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期待される電気エネルギーの可能性 エネルギー問題の現状と課題 期待される電気エネルギーの可能性 エネルギー問題の現状と課題

地球温暖化を中心とした環境問題や原油価格の変動などをめぐり、世間ではエネルギー問題がさかんに議論されています。

そして、地球温暖化対策の中で、発電時に二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーが注目を浴びています。再生可能エネルギーによる電気エネルギーの利用によって、温室効果ガスを減らす取り組みも行われています。

そこで特に電気エネルギーの基礎や今後の日本のエネルギー問題についてまとめてみました。電気エネルギーのご家庭での使い方についてもぜひご検討ください。

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エネルギーの種類

エネルギーとは熱や光を発生させたり、ものを動かすなど、仕事をする能力のことをいいます。物体に力が加わって、その物体が加えられた力の方向に移動した場合、その力と移動距離をかけあわせた量を「仕事」と呼びます。エネルギーの量は、この仕事の量で測ることができます。
エネルギーには次のようにいくつかの種類が存在し、各物体の性質に応じた仕事をする能力を意味しています。

電気エネルギー

電気エネルギーとは、「電流により生じる、仕事を行う能力」のことをいいます。電流は、本質的に電子の移動ですが、電子の移動により、モーターを動かす、照明器具を光らせるなどの仕事をします。

位置エネルギー

位置エネルギーとは、「高い位置にあるものが蓄えている仕事の能力」のことです。高いところにあるものは重力にしたがって落下し、下にある物体を動かす仕事ができます。

運動エネルギー

滑車、ボール、タイヤなど「運動している物体が持つ仕事の能力」のことを運動エネルギーといいます。位置エネルギーとあわせて「力学的エネルギー」ともいいます。

熱エネルギー

熱エネルギーは、「温かい物体から、冷たい物体へ熱を移動させる仕事」をする能力のことをいいます。火にかけた水は、火からの熱の移動により温かいお湯になりますが、ここでは冷たい水を温める仕事をする能力が熱エネルギーです。

光エネルギー

「光が仕事をする能力のこと」を光エネルギーといいます。光は、電磁波の一種であり、また粒子という物質でもあります。動物に明るさを感じさせる仕事、植物に光合成をさせる仕事などを行う電磁波や粒子の能力が光エネルギーです。

音エネルギー

音エネルギーとは、「空気を振動させる仕事をする能力」のことです。音は空気の振動が波となって伝わり、聞く側である人間や他の動物の鼓膜を動かすことにより、音として知覚できることになります。音が持つこの空気を振動させる仕事をする能力が音エネルギーです。

原子エネルギー

原子エネルギーは「原子核が分裂したり、融合したりするときに放出するエネルギー」です。例えば原子力発電所では、ウラン235が分裂するときに発生する熱エネルギーによって水を蒸気に変え、タービンを動かします。このタービンを動かす仕事をする能力が原子力エネルギーです。

電気エネルギーの特徴

白熱電球の画像 白熱電球の画像

いろいろな種類のエネルギーがありますが、電気エネルギーには人間の生活に役立つ特徴があると同時に、不便と考えられている特徴もあります。

利便性が高い

電気エネルギーの最大の利点は、ほかのさまざまなエネルギーに変換できることにあります。

電気エネルギーがモーターを動かすと、運動エネルギーに変換され、電気エネルギーが電熱線を通ると熱エネルギーに変換されます。テレビの液晶ディスプレイを通じて光エネルギーになり、スピーカーを通ると音エネルギーになります。パソコンもスマホも電気で動きます。

このように電気エネルギーが多彩なほかのエネルギーに変換されて私たちの暮らしに利用されるのです。エネルギー変換の幅は広く、汎用性があります。電気エネルギーほど汎用性の高いエネルギーはほかにはないので、電気がない生活は不便でもはや想像がつきにくいほどです。

貯められない

汎用性が高く、便利な電気エネルギーですが、大きな弱点があるとされています。最大の弱点であり、問題とされる点は、エネルギーを貯められないことです。

電気エネルギーは、基本的に生産と消費が常に一致している必要があり「売れ残り」や「在庫」がありえないところが石油やガスなどと異なります。電気エネルギーを電気エネルギーのまま貯めることはできないので、発電した電気をすべて使う必要があります。

そのため、電気は供給の調整を適切に行うことが重要です。自然災害時や、発電所のトラブルがあると、電力の供給に大きな影響が出てしまうことは、東日本大震災の際の電力不足・計画停電に見られた通りです。

この根本的弱点を克服するために、電気を別のエネルギーとして効率的に蓄えておく方法が模索されています。
具体例としては、電気エネルギーを位置エネルギーに変換することや(揚水発電所)、熱エネルギーに変換し蓄熱をすることによるエネルギー利用(お湯を沸かして保温し、利用)することなどが挙げられます。

中でも最もメジャーなのは蓄電池でしょう。蓄電池とは電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄えるもので、私たちの生活の中でもたくさん目にすることができます。現在NAS電池(ナトリウム硫黄電池)や全固体電池など最新の電池が研究開発されていますが、電気の弱点を克服できるほど大型の電気エネルギーを貯める装置の開発は、現代の科学技術によっても困難な課題の1つです。

現時点では、電気エネルギーは貯められないという特性が依然としてその活用の最大のネックとなっています。

今後も利用が期待される

電気エネルギーは、今後、地球温暖化対策がますます求められることから、脱化石燃料の動きがさらに進むこととなるでしょう。現在日本では、電力供給量の約75%が火力発電に依存していますが、これの改革が急務となっているのです。

一方で自動車が電気自動車に取って代わるようになると、電気エネルギーの需要が増えることになりますが、化石燃料依存から脱して、供給量を増やさなければならないジレンマがあります。

電力供給量が増える要因は、電気自動車のほか、スマートハウス・スマートビルディング・スマートシティなど、あらゆるものがコンピュータ制御され、ネットワークでつながる社会になりますが、そのためには電気の供給がより求められます。

一方、スマートハウスやスマートビルディング、スマートシティは、電力供給の最適化を図る技術も取り入れています。

日本のエネルギー問題の現状

現在の日本を取り巻くエネルギー状況にはどのような問題点があるでしょうか。詳しく見ていきましょう。

化石燃料への依存と温室効果ガス排出

日本の現在の化石燃料への依存、その結果としての温室効果ガスの排出は、大きな問題点です。温室効果ガスの排出削減に向け、日本では「2050年カーボンニュートラル」宣言を行い、パリ協定も批准し、再生可能エネルギーの利用を推進するなど官民ともに具体的なアクションを起こしているところです。

しかし現状では、まだ日本の電気は化石燃料に強く依存しています。2018年度、一次エネルギー供給構成で化石燃料依存度は85.5%であり、同じころに再生可能エネルギーが推計で36%となっていたドイツなどの欧州各国からすると後れをとってしまっています。

今後ですが、化石燃料依存度を下げるため、風力発電・太陽光発電・バイオマス発電などの再生可能エネルギーをより多く取り入れる必要があると同時に、再生可能エネルギーを生み出す手法の開発・低コスト化なども必要であると考えられます。

エネルギー自給率の低さ

日本のエネルギー自給率は、2018年時点でOECD加盟国35か国中34位の11.8%であり、最下位クラスの低さです。

日本で消費される化石燃料の生産は海外で行われ、原油の海外依存度は99.7%、天然ガスは97.7%、石炭は99.5%を占めています。特に原油の輸入先は、紛争が続く中東諸国が多く約88%を占めています(2019年)。

中東は紛争が多発する地域であり「世界の火種」と呼ばれています。こうした地域で産出される化石燃料に依存することは、過去2度のオイルショックがあったように、エネルギー供給が滞るリスクをはらんでいます。

再生可能エネルギーの普及・拡大は、CO₂の削減推進のためだけでなく、エネルギー自給率を向上させるためにも必要なのです。

再生可能エネルギー普及と経済とのバランス

発電時CO₂を排出しないクリーンエネルギーである再生可能エネルギーは、温室効果ガスの排出を削減します。その上にエネルギー自給率を上げる効果もあり、電気の安定供給を担保することになるので、普及がより期待されています。

しかし再生可能エネルギーの利用は、方法の選択、コストの削減などの課題があり、試行錯誤が世界各国で見られ、すでに利用が進んでいる国でも、平坦な道のりを進んできたわけではありません。

もともと再生可能エネルギーは、発電のために広い土地と大きな装置を必要とし、その上、発電量が天候に左右される性質を持ちます。

そのため単位面積あたりの発電量をしめすエネルギー密度が低く、同じ発電量に対し、火力発電より大きなコストがかかります。関西電力が保有する発電所における調査では、エネルギー密度が太陽光発電1に対し火力発電所が2,600と大きな差があります。現在、再生可能エネルギー発電による電力は、火力発電よりもコストが高いのです。

再生可能エネルギーが普及しても、仮に従来の電気よりも高くついてしまい、生活への負担が大きいこととなると、再生可能エネルギーの利用のインセンティブが働かなくなるので、脱炭素化が進めにくくなりかねません。

実際、再生可能エネルギーの買い取りのためのコスト上昇が問題になっています。再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)のもとで、再生可能エネルギーは固定価格での買い取りが行われますが、買取総額が2020年現在合計約3.8兆円となっています。

電気料金の上昇は一般家庭と企業を直撃し、経済活動にダメージを与えかねません。また電力を大量に使用する産業は、電気料金の安い外国へ移転してしまい、産業の空洞化を招くおそれもあります。

ただし現在、太陽光発電・風力発電は、海外と比較して高コストであることから、日本でも低コスト化が進められています。特に急速にこの10年で低コスト化が見込まれるのが太陽光発電です。発電装置が近年安くなりつつあることが話題になっていますが、経済産業省では2030年の太陽光発電コストを8.2~11.8円とほかの発電方式と比べて最安になると試算しています。

このように、再生可能エネルギーのコストは下げつつ、供給量を増やして電気料金の安定化・上昇の防止を図ることが今後の大きな課題です。

※出典:発電コスト検証について(資源エネルギー庁

消費者もエネルギーを選択できる

消費者もエネルギーを選択できる 消費者もエネルギーを選択できる

2021年10月22日「第6次エネルギー基本計画」が閣議決定され、そこでは「野心的な見通し」として、2030年度の電源構成を再生可能エネルギー36~38%、原子力20~22%、LNG20%、石炭19%、石油など2%と定められました(※)。

第6次エネルギー基本計画は、エネルギーの安定供給、環境への適合、経済効率性を踏まえつつ、再生可能エネルギーのさらなる拡大を宣言するものです。この計画の導入により、日本でも脱炭素・脱化石燃料化がより進むと考えられています。

消費者も再生可能エネルギーの拡大につながる行動をとることができます。従来の電力会社から、簡単な申し込みだけで再生可能エネルギーを利用する電力会社に切り替えができるのです。

Looopでんきは、再生可能エネルギー実質100%やCO₂排出量実質ゼロの電気をオプションとして提供しており、再生可能エネルギーの更なる普及を通じた「エネルギーフリー社会の実現」をビジョンとしています。

Looopでんきの新たな試みの1つが市場価格に合わせて30分ごとに電気料金が変わる「スマートタイムONE」の提供です。

市場価格は電力の需要と供給のバランスを体現しており、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー由来の電気が多く発電される時間帯においては、市場価格が安くなる傾向にあります。

市場価格の確認を習慣化すれば、環境への意識も自ずと高まるでしょう。太陽光パネルや蓄電池と併用することで、電気料金を抑えながら地球にやさしい生活を目指せます。

環境への意識や太陽光パネルとの組み合わせを重視して、Looopでんきをご利用いただいているお客様の声を紹介します。

(50代 / 女性 / 4人暮らし)
環境を重んじたキャンペーンなど、独自の取り組みがあり、社会課題についてささやかながらも参加できるから。

(30代 / 女性 / 4人暮らし)
基本料金がないことと、太陽光などと組み合わせてうまく使えばかなり電気代を抑えることができる為。

再生可能エネルギーに興味がある方は、Looopでんきが提供する「スマートタイムONE」の仕組みや料金をぜひご覧ください。