遠赤外線ヒーターは、輻射熱で体を芯から温めてくれる暖房器具です。スポット暖房として活用したいと考えても、電気代が気になり購入をためらう方もいるでしょう。本記事では、遠赤外線ヒーターの電気代や節約方法、選び方について詳しく解説します。
遠赤外線ヒーターの種類と電気代
遠赤外線ヒーターはいくつかの種類に分かれており、それぞれ特徴が異なります。実際の製品を例にとって計算した電気代の目安と併せてチェックしていきましょう。
遠赤外線ヒーターの電気代は、「消費電力(kW)×使用時間(h)×料金単価(円/kWh)」で求めることが可能です。今回は料金単価の部分に、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価の31円/kWhを用います。また、1日の使用時間は8時間とします。
※出典: よくある質問 Q&A 公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
カーボンヒーターの電気代
カーボンヒーターは炭素繊維を発熱体とする遠赤外線ヒーターです。遠赤外線量が豊富で暖房能力が高く、速暖性にも優れています。
電気代の計算で取り上げる製品のメーカーはコロナです。コロナは暖房機器を中心に、さまざまな家庭用電化製品を取り扱っています。
- 製品名:DH-C924
- メーカー:コロナ
- 消費電力:900W
1時間あたりの電気代 | 約27.9円 |
1日(8時間)あたりの電気代 | 約223.2円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約6,696円 |
※出典: 製品詳細|スリムカーボン|遠赤外線暖房機 コアヒート|株式会社コロナ
⇒カーボンヒーターの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
シーズヒーターの電気代
シーズヒーターは金属管(シース)から熱を放出する遠赤外線ヒーターです。カーボンヒーター以上に遠赤外線量が豊富で、体を芯から温める効果が期待できます。立ち上がりがやや遅い点がデメリットです。
電気代の計算でご紹介する以下の製品は、ダイキンが取り扱っています。ダイキンは世界有数の空調総合メーカーで、空調機器分野における世界的シェアを持っています。
- 製品名:ERFT11ZS
- メーカー:ダイキン
- 消費電力:250~1,100W
消費電力250Wの場合 | 消費電力1,100Wの場合 | |
---|---|---|
1時間あたりの電気代 | 約7.75円 | 約34.1円 |
1日(8時間)あたりの電気代 | 約62円 | 約272.8円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約1,860円 | 約8,184円 |
ハロゲンヒーターの電気代
ハロゲンヒーターはハロゲンランプを発熱体とする遠赤外線ヒーターです。速暖性に優れていますが、遠赤外線量は少なめで、暖房能力はそれほど高くありません。
電気代の計算で取り上げる製品の販売元はアイリスオーヤマです。アイリスオーヤマは生活用品の企画・製造・販売を行っており、世界で初めてクリア収納ケースを開発したことでも知られています。
- 製品名:PH-1212
- メーカー:アイリスオーヤマ
- 消費電力:800W、1,200W
消費電力800Wの場合 | 消費電力1,200Wの場合 | |
---|---|---|
1時間あたりの電気代 | 約24.8円 | 約37.2円 |
1日(8時間)あたりの電気代 | 約198.4円 | 約297.6円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約5,952円 | 約8,928円 |
※出典: ハロゲンヒーター 3灯 TEKNOS PH-1212(W) ホワイト 7252032│アイリスオーヤマ公式通販アイリスプラザ
⇒ハロゲンヒーターの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
パネルヒーターの電気代
内蔵されたパネルから輻射熱を放射する遠赤外線ヒーターがパネルヒーターです。広い部屋向けと狭い空間向けの2タイプがあり、立ち上がりが早いことが特徴です。
電気代の計算でご紹介する以下の製品は、山善が取り扱っています。山善はさまざまな分野の製品を取り扱う大手専門商社です。近年は電化製品に力を入れています。
- 製品名:DP-SD30
- メーカー:山善
- 消費電力:300W
1時間あたりの電気代 | 約9.3円 |
1日(8時間)あたりの電気代 | 約74.4円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約2,232円 |
※出典: 商品情報_2WAYパネルヒーター | 山善の商品情報サイト | YAMAZEN BOOK
⇒パネルヒーターの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
グラファイトヒーターの電気代
グラファイトヒーターはカーボンヒーターの一種です。黒鉛(グラファイト)を発熱体としており、ほかの暖房器具に比べて立ち上がりが非常に速く、遠赤外線の放射量も多いのが特徴です。
次に紹介する製品は、日本エー・アイ・シーが取り扱っています。日本エー・アイ・シーは「アラジン」ブランドの製品の輸入・販売を行っており、以下の製品も「アラジン」ブランドです。
- 製品名:CAH-2G10F
- メーカー:日本エー・アイ・シー
- 消費電力:1,000W
1時間あたりの電気代 | 約31円 |
1日(8時間)あたりの電気代 | 約248円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約7,440円 |
遠赤外線ヒーター以外の暖房器具の電気代
エアコン・セラミックファンヒーター・こたつにかかる電気代を、遠赤外線ヒーターと比較してみましょう。ただし、各暖房器具は特徴が異なるため、電気代の比較だけでなく使用する目的や場所に応じて選ぶことも重要です。
エアコンの電気代
エアコン暖房は部屋全体を暖めるのに適しているため、遠赤外線ヒーターとは基本的な使い方が異なります。消費電力は大半の遠赤外線ヒーターよりエアコンのほうが低めです。
- 製品名:RAS-AJ22N
- メーカー:日立
- 消費電力(暖房時):470W
1時間あたりの電気代 | 約14.57円 |
1日(8時間)あたりの電気代 | 約116.56円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約3,496.8円 |
※出典: ルームエアコン AJシリーズ : 住宅設備用エアコン : 日立グローバルライフソリューションズ株式会社
⇒エアコンの暖房代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
セラミックファンヒーターの電気代
セラミックファンヒーターは遠赤外線ヒーターと同じ電気ヒーターの一種ですが、遠赤外線ヒーターが輻射熱で体を温めるのに対し、セラミックファンヒーターはファンで温風を出すことで周囲の空気を暖めます。
立ち上がりが早く狭い場所に向いているのは、遠赤外線ヒーターと同じです。また、電気代に関してもセラミックファンヒーターと遠赤外線ヒーターは同程度だといえます。
- 製品名:PCH-HM12B-W
- メーカー:アイリスオーヤマ
- 消費電力:625W、1,250W
消費電力625Wの場合 | 消費電力1,250Wの場合 | |
---|---|---|
1時間あたりの電気代 | 約19.38円 | 約38.75円 |
1日(8時間)あたりの電気代 | 約155.04円 | 約310円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約4,651.2円 | 約9,300円 |
※出典: セラミックヒーター 加湿機能付き 人感センサー イオン搭載 PCH-HM12B-W 風量3段階 大風量 H288709F │アイリスオーヤマ公式通販アイリスプラザ
⇒セラミックファンヒーターの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
こたつの電気代
こたつは布団をかけたテーブルの中で足や下半身を局所的に温める暖房器具です。消費電力が非常に小さいため、ほかの暖房器具と併用しやすいでしょう。
- 製品名:EYC-105752
- メーカー:山善
- 1時間あたりの電気代:約2.5円(弱)、約5円(強)
弱設定の場合 | 強設定の場合 | |
---|---|---|
1日(8時間)あたりの電気代 | 約20円 | 約40円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約600円 | 約1,200円 |
※出典: 商品情報_カジュアルテーブルこたつ | 山善の商品情報サイト | YAMAZEN BOOK
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遠赤外線ヒーターの電気代を節約する方法
これまで解説してきたように、遠赤外線ヒーターは比較的電気代が高い暖房器具です。遠赤外線ヒーターの電気代が気になるなら、次に挙げる節約方法を実践してみましょう。
広い場所を暖める暖房器具と併用する
遠赤外線ヒーターは基本的に狭い場所で使うのに適した暖房器具です。単体で使う場合は、脱衣所やトイレで一時的に暖を取ったり、足元をピンポイントで温めたりするのに向いています。
エアコンなど広い場所を暖める暖房器具と併用すれば、暖房全体にかかる電気代を抑えられるでしょう。遠赤外線ヒーターで局所的に暖をとることで、エアコンの設定温度を下げられるためです。
また、すぐに暖まるタイプの遠赤外線ヒーターも、エアコンとの併用がおすすめです。エアコンで部屋が暖まるまでの間に、素早く暖を取れます。
省エネ機能を活用する
遠赤外線ヒーターの中には、省エネ機能が搭載されているモデルがあります。次に挙げる省エネ機能を活用すれば、電気代の節約につながるでしょう。
- 人感センサー機能:人がいないときに電源が自動でオフになる
- 出力調節機能:室温や場所に合わせて暖かさを設定できる
電力会社を切り替える
電力小売自由化で電力会社の選択肢が増えたことで、電力会社を切り替えれば電気代を節約できる可能性があります。現在の契約内容や電力使用量を把握したうえで、自分のライフスタイルに合ったプランを選ぶことが重要です。
電力会社の切り替えは、基本的に検針日を基準に行われるため、二重請求になることはありません。新しい電力会社が旧電力会社の解約手続きを代行してくれます。契約内容によっては、解約時に違約金が発生する場合があるため、契約前に確認が必要です。
⇒電力会社の乗り換えについてもっと詳しく知りたい方はこちら
遠赤外線ヒーターの選び方
遠赤外線ヒーターにはさまざまな種類があり、どれを選べばよいのか迷いがちです。製品選びで特に注目したいポイントをご紹介します。
速暖性に優れているか
遠赤外線ヒーターは基本的に立ち上がりが早く、すぐに暖を取りたいケースに向いています。ただし、種類によっては立ち上がりが遅いものもある点に注意しましょう。
本記事でご紹介した種類の中では、シーズヒーターが立ち上がりが遅いタイプです。シーズヒーターは遠赤外線の放射量が非常に多く、暖房能力が高いため、速暖性より暖房能力を重視するならシーズヒーターを選ぶとよいでしょう。
使う場所や目的に合っているか
1台の遠赤外線ヒーターを複数の部屋で使いたい場合は、コンパクトサイズで持ち運びしやすいタイプを選ぶのがおすすめです。足元で使うなら高さが低い製品を、トイレや脱衣所で使うなら奥行きが薄い製品にすると置きやすいでしょう。
また、シーズヒーターやグラファイトヒーターのように暖房能力が高い機種の中には、ある程度広い部屋でも室内全体を暖められるものもあります。このような製品はサイズが大きめになるため、置き場所を考慮したうえで選ぶことが大切です。
遠赤外線ヒーターの電気代は工夫次第で節約できる
遠赤外線ヒーターにはいくつかの種類があり、いずれも遠赤外線による輻射熱で体を直接温める暖房器具です。種類ごとの特徴や電気代の目安を把握し、使う場所や目的に合った製品を選びましょう。
また、遠赤外線ヒーターの電気代は工夫すれば節約が可能です。どの種類も比較的電気代が高めのため、ほかの暖房器具との併用や省エネ機能の活用で節約を心がけましょう。
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