記事をシェアする

電気自動車(EV)の充電にかかる時間は、充電の種類や車種などによって変わります。一般的な充電時間や1回の充電で走れる距離はどのくらいなのでしょうか?時間を短縮する方法や電気代を抑えるポイントも解説します。

再エネ由来の電気をフル活用
料金プランはこちら

電気自動車(EV)の充電時間の目安

電気自動車(EV)は、電気がエネルギー源です。バッテリーに蓄えた電気によってモーターが動く仕組みで、走行には専用充電器での充電が必要です。充電方法は、普通充電と急速充電の2種類で、それぞれ充電にかかる時間が異なります。

普通充電の場合

一戸建て住宅や集合住宅、ホテルなどに設置される充電器の大半は、出力数3〜6kWの「普通充電器」です。時間の目安は、以下の計算式で算出しましょう。

  • 充電時間(h)=充電量(kWh)÷充電器の出力(kW)

充電量は、自動車のバッテリー容量を指します。充電器の出力は3kWまたは6kWが一般的でしょう。バッテリー容量が40kWhの電気自動車(EV)を出力3kWで満充電する場合、約13時間(40kWh÷3kW=13.3時間)かかります。

40%の電池残量を100%にする場合は、24kWhの充電量(40kWh×60%=24kWh)が必要です。従って、充電時間の目安は8時間(24kWh÷3kW=8時間)となります。

急速充電の場合

高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、道の駅などに設置されている充電器は、「急速充電器」です。

急速充電とは、出力数が20~150kWの充電器でスピーディーに充電する方法で、目的地に向かうまでの「経路充電」として利用されます。

バッテリー容量が40kWhの電気自動車(EV)を出力50kWで満充電にする場合、約48分(40kWh÷50kW=0.8時間)かかります。ただし、急速充電器の利用には「1回30分まで」の時間制限があるケースがほとんどです。

急速充電は利便性は高いですが、出力が上がるほど、バッテリーに負荷がかかる点に注意しましょう。

実際の充電時間は車種ごとに異なる

実際の充電時間は車種によって差があるため、より正確な値を知りたい方は、自動車メーカーのWebサイトを確認しましょう。一充電走行距離(完全充電された状態で連続走行できる距離)と充電時間の一例を紹介します。

日産 アリアB6(※1) 日産 サクラ(※2) 三菱 ミニキャブ・ミーブ(※3)
バッテリー容量 66kWh 20kWh 16kWh
一充電走行距離(WLTCモード) 470km 180km 133km
普通充電の充電時間(満充電まで) 3kW:約25.5時間
6kW:約12.0時間
3kW(AC200V・14.5A):8時間
6kW(V2H):4時間
AC200V・15A:7時間
急速充電の充電時間(充電量80%まで) 50kW(125A):約65分
90kW(200A):約45分
30kW以上:約40分 50kW:約35分

(※1・※2)アリアB6およびサクラは、バッテリー残量警告灯が点灯した時点から充電を開始。

(※4)ミニキャブ・ミーブは、駆動用バッテリー残量目計が1目盛りになった時点から充電を開始。

※1 出典:日産:日産アリア [ ARIYA ] SUV|航続距離・充電
※2 出典:日産:サクラ [ SAKURA ] 軽自動車|充電・航続距離|充電方法
※3 出典:MINICAB-MiEV | 商用車 | カーラインアップ | MITSUBISHI MOTORS JAPAN
※4 出典:充電時間はどれくらいですか。[ミニキャブ・ミーブ(U6*V)] | 三菱自動車 | よくあるお問い合わせ

充電時間が長い電気自動車(EV)はデメリットばかり?

充電に半日もの時間を要すると、ガソリン車からの乗り換えを躊躇してしまう方もいるでしょう。電気自動車(EV)は、ガソリン車と比べてデメリットが多いのでしょうか?

夜間に充電すれば長さは気にならない

ガソリン車の給油と比べると、充電にかかる時間は長いですが、必ずしも不便であるとはいえません。

自宅での普通充電は、スマートフォンの充電と同じ感覚です。寝ている間や家事をしている間に充電できるため、長いという体感はないでしょう。待ち時間がない上に、充電のためにわざわざ外に出る必要もないのです。

外出先での急速充電には利用時間の制限があります。ドライブ中の休憩と割り切れば、時間の長さはそれほど気にならないでしょう。

必ずしも満充電の必要はない

ガソリン車に給油をする際、「満タンに入れないと気が済まない」という人は多いものです。

ガソリンと違って、電気は自宅でも供給が可能なので、1回の充電で必ず100%まで充電する必要はありません。半分程度で充電を停止すれば、充電にかかる時間は短くて済むでしょう。

バッテリーに使用されているリチウムイオンは、満充電で長時間放置すると化学変化によって劣化が進みます。バッテリーの持ちを良くするなら、30~80%前後の電池残量をキープするのが賢明です。

電気代はかかるがガソリン車よりも維持費は低い

電気自動車(EV)にすると、ガソリン車よりも維持費が抑えられます。通常、自動車を取得した際には、「自動車税環境性能割」と呼ばれる税金が最大3%かかりますが、電気自動車(EV)は非課税です。

さらに、「エコカー減税」の適用で、自動車重量税(初回車検・2回目車検)が免税となるほか(2026年4月30日まで)、「グリーン化特例」によって、新車登録年度の翌年度分の自動車税・軽自動車税が軽減されます(2026年3月31日まで)。

「電気自動車(EV)にすると、電気代はどうなるの?」と気になる方も多いですが、ガソリン代よりも費用を抑えられる可能性があります。

電気自動車(EV)の平均的な電費は約6km/kWhです。1kWhあたりの電気料金単価を31円とした場合、10,000kmの走行にかかる電気代は約51,646円となります。

一方、1Lのガソリンで約24km走行するガソリン車で、レギュラーガソリン単価を160円とした場合、10,000kmの走行にかかるガソリン代は約66,720円です。比較の詳細を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

電気自動車の電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら

将来は充電時間が大幅に短縮される可能性も

中国や欧米では、急速充電の高出力化が進んでいます。日本は高出力化が遅れていますが、電気自動車(EV)の環境整備が整えば、充電時間が大幅に短縮される可能性が高いでしょう。

既に、充電ケーブルを使用せずに充電する「ワイヤレス充電」や、充電済みの電池に取り換える「バッテリー交換方式」などの研究開発も行われています。

ワイヤレス充電が可能となれば、送電コイルの上に停車するだけで充電ができるため、利便性が大きく向上するでしょう。トヨタ自動車では、走行しながら充電をする「走行中ワイヤレス充電式」の研究に取り組んでいます。

※出典:走っているクルマに電力を供給する「走行中ワイヤレス充電システム」を開発中 | トヨタ | 未来につながる研究

充電にかかる時間を短くする方法

電気自動車(EV)の充電は、自宅での普通充電が基本です。通常、EVの電池を空になるまで使うことがほとんどないことから、3kWの充電器でも寝ている間の充電が可能です。もし、あなたが60kWh等の大容量の電池を搭載したEVに乗っている場合で、朝までに充電を完了させるには、出力数が高い充電器を設置した方がよいでしょう。

6kW以上の充電器を使う

普通充電器は出力3kWのものが主流で、大抵の場合3kW充電器で十分事足ります。
例:電池容量40kWhで、電池残量50%から充電する場合:40kWh×50%÷3kW=6.7時間で満充電になるので、24:00-7:00など寝ている間に充電可能
電池が大容量である場合などは、充電時間短縮のため、6kW充電器を購入し、倍速で充電しても良いかもしれません。
ただし、6kW充電器を使用するにあたって、2点注意点があります。

注意点①:車載パワコンが3kWなら、6kW充電器でも3kWでしか充電できない
自動車には、「パワコン(PCS)」と呼ばれる、直流と交流を変換する機器が搭載されていて、充電器からの充電(交流)を、バッテリーに溜めるために直流に変換しています。
PHEVや最近販売が増えている軽EVのパワコンは3kW以下が多く、パワコンが3kWの場合、充電器が出力6kWのものでも3kWでしか充電できません。

注意点②:大電流が流れるため、大幅な契約アンペアアップが必要
6kW充電には非常に大きな電流量が必要になるため、契約容量(=一度に使用して良いアンペア量、またはkVA数)を大幅に上げなければ、ブレーカーがほぼ確実に落ちてしまいます。
6kW充電は契約容量換算で60A、または6kVAにあたり、子育て世帯など、世帯人数の比較的大きめなご家庭の契約容量と同程度の大きさです。EV分を単純に純増させる場合には、もともと60A契約または6kVAであった場合、12kVAまで増設するということになります。
基本料金のある一般的な電力メニューの場合は基本料金が大幅に上昇しますし、分電盤取替等の工事が発生する可能性がありますのでご注意ください。

自宅にV2H機器を設置する

V2H機器とは、電気自動車(EV)に搭載されたバッテリーを家庭用の電源として活用できるシステムまたは仕組みを指します。

V2Hには「Vehicle to Home(車から家)」という意味があり、電気自動車(EV)を蓄電池の代わりにしたり、家庭内の電気を電気自動車(EV)に充電したりといった使い方ができるのが特徴です。

電気自動車(EV)の充電時は、急速充電用のCHAdeMO(チャデモ)規格の充電口で接続されます。6kWで充電ができるため、3kWの普通充電器よりも充電時間が短くなります。

ただし、すべての電気自動車(EV)がV2Hに対応しているわけではありません。導入前に対応車種を確認しましょう。

電気自動車(EV)の充電に関するQ&A

「1回の充電でどのくらい走れるの?」「充電スポットはどこにある?」など、充電に関する疑問をお持ちの方も多いでしょう。電気自動車(EV)の充電に関するQ&Aをまとめました。

1回の充電で走れる走行距離は?

1回の充電で走れる走行距離(一充電走行距離)は、車種によって異なります。短距離に特化した小型電気自動車(EV)であれば約200km、長距離走行が可能な中型電気自動車(EV)であれば約400〜500kmが目安でしょう。

一般道(60km/h)または高速道路(100km/h)で走行した場合、バッテリーは何時間ほど持つのでしょうか?例えば、航続距離が約200kmの電気自動車(EV)で一般道を60km/hで走る場合、約3.3時間(200km÷60km/h=3.3時間)が目安です。しかし高速道路で100km/h等で高速走行すると空気抵抗により電費が20~30%悪化するので、思っていたより早く電池が減ってしまって慌ててしまう、ということが多々ありますのでご注意ください。

<航続距離が約200kmの場合>

  • 一般道:約3.3時間
  • 高速道路:約1時間40分

<航続距離が約400〜500kmの場合>

  • 一般道:約6.6〜8.3時間
  • 高速道路:約3〜4時間

ガソリン車と比べると、電気自動車は航続距離が短めです。長距離ドライブの債は、急速充電ができる場所を事前に確認しておくとよいでしょう。

急速充電ができるスポットの探し方は?

充電ができるスポット数は、2022年3月末時点で21,000カ所以上です。既にガソリンスタンド数の6割以上に達しており、電気自動車(EV)の普及とともに増えていく見通しです。

以下のような場所に設置されているケースが多く、休憩や買い物のついでに立ち寄れます。

  • 高速道路のサービスエリア・パーキングエリア
  • 幹線道路沿いの道の駅
  • コンビニ・スーパーマーケット
  • 商業施設
  • カーディーラー
  • 地方自治体の施設

場所の詳細は、株式会社e-Mobility Powerの「充電スポット検索」をはじめ、充電インフラを提供している会社のWebサイトで検索ができます。EV充電スタンド情報サイト「GoGoEV」なども活用しましょう。

※出典:どこで充電できるの? | 電気自動車の5つの不安にお答えします!

電気自動車(EV)の電気代を安く抑えるポイント

ガソリン車から電気自動車(EV)に乗り換えると、月々のガソリン代がかからなくなる代わりに、電気代がかさみます。石油や天然ガスなどの燃料価格が高騰する中、電気自動車(EV)の電気代を少しでも抑える方法はあるのでしょうか?

電力会社や料金プランを変更する

電気自動車(EV)への乗り換えでご家庭の電力使用量が増えると、契約アンペア数を上げなければならない可能性があります。

契約アンペア数が上がると、電気料金の「基本料金」が高くなるため、基本料金が0円の電力会社を選ぶのも良いでしょう。
また、電力量料金単価が「3段階料金」になっているプランは、電気使用量が増えれば増えるほど単価が上がります。電気自動車(EV)のご家庭は、電気代が高くなってしまうため、3段階料金のプランは避けた方が良いでしょう。
電気自動車(EV)に合う電力プランについてもっと詳しく知りたい方はこちら

Looopでんきでは期間限定の特別キャンペーンを実施中

現在Looopでんきでは、EV・PHVオーナーの方を限定に最大11,000円お得になる期間限定の特別キャンペーンを実施中です。
新規申し込みで電気料金から6,000円割引させていただき、さらに対象のスマート充電器の5,000円割引クーポンをプレゼントします。

Looopでんきの「スマートタイムONE」は、基本料金が0円なのでEV充電で上がる可能性がある基本料金を抑えることができます。また、電力の市場価格に合わせて電源料金が変動する「市場連動型プラン」のため昼間・深夜・休日の単価が安くなる傾向があり、充電をするタイミングを少し工夫すれば、大幅な節約につながります。

電気自動車(EV)と組み合わせることでお得にご利用いただけますので、ぜひこの機会にご検討ください。
【今なら最大1.1万円オトク!】EV・PHVオーナー限定キャンペーンはこちら

料金が安い充電スタンドを利用する

外出先で充電をする際は、できるだけ料金が安い充電スタンドを利用しましょう。多くの商業施設には、リーズナブルな料金で充電ができるスタンドが設置されています。

充電スタンドを利用するには、月額料金を支払って「充電認証カード」を作るのが一般的です。商業施設に設置されたスタンドの中には、店舗系列の電子マネーカードを使って充電ができるところもあり、充電認証カードにかかる固定費が抑えられます。

数は少ないですが、全国には無料で充電ができる充電スタンドもあります。外出前に場所をチェックしておきましょう。

充電時間や料金をシミュレーションしてみよう

電気自動車(EV)の充電方法には、普通充電と急速充電の2種類があります。普通充電は数時間~半日ほどの時間を要しますが、急速充電はよりスピーディーに充電が完了します。

充電時間は、充電したい電気の量や充電器の出力によって変わります。車種ごとのより正確な目安を知りたい方は、電気自動車(EV)のカタログをチェックしましょう。

電気自動車(EV)に乗り換えると、月々の電気代が上がります。家計への負担を少しでも軽くするためには、電力会社やプランの見直しが欠かせません。

Looopでんきは、再生可能エネルギー実質100%やCO₂排出量実質ゼロの電気をオプションとして提供しており、再生可能エネルギーの更なる普及を通じた「エネルギーフリー社会の実現」をビジョンとしています。

Looopでんきの新たな試みの1つが市場価格に合わせて30分ごとに電気料金が変わる「スマートタイムONE」の提供です。

市場価格は電力の需要と供給のバランスを体現しており、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー由来の電気が多く発電される時間帯においては、市場価格が安くなる傾向にあります。

市場価格の確認を習慣化すれば、環境への意識も自ずと高まるでしょう。太陽光パネルや蓄電池と併用することで、電気料金を抑えながら地球にやさしい生活を目指せます。

環境への意識や太陽光パネルとの組み合わせを重視して、Looopでんきをご利用いただいているお客様の声を紹介します。

(50代 / 女性 / 4人暮らし)
環境を重んじたキャンペーンなど、独自の取り組みがあり、社会課題についてささやかながらも参加できるから。

(30代 / 女性 / 4人暮らし)
基本料金がないことと、太陽光などと組み合わせてうまく使えばかなり電気代を抑えることができる為。

再生可能エネルギーに興味がある方は、Looopでんきが提供する「スマートタイムONE」の仕組みや料金をぜひご覧ください。