庭向けのプランを選択した方が、電気代を安く抑えられる可能性が高まります。
テレワークを行う家族がいるご家庭におすすめなのが「Looopでんき」です。Looopでんきが提供する電気料金プラン「スマートタイムONE」は、電力使用量が多いご家庭ほどお得を感じられる仕組みになっています。
※出典: 料金の仕組みと料金メニュー例のご紹介|資源エネルギー庁
契約アンペア数を下げる
契約アンペア数に応じて電気代の基本料金が変わる電気料金プランを契約している場合には、契約アンペア数を下げることで電気代を抑制できます。アンペアとは流れる電気の量を表す単位のことです。
契約アンペア数を決めるときは、どのくらいの電化製品を同時に使うことがあるのかを確認しましょう。契約アンペア数を下げると、一度に使える電化製品の数が少なくなるため、電化製品の使い方によっては、簡単にブレーカーが落ちるようになってしまいます。
また、契約アンペア数の変更は、基本的に年1回のみ可能です。契約アンペア数を下げすぎて「失敗した」と思っても、簡単に元には戻せないので注意しましょう。
省エネ家電に買い替える
現在使っている電化製品を省エネ家電に切り替えれば、簡単に消費電力を抑えられます。
特に購入から10年以上使用している電化製品があれば、積極的に買い替えを検討すべきです。電化製品の省エネ性能は日進月歩で進化しているため、10年も前の製品を使っていると、それだけでかなりの量の電気を無駄に消費している可能性があります。
一般財団法人家電製品協会がまとめた「スマートライフおすすめBOOK」によれば、10年前と新しいエアコンの期間消費電力量を比較すると、新しいエアコンの方が約14%も省エネであるとしています。この値は電気代に換算すると年間約3,810円になる計算です。
たとえ省エネ家電の購入に費用がかかったとしても、買い替えにより電気代が節約できるようになれば、比較的早期に費用を回収できる可能性が高いといえます。
※出典: スマートライフおすすめBOOK 2025 完全ガイド
工夫してテレワーク(在宅勤務)を快適に
テレワークを始めると、自宅で多くの電化製品を使うようになるため、余分に電気代がかかるようになります。しかしテレワークの電気代は、適切な工夫をすることで節約が可能です。正しい節電ワザを駆使して、テレワークの負担を軽くしましょう。
電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみませんか。
Looopでんきの「スマートタイムONE」は、電気料金が市場価格に合わせて30分ごとに変動する仕組みのプランです。 電気を多く使う家族世帯でも、料金が安くなる時間帯に合わせて電化製品を使えば、無理なく電気代を節約できます。さらに、契約期間の縛りがなく、解約手数料もかからないため、安心して気軽に利用を始められる点が魅力です。
また、専用アプリを使えば、30分ごとの電気使用状況が確認でき、月末の電気代も予測可能です。リアルタイムで使用量を把握できるため、電気代が思ったより高くなるといった心配も減り、家計に合わせた電気の使い方を管理できます。
実際にLooopでんきを利用しているお客さまの声をご紹介します。
「知り合いの勧めがあり、半信半疑で加入しましたが、大手とは異なる細やかさがあり満足しています。また料金も満足しています。」
「いつも毎日の電気予報を見ながら、炊飯器の使用や掃除機、洗濯機を動かしています。そのおかげで、随分節約できています。」
まずは、Looopでんきの「スマートタイムONE」で、今の生活に合った電気代の見直しをしてみませんか。