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深夜電力はお得なプランですが、現在はほとんどの電力会社で新規受付を停止しています。廃止が進んでいる理由を把握し、電気料金プランを検討する際に役立てましょう。深夜電力の仕組みや注意点、電気料金の節約方法について解説します。

節約には電力会社の見直し
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深夜電力とは

深夜電力とはどのような電気料金プランのことを指すのでしょうか。適用される時間帯やおすすめできるケースなど、まずは深夜電力の基礎知識を押さえておきましょう。

夜間の電気料金が安くなるプラン

深夜電力とは、夜間から朝方にかけての電気料金が安く設定されているプランです。一般的には、夜間蓄熱機器や電気温水器など、特定の機器に限定して電気を流します。

深夜電力と似たプランが夜間電力です。夜間電力でも夜間の料金が安くなっていますが、深夜電力とは異なり特定の機器がなくても契約できます。深夜電力と夜間電力を同じ意味で使うケースもあります。

深夜電力で夜間の電気料金を安くできる理由は、日中より夜間のほうが電力の仕入単価が安いためです。電力の仕入単価は需要と供給により変化しており、電力需要の少ない夜間は電力を安く仕入れられるため、深夜電力の電気料金も安くなっています。

深夜電力が適用される時間帯

深夜電力(夜間電力)で電気料金が安くなる時間帯は、一般的に午後10時から翌午前8時までとなっています。電力会社により適用時間が異なることに注意しましょう。

例えば、東京電力の「夜とくプラン(夜トク8)」や関西電力の「はぴeタイムR」は、深夜電力の適用時間が午後11時から翌午前7時までに設定されています。

一方、中部電力の「スマートライフプラン」や北陸電力の「くつろぎナイト12」は、午後8時から翌日の午前8時まで12時間までです。

また、東京電力の「夜トク8」と「夜トク12」のように、同じ深夜電力でも適用時間や電気料金が異なるケースもあります。

※出典:夜トクプラン(夜間・深夜の電気使用量が多い方向け)|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社
※出典:はぴeタイムR|電気|関西電力 個人のお客さま
※出典:料金プラン | 個人のお客さま | 中部電力ミライズ
※出典:くつろぎナイト12(ご家庭向けメニュー) 北陸電力株式会社

深夜電力の種類

深夜電力はプランの内容により、いくつかの種類に分かれています。一般的な深夜電力の種類とそれぞれの内容は次の通りです。

家庭

  • 深夜電力A:キッチンや洗面所で小型電気温水器を使うご家庭向けのプラン
  • 深夜電力B:蓄熱式電気暖房器などを使うご家庭向けのプラン
  • 深夜電力C:電気温水器・エコキュート・床暖房などを使うご家庭向けのプラン

深夜電力Aは電力の消費量が少ないご家庭に適しています。深夜電力Bは夜間の電力消費量が多いご家庭向け、深夜電力Cは深夜電力Bよりさらに電力消費量が多いご家庭向けです。

※出典:深夜電力│電気料金プラン│東京電力エナジーパートナー
※出典:深夜電力|東北電力

深夜電力をおすすめできるケース

深夜電力は夜の電気料金がお得になるプランです。そのため、日中より夜の電力消費量が多いご家庭には、深夜電力がおすすめできます。

例えば、日中は仕事で自宅を留守にしている時間が多い場合は、深夜電力が適しています。休日に外出することが多い方も、深夜電力で電気料金を節約できるでしょう。

オール電化を導入しているご家庭や、エコキュート・蓄電池を活用しているご家庭も、深夜電力に切り替えるとお得に電気を使える可能性があります。電化製品の使い方を工夫し、より多くの電力を夜間に消費できる方も、深夜電力が向いています。

深夜電力の値上げや廃止が進んでいる理由

近年は多くの電力会社が、深夜電力の新規受付を中止しています。また、夜間電力に関しても、多くの電力会社で値上げされているのが実情です。深夜電力(夜間電力)の値上げ・廃止が進んでいる理由を見ていきましょう。

夜間の電力需要の増加

深夜電力で電気料金を安くできていた理由は、夜間の電力需要が少なかったからです。各電力会社は電力の仕入単価が低い夜間に電力を購入し、深夜電力の電気料金に反映させていました。

しかし、近年は夜間の電力需要が増加しているため、夜間の仕入単価も昔ほど安くはありません。仕入単価が高くなれば電力を安く売ることは難しくなり、深夜電力の電気料金も値上げせざるを得なくなっています。

夜間の電力需要が増加している主な理由は、夜間蓄熱機器や電気温水器などの普及が進んでいることです。これらの機器を使うご家庭が増えているため、夜間の仕入単価が高くなり、深夜電力もお得とはいえなくなってきています。

太陽光発電の普及

深夜電力の値上げや廃止が進んでいる理由の1つに、太陽光発電が普及していることも挙げられます。2012年に始まったFIT制度や、世の中の脱炭素に向けた動きを受け、住宅用の太陽光発電や蓄電池を導入するご家庭が増えてきました。

太陽光発電を導入すれば、自家発電した電気が使えるため、電力会社から購入する電気が減ります。さらに蓄電池も活用すれば、日中に発電し溜めておいた電力が夜間に使えることから、夜の電気の購入量を減らすことができます。

電力会社から夜間に電力を購入する量が減ると、電力会社は日中の電気料金を値下げし、夜間の電気料金を値上げします。昼と夜の収支のバランスを取り、電気を購入する方の公平性を保つためです。

深夜電力で電気料金を削減するポイント

深夜電力(夜間電力)の電気料金は値上げが進んでいるため、夜間を中心に電気を使っているだけではお得感を感じることができなってきているのが実情です。深夜電力で電気料金を削減するポイントについて解説します。

エコキュートを使う

エコキュートとは、ヒートポンプ技術を活用して大気中の熱でお湯を沸かす電気給湯器です。電気のみでお湯を沸かす従来の電気温水器よりエネルギーを減らせるため、電力消費量を抑えられて電気代も安くなります。

エコキュートは割安な深夜電力と組み合わせて使うのが基本です。次の日に使うお湯を前日の夜のうちに沸かしておけば、日中に安くお湯を使えます。翌日に使うお湯の量を正確に見極め、電気料金が安い時間帯に翌日分のお湯を過不足なく沸かすのがポイントです。

エコキュートは従来の電気温水器に比べ、設置する機器の数が多く、確保すべき設置スペースも広くなります。導入費用もエコキュートのほうが従来の電気温水器より高額です。

蓄電池を導入する

深夜電力で電気料金を削減したいのなら、蓄電池を導入するのもおすすめです。家庭用の蓄電池を活用すれば、電力会社から購入した電気を溜めておけます。

深夜電力と蓄電池を組み合わせることで、電気料金が安い夜間に購入した電気を蓄電池にためておき、電気料金が高い日中に蓄電池の電気を使うことが可能です。この方法なら、わざわざ夜型の生活に変える必要がありません。

生活スタイルを変えずに電気料金を抑えたい方は、蓄電池の導入を検討してみましょう。なお、蓄電池は電気をためておけるため、災害時に停電が発生した際にも重宝します。

深夜電力を検討する際の注意点

深夜電力(夜間電力)は電気料金を節約できるお得なプランですが、いくつか気をつけるべきポイントもあります。深夜電力を検討する際の注意点を見ていきましょう。

昼間の料金単価が高くなる

深夜電力は夜間の電気料金が安くなる一方で、昼間の料金単価は割高になります。夜間の電力消費量が増えたからといって、必ずしもトータルの電気代が安くなるわけではない点に注意が必要です。

深夜電力を検討する際は電力会社ごとのプランの内容をチェックし、昼間の料金単価がどのくらい高くなるのかを把握しておきましょう。

場合によっては、生活スタイルを大幅に変えなければ電気代が安くならないケースもあります。電気代の節約のためだけに生活スタイルの大きな変化を受け入れられるのか、慎重に考慮することが大切です。

消費電力の大きい電化製品を確認する

深夜電力で電気料金を抑えるためには、消費電力の大きい電化製品を知っておく必要があります。より多くの電力を消費する電化製品を夜間に使えるかどうか、確認することが重要です。

消費電力の大きい電化製品の代表例としては、食器洗浄機・洗濯乾燥機・アイロン・ドライヤー・IHクッキングヒーター・電子レンジなどが挙げられます。

これらの電化製品をいかにして夜間に使うか、生活スタイルの変化も含めて考えることがポイントです。タイマー機能を活用したり、朝方に電化製品を使ったりするとよいでしょう。

深夜電力の負担が大きいと感じたら?

深夜電力で電気料金をお得にしようとしても、生活スタイルの変化や電気料金の値上げにより、ストレスを抱えてしまう恐れがあります。深夜電力の負担が大きいと感じた場合の対処法をチェックしましょう。

別のプランを検討する

深夜電力を使っていても電気代がなかなか下がらない場合は、別のプランを検討してみましょう。かつては深夜電力のほうがお得でしたが、現在は必ずしも深夜電力がお得になるとは限りません。

例えば、大手電力会社が提供している「従量電灯プラン」は、料金を変更するために国の許可が必要です。急激な値上げが起こりにくいため、深夜電力より安心して使えるプランだといえるでしょう。

現在は深夜電力のほうが割安でも、深夜電力は電力会社が自由に料金を変更できるため、値上げが行われたらすぐに電気代が割高になってしまうリスクがあります。

電力会社を見直す

深夜電力の負担が大きいと感じるなら、電力会社を見直してみるのもおすすめです。現在契約中の電力会社より電気料金が安い電力会社に切り替えれば、電気代そのものを下げられます。

2016年の電力小売全面自由化により、現在は消費者が電力会社を自由に選ぶことが可能です。これまで一度も電力会社の変更を考えたことがない方は、どのような電力会社があるのか調べてみるとよいでしょう。

電力会社の見直しのみで電気代が安くなるのなら、電化製品の使い方を工夫したり、生活スタイルを変えたりする必要もありません。電力会社の変更により電気の質が下がるわけではないことも覚えておきましょう。

太陽光発電システムを導入する

電気料金の値上げにより電気代が高くなるのを防ぐ方法としては、太陽光発電システムの導入もおすすめです。自家発電した電気にはお金がかからないため、値上げの影響を受けない電気を使えます。

太陽光発電システムのみを導入すると、夜間や曇りの日には発電できません。しかし、太陽光発電システムと併せて蓄電池も導入すれば、自家発電できない時間帯でもためておいた電気で生活することが可能です。

太陽光発電システムと蓄電池を活用することで、電力会社から購入する電気の量を最低限に抑えられます。わざわざ深夜電力を使う必要もないでしょう。

単価が変動する「市場連動型」もチェック

電気料金プランを検討する際に覚えておきたいのが、市場価格の動きに合わせて電気料金の単価が変動する「市場連動型」です。電気料金の高騰が止まらない中、近年注目を集めている市場連動型について解説します。

市場連動型の特徴

市場連動型とは、市場価格の変動に応じて電気料金の単価も変動するプランです。連動する市場は、電力を売買できる日本で唯一の市場「日本卸電力取引所(JEPX)」のことを指します。

市場の取引価格は30分ごとに変わるため、市場連動型の電気料金単価も30分間隔で変動しています。市場では翌日の電気料金単価の動きを把握することが可能です。

なお、「電源調達調整費」が電気料金に含まれるプランも、広義の市場連動型と見なされることがあります。電源調達調整費の中の「調達調整費」が、市場価格と連動するためです。

市場連動型のメリット

市場連動型の電気料金は市場価格に合わせて変動するため、市場価格が下がっているときに電気を使えれば、電気代が大幅に安くなる可能性があります。工夫次第で電気代を節約できることがメリットです。

市場価格は電力需要の変動により変わり、電力需要が高くなると市場価格も高くなり、需要が低くなると市場価格も下がります。電力需要が低い時間帯に電気を使うようにすれば、電気代を抑えられる可能性が高くなるのです。

ただし、市場連動型にはさまざまな要因により、電気料金が高騰するリスクもあります。市場連動型を選べば必ず電気代が安くなるわけではない点に注意しましょう。

市場連動型で電気代を節約するコツ

市場連動型ではピークシフトを意識することにより、節電を頑張らなくても電気代を抑えられる可能性があります。ピークシフトとは、電気料金単価が高い時間帯から安い時間帯に電気の使用をシフトさせることです。

例えば、市場価格が下がりやすい朝方に洗濯機を使うようにすれば、洗濯の回数を無理に減らさなくても、洗濯機にかかる電気代を安くできるでしょう。

電気料金単価が高い時間帯に電気を使わないようにするのもおすすめです。市場価格が上がりやすい夕方に家族で外出する生活スタイルにすることで、電気料金単価が高い時間帯に電化製品を使うのを回避できます。

市場連動型についてもっと詳しく知りたい方はこちら

深夜電力を活用して電気代の節約を

深夜電力(夜間電力)は夜間の電気料金が安くなるプランのことです。深夜電力を活用すれば、電気代の節約につながる可能性があります。

ただし、現在は多くの電力会社で、深夜電力の廃止や値上げが進んでいるのが実情です。電気料金の高騰が続いていることに不安を感じているなら、太陽光発電システムの導入や電力会社の見直しを検討してみましょう。

光熱費の節約を考える方は、Looopでんきの「スマートタイムONE」を検討してみてはいかがでしょうか。電気の使い方を工夫すれば、電気料金を抑えられる可能性があります。

電気料金は毎月発生する生活コストであり、家計を圧迫していると感じる方は今すぐにでも見直したい支出の1つです。

Looopでんきで電気料金の見直しに成功しているお客様の声を紹介します。

(20代 / 女性 / 1人暮らし)
以前契約していたところよりも安く、どのくらい使用してどのくらいの料金だったのかも分かり、前月以降の料金もあって比較が出来て非常にありがたいです。

(40代 / 女性 / 2人暮らし)
学生の一人暮らしには最適。長期休みは実家で過ごすなど不在も多いので、基本料金がなく、使った分だけ払えばいいので、大手電力会社よりお得。

早速、Looopでんきの「スマートタイムONE」をチェックしてみましょう。料金単価が市場価格に連動するため、電気料金が安い時間帯に合わせて電化製品を利用すれば、毎月の光熱費を抑えることも可能なプランです。