エコキュートはオール電化のご家庭に欠かせない設備ですが、ほかの電化製品より導入費用が高く、買い替えにも相応のお金がかかります。エコキュートの平均寿命やメンテナンスのコツを理解し、長く使えるように工夫しましょう。電気代を安くする方法も解説します。
エコキュートの寿命はどのぐらい?
エコキュートはヒートポンプ技術を利用した給湯器であり、IHクッキングヒーターとともに、オール電化には欠かせない設備として知られています。
日常的にエコキュートを利用している方や、これからオール電化の住宅に住む人などは、エコキュートの寿命はどのぐらいか確認し、買い替えのタイミングを考えおきましょう。
一般的に10~15年が買い替えのタイミング
エコキュートの寿命はメーカーや製品によって変わってくるものの、平均10〜15年といわれています。しかし、エコキュート自体が2001年に販売が開始された比較的新しい設備であるため、平均寿命が明確にわかっているわけではありません。
実際に使用している人の多くが、10~15年で何らかの故障や不具合が発生していることから、長くても15年程度で買い替えるべき、といった認識が広まっているのが実態です。
なお、一般的な給湯器の平均寿命も10~15年ぐらいとされているので、エコキュートの方が交換周期は早いといえるでしょう。
ただし、一般社団法人日本ガス石油機器工業会などは、10年程で取り換えや点検をすべきとしています。エコキュートも導入から10年経過した時点で、たとえ問題がなくても点検はしておきましょう。
メーカーの保証期間は1~3年が目安
現状、エコキュートの平均寿命は10~15年との認識が広まっていますが、メーカーの保証は導入から1〜3年程度で、メーカーによっても変わってきます。保証期間の経過後は、基本的に交換や故障修理に費用負担が発生する点は注意が必要です。
また、エコキュートの本体と、ヒートポンプ・タンクのそれぞれで保証期間が異なるケースが多いので、事前によく確認しておきましょう。
寿命の前に買い替えが必要なケースもある
エコキュートに限った話ではありませんが、どういった設備であっても、使用状況や設置環境をはじめ、さまざまな要因で故障が発生する可能性があります。
平均寿命を迎える前に買い替えなければならないケースも起こり得るので、定期的なメンテナンスを欠かさないのはもちろん、不具合が起こった際にはできるだけ早く原因を特定し、修理を含めた対応をすることが大事です。
不具合を放置したまま稼働させ続けると、本格的な故障の原因になる恐れがあります。なお、エコキュートの不具合を素早く察知するには、基本的な仕組みやお湯の作り方などを知っておく必要があります。
エコキュートの仕組みについては以下の記事で詳しく解説しているので、こちらを参考にしてください。
⇒エコキュートの仕組みについてもっと詳しく知りたい方はこちら
エコキュートの交換を検討すべきケース
平均寿命にかわらず、エコキュートの交換を検討すべきケースとして、以下の症状が挙げられます。必ずしも交換が必要とは限りませんが、早急な点検が必要な目安として覚えておきましょう。
頻繁にエラーが起こる場合
エコキュートに問題が発生した場合、リモコンにエラーコードが表示されるのが一般的です。例えば、コロナ製のエコキュートの場合、故障や不具合が発生している場所によって、次のようなエラーコードが表示されます。
- E01:缶体サーミスタや風呂保温ヒータの故障
- E08:ふろ湯張りサーミスタの故障
- E09:給水温サーミスタの故障
- E10:給湯サーミスタの故障
- E16:湯張り高温異常の検知
- E33:給湯温度の高温検知
- E37:漏水の検知
ほかにもさまざまなエラーコードがあり、英数字によって不具合や故障の場所が分かります。明確な故障の場合はもちろんですが、どういったエラーであれ、頻発する場合はエコキュートが寿命を迎えている可能性もあります。
※出典:エコキュート エラーサイン一覧|株式会社コロナ
お湯や水漏れが頻発する場合
何度もエコキュートからお湯が漏れたり水漏れが発生する場合や、逆にお湯の出が悪くなってしまうケースが頻発する場合は、設備の寿命が疑われます。
風呂場やキッチンのみ一部分で水漏れが発生している場合などは、その部分だけ修理や交換をすれば問題ない場合がほとんどです。
しかし、全体でお湯の出が悪ければ、エコキュート本体の不具合や故障の可能性があるので、まずは業者に点検・確認を依頼しましょう。
本体から異音がする場合
稼働中に突然、異音が出た場合は、エコキュート本体が故障している可能性が考えられます。
故障の個所によっては部品の交換だけで済むケースが多くありますが、内部で深刻な問題が起こり、買い替えも検討しなければならない可能性もあるので、早急に業者に連絡をしましょう。
もし、エコキュート本体を丸ごと買い替えなければならない場合、相応の費用がかかるのはもちろんですが、再びお湯が使えるようになるまで、一定期間が必要になります。お湯が使えなくなった場合の対応も考えておきましょう。
漏電が疑われる場合
ご家庭の漏電遮断機が作動したり、ブレーカーが落ちたりする場合、どこかで漏電している可能性が考えられます。エコキュートが原因とは限りませんが、感電の恐れがあり危険なため、速やかに電源を落としメーカーや修理業者に相談しましょう。
漏電の場合、機器の絶縁体やケーブルの劣化など、さまざまな原因が考えられますが、本体の寿命の可能性もあります。
なお、エコキュートを使用する場合、年に2~3回は漏電遮断器の動作確認をメーカーも推奨しているため、安全のためにも定期的にチェックするようにしましょう。
エコキュートの寿命が早まる原因は?
これまで説明してきた症状が出た場合、エコキュートの寿命の可能性が考えられますが、たとえ現状は動作に問題がなくても、日頃の使い方で寿命を縮めている可能性があります。
以下の使い方は、エコキュートの寿命を早めてしまう恐れがあるため、避けるようにしましょう。
機器に合わない入浴剤を使っている
メーカーが推奨していない入浴剤を頻繁に利用している場合、エコキュートの寿命が縮まり、故障するリスクが高くなるので注意が必要です。
そもそもエコキュートは基本的に入浴剤の使用自体が推奨されておらず、日常的に利用していても、そのことを知らない人は少なくありません。
一部の入浴剤は利用可としているメーカーもありますが、特に調べることなく好きな入浴剤を使っている人が多いのが実態です。入浴剤を入れるならば、事前にメーカーの公式サイトを確認し、使っても問題ないとされている商品を選びましょう。
湿気やホコリの多い場所に設置している
屋外や湿気、ホコリが多い場所などに機器を設置している場合は、寿命を早めてしまう可能性があります。
また、給湯器の周囲に物があったり、十分なスペースがなかったりする場合や、寒冷地に適した機器を選んでいない場合なども、早期に故障してしまう原因となります。
設置場所を確認して問題がありであれば、風通しが良く、できる限り直射日光の当たらない場所への移動も検討しましょう。ヒートポンプユニットの周囲を片付けて、物を置かないことも重要です。
適切な使い方をしていない
長期で家を留守にする場合に水抜きをしなかったり、無理に場所を移すなど、適切な使い方をしていない場合も、故障の原因となります。
説明書をよく確認し、常に正しい使用を心掛けなければいけません。上記のように機器の設置環境が悪く、場所を移動させたいのであれば、業者に依頼しましょう。
また、1カ月以上自宅を留守にする場合は、どのメーカーのエコキュートでも基本的に水抜きが必要です。
水を抜かずに長期間放置していると水質が悪化してしまったり、冬季は水が凍ってしまったりして、故障につながります。長く留守にするならば、電源を落とすだけではなく、必ず水抜きをするようにしましょう。
定期的なメンテナンスを怠っている
エコキュートは貯湯タンクや給水口などの掃除や、ヒートポンプからの水抜き、配管の洗浄といったメンテナンスが欠かせません。
メンテナンスを怠ると故障の原因となり、寿命が短くなる可能性が高くなります。定期的にチェックして不具合があれば、すぐに修理しましょう。
詳しくは後述しますが、貯湯タンクの水抜きはもちろん、配管の水漏れの確認、給水口ストレーナーのお手入れなどが求められます。
上記のように長期間留守にする場合の水抜きに加えて、貯湯タンク内の汚れを排水するためにも、定期的な水抜きが必要です。定期点検の方法は、説明書や各メーカーの公式サイトに記載されているので、よく確認しておきましょう。
エコキュートの寿命を延ばすメンテナンス法
たとえ説明書の通りに正しく使用していても、メンテナンスを怠ると寿命を縮めてしまいます。できるだけ長くエコキュートを使うために、以下の点を意識して定期的にメンテナンスを行いましょう。
適切なメンテナンスの頻度は?
エコキュートの各パーツの点検は、半年に1度程度で問題ありませんが、清掃はできる限り2~3カ月に1度の頻度でするようにしましょう。
特に、貯湯タンクはゴミや不純物が溜まりやすいので、水抜きに加えて、給水口ストレーナーなどの掃除もする必要があります。浴槽フィルターの掃除もしておきましょう。
また、ほかの部分に比べて忘れがちですが、エコキュートのリモコンも汚れが動作に影響しないように、定期的な拭き掃除が必要です。
日常的にすべきメンテナンスのやり方
各部位のお手入れ方法やメンテナンスについては、説明書はもちろん、各メーカーの公式サイトに具体的に記載されています。
推奨頻度も機器によって異なるため、基本的には公式の情報を確認しておきましょう。ここでは、よくある貯湯タンクの一般的な水抜きと汚れ落としの方法を簡単に紹介します。
【貯湯タンクのお手入れ方法】
- 漏電遮断器を「切」にしておく
- 給水配管の止水栓を閉じる
- 逃し弁レバーを上げる(※レバーの方向は各機器の説明書を要確認)
- 排水栓を開いてタンクに溜まった汚れを排水する(※1~2分程度)
- 排水栓を閉じる
- 給水配管の止水栓を開いてタンクを満水にする
- 逃し弁レバーを下げる
- 漏電遮断器を「入」にする
- 混合水栓のお湯側を開いて、お湯が出ることを確認する
貯水タンクのメンテナンスは年に2〜3回程度はする必要があります。なお、タンク内の汚れをしっかり落としておけば、断水時にタンクの水を生活用水に使うことも可能です。ただし、飲用には適さないので注意しましょう。
メーカーや業者への依頼も検討しよう
貯湯タンクのお手入れをはじめ、エコキュートの定期的なメンテナンスは、誰でもできるようになっています。
しかし、点検を忘れてしまいがちな人や、忙しくてまとまった時間が取れない人などは、メーカーの修理担当者や業者に連絡して、メンテナンスを依頼するとよいでしょう。
基本的に有償にはなりますが、素人が見落としがちな点もしっかりチェックしてもらえるのに加えて、気付かなかった不具合を発見し、スムーズに修理できる可能性もあります。
業者にメンテナンスを依頼した場合の費用は、10,000~20,000円程度が相場です。不具合に気付かず故障してしまい、後から多額の修理費を払う事態になるのに比べれば、それほど負担にはならないでしょう。
エコキュートの買い替え費用を抑えるには?
たとえメンテナンスを怠らなくても、想定以上に早く寿命を迎えたり、偶発的な要因で機器が故障することもあります。
その場合は基本的に買い替えることになりますが、少しでも費用を安くするために、以下の点を押さえておきましょう。
エコキュートの買い替え費用の相場
エコキュートの買い替え費用は、導入する機器や担当業者によってかなり変わってきますが、一般的には工事費込みで250,000~1,000,000円程度の負担が発生します。
設置場所を変えずに同種類の製品に買い替える場合は、設定に必要な基礎工事は完了しているので、新たな場所に設置するのに比べると、工事費用を抑えられます。
ただし、ある程度の電気工事や配管工事に加えて、追加工事が必要になるケースもあるので、50,000~100,000円は想定しておいた方がよいでしょう。大がかりな工事になる場合には、200,000円程度かかる場合もあります。
また、エコキュートの本体価格は300,000~600,000円程度が相場で、製品によって大きく異なります。買い替え前の機器の本体価格を参考にしつつ、メーカーの公式サイトなどで確認しておきましょう。
家庭環境やライフスタイルに合った製品を選ぶ
買い替え費用を安く抑えるには、できるだけ安い価格のエコキュートを導入するのが有効ですが、大前提として各ご家庭のニーズに合ったスペックの製品を選択しなければいけません。
まずは入念に情報を収集して、さまざまな製品を比較検討することが大事です。各メーカーの公式サイトやカタログをチェックするのに加えて、ユーザーからの評判やSNSで発信されている情報などにも目を向けましょう。
実際に機能性を体感するために、メーカーのショールームで実物をチェックするのもおすすめです。しっかり情報を収集・評価して、ご家庭の環境やライフスタイルに合った製品を選ぶようにしましょう。
複数の業者から相見積もりを取る
できるだけ安く買い替えを済ませるには、信頼できる複数の業者から相見積もりを取って、費用を比較検討することが重要です。
すべての業者が優良とは限らず、割高な請求をされるケースも考えられるので、価格だけに目を向けずに、信頼できる業者か見極める必要があります。
複数の業者から相見積もりを取れば、費用の相場も確認でき、妥当な金額を提示している業者の絞り込むも可能です。一社のみに依頼するのに比べると時間はかかりますが、後悔しないためにも、必ず相見積もりは取るようにしましょう。
エコキュートの業者の選び方
エコキュートの買い替えや取り付けを依頼する業者を選ぶ際には、工事費込みの価格になっているか、追加費用は基本的に発生しない契約ができるかなども、事前に確認する必要があります。
ほかの業者よりも安い価格が提示されたとしても、本体価格のみで別途工事費がかかるのであれば、総額は割高になる可能性があります。最終的な負担額はいくらになるのか計算し、できる限り追加工事費が発生しないサービスを選択するのがよいでしょう。
ただし、多少割高になったとしても、長くエコキュートを使い続けるために、保証が充実している業者を選ぶのも選択肢の1つです。どういった基準で業者を選ぶにせよ、ご家庭でよく話し合った上で決めるようにしましょう。
エコキュートの電気代を安くする方法
エコキュートはほかの設備や電化製品に比べて、電気代が高めなのが特徴です。
そこで、少しでも家計の負担を減らすためにも、電気代を安くする方法も押さえておきましょう。エコキュート自体の使い方を工夫するのはもちろん、電気料金プランや電力会社の見直しも有効です。
省エネモードや休止モードを活用する
省エネで運転できるモードを活用したり、長時間家を空ける際には休止状態にしたりするなど、設定や使い方を考えることで、毎月の電気代を節約できます。
エコキュートを一年中同じ設定で稼働させているご家庭は多くありますが、できる限り無駄を発生させない工夫が大事です。
例えば、お湯をあまり使わない時期は省エネモードで稼働させ、さらに電気料金の安い時間帯にお湯を沸かすといった工夫により、電力消費を抑えられます。
なお、自動でお湯の沸き増しをする設定にしていると、無駄なお湯を沸かしてしまうだけではなく、電気代の無駄になってしまうので注意しましょう。
太陽光発電などを併用する
ご家庭に太陽光発電パネルなどを設置し、できるだけ発電した電気を自家消費に回すことで、毎月の電気代を安くできます。
太陽光発電パネルの導入は相応の初期投資が求められますが、うまく活用すれば、長い目で見て光熱費の節約になるので、この機会に検討してみましょう。
特に、エコキュートやIHクッキングヒーターなどを設置し、オール電化の住宅にすることを考えている人は、同時に太陽光発電の導入がおすすめです。
エコキュートと太陽光発電の組み合わせによる省エネ効果については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
⇒エコキュート×太陽光発電についてもっと詳しく知りたい方はこちら
電気料金プランや電力会社を見直す
日々の電気の使い方だけではなく、エコキュートの利用時間に電気料金が安くなるプランや、電力会社の見直しをすることで、毎月の電気代を安くすることが可能です。
2016年4月以降、電力小売全面自由化されたことで、多くの業者がさまざまな料金プランのサービスを提供し始めています。
大手の電力会社よりも毎月の負担額を抑えられる可能性があるので、この機会に電力会社の乗り換えも検討してみましょう。新電力について詳しくは以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
⇒新電力についてもっと詳しく知りたい方はこちら
適切なメンテナンスでエコキュートを長く使おう
エコキュートを長く使うためのポイントを解説しました。エコキュートの平均寿命は10~15年程度といわれていますが、使い方次第で寿命を延ばせる場合もあれば、逆に縮めてしまう可能性もあります。
常に正しい使い方を心掛けるとともに、定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
また、毎日の使い方を工夫することで、電気代の負担を減らすことも重要です。電気料金プランや電力会社の乗り換えも含めて、毎月の光熱費を少しでも減らせるように工夫しましょう。
光熱費の節約を考える方は、Looopでんきの「スマートタイムONE」を検討してみてはいかがでしょうか。電気の使い方を工夫すれば、電気料金を抑えられる可能性があります。
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Looopでんきで電気料金の見直しに成功しているお客様の声を紹介します。
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早速、Looopでんきの「スマートタイムONE」をチェックしてみましょう。料金単価が市場価格に連動するため、電気料金が安い時間帯に合わせて電化製品を利用すれば、毎月の光熱費を抑えることも可能なプランです。