冬場の入浴時などに活躍する浴室暖房は、寒さ対策やヒートショック予防として、近年注目されている設備です。一方で、電気代がどれくらいかかるのか不安に感じる人も少なくありません。浴室暖房の電気代の目安や、節電ポイントなどを詳しく解説します。
浴室暖房とは
浴室暖房とは、浴室内をあらかじめ暖めておくことで、冬場でも快適に入浴できる環境を整える設備です。近年は戸建てだけでなく集合住宅にも広く普及しており、安全面や快適性の向上を目的に導入されるケースが増えています。
まずは浴室暖房の基本的な仕組みと、よく混同されがちな浴室乾燥機との違いを確認していきましょう。
浴室暖房の基本的な仕組み
浴室暖房は、主に電気の力を使って浴室内の空気を暖める設備です。天井部分に設置された本体から温風を送り出し、浴室全体の温度を上昇させることで、入浴前後の寒さを和らげます。
機種によってはヒーターや温風ファンを内蔵しており、スイッチを入れると短時間で浴室内を暖められる点が特徴です。
特に冬場は、脱衣所と浴室の温度差が大きくなりがちですが、浴室暖房を使用することで急激な温度変化を抑えられます。また、浴室暖房は換気機能や乾燥機能と一体化している場合も多く、住環境やライフスタイルに合わせた使い方が可能です。
ただし電気を使って稼働するため、使用頻度や時間によっては電気代がかさみやすい点は、よく理解しておく必要があります。
浴室暖房と浴室乾燥機の違い
浴室暖房と浴室乾燥機は混同されやすい設備ですが、主な目的に違いがあります。浴室暖房は入浴時の寒さ対策を目的としており、浴室内の温度を上げることに重点が置かれた機能です。
一方、浴室乾燥機は洗濯物を乾かすのが目的で、強い温風や送風、換気機能を活用して衣類を乾燥させます。
多くの製品では、浴室暖房・乾燥・換気・涼風といった複数の機能が一体化していますが、暖房機能は、比較的短時間の使用を前提に設計されている点が特徴です。長時間の暖房運転を続けると、乾燥機能以上に電気代がかかるケースもあるので注意しましょう。
用途の違いを理解し、目的に応じて機能を使い分けることが大切です。なお、浴室乾燥機に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
⇒浴室乾燥機についてもっと詳しく知りたい方はこちら
浴室暖房にかかる電気代はどれぐらい?
浴室暖房を使用する際に気になるのが電気代です。暖房の性質上、消費電力が大きくなりやすく、使い方次第では電気料金に影響を与えることもあります。
1時間あたりの電気代の目安と、実際の使用シーンを想定した計算例をもとに、大まかな負担額を把握しておきましょう。
1時間あたりの電気代の目安
浴室暖房の消費電力はおおむね1,000〜2,000W程度です。電力量料金を31円として計算すると、1時間あたり30~60円程度の電気代がかかる計算になります。
また、運転モードの違いによる電気代の差は次の通りです。以下は三菱電機の「V-141BZ5」の浴室暖房機能を使用した際の消費電力を参考にしています。
| 運転モード | 消費電力 | 1時間あたりの電気代 | 1カ月の電気代 | 1年間の電気代 |
|---|---|---|---|---|
| 暖房(強) | 約1,250W | 約38.8円 | 約582円(15時間) | 約6,984円(180時間) |
| 暖房(弱) | 約1,100W | 約34.1円 | 約512円(15時間) | 約6,138円(180時間) |
上記の1カ月および1年間の電気代については、1日30分使用すると仮定し、月に15時間・年間で180時間使用した場合の試算です。
※出典: よくある質問 Q&A 「カタログなどに載っている電気代はどのようにして算出するのですか?」|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
※出典: バス乾燥・暖房・換気システム:換気扇・換気空清機ロスナイ|三菱電機 空調・換気・衛生
実際の電気代の計算例
上記、三菱電機の「V-141BZ5」の電気代(暖房機能時)を実際に計算してみましょう。
浴室暖房に限らず、電化製品は消費電力がわかれば、以下の式で電気代の試算が可能です。なお、電力量料金(電気料金単価)は、全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円とします。
電気代=消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)
この式に、同製品の暖房機能の消費電力を当てはめて計算してみましょう。1日1時間使用した場合、暖房(弱)モードでは消費電力が約1,100Wのため、「1,100÷1,000×1時間×31円=約34.1円」となります。
同様に、暖房(強)モードの場合は消費電力が約1,250Wのため、「1,250÷1,000×1時間×31円=約38.8円」が目安です。1日30分の使用ならば、それぞれ約17円・約19円の電気代がかかると計算できます。
※出典: よくある質問 Q&A 「カタログなどに載っている電気代はどのようにして算出するのですか?」|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
浴室暖房を導入するメリット
浴室暖房は電気代がかかる一方で、冬場の生活を快適かつ安全にできる多くのメリットがあります。寒さ対策だけでなく、健康面や家事の効率化にもつながる点は見逃せません。浴室暖房を導入することで得られる、代表的なメリットについてみていきましょう。
冬場の入浴時の寒さを軽減できる
冬の浴室は気温が低く、入浴時に強い寒さを感じやすい空間です。浴室暖房を使用することで、入浴前に浴室内を暖めておけるため、裸になった瞬間の冷えを抑えられます。特に冷え性の人や高齢者にとっては、身体への負担を軽減できる点が大きなメリットです。
また、浴室が暖かいことで湯冷めしにくくなり、入浴後も快適に過ごしやすくなります。寒さを我慢しながら入浴する必要がなくなるため、冬場でも入浴のハードルが下がり、生活の質の向上にもつながります。
ヒートショック対策として役立つ
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかる現象です。特に冬場の脱衣所や浴室は温度が低く、発生リスクが高まります。
そこで浴室暖房を使用すれば、浴室内の温度をあらかじめ上げておけるため、温度差の緩和が可能です。入浴時の身体への急な負担を軽減でき、事故の防止につながります。
政府によると、入浴中の事故は年間数千人にも上るとされており、その多くがヒートショックに関連しているようです。ご家族の健康を守るという観点からも、浴室暖房の導入は大きな意義があります。
※出典: 交通事故死の約3倍?!冬の入浴中の事故に要注意! | 政府広報オンライン
空いた時間に衣類を乾燥できる
浴室暖房機能を備えた機種の多くには、浴室乾燥機能も搭載されています。同機能を活用すれば、天候に左右されずに洗濯物を乾かすことが可能です。特に雨や雪が多い時期や、花粉・黄砂の影響が気になる季節には重宝するでしょう。
また夜間や外出中など、空いた時間に乾燥を行えるため、家事の効率化にもつながります。浴室暖房を導入することで、単なる寒さ対策にとどまらず、日常生活の利便性を高められる点も大きなメリットです。
浴室暖房を導入する際の注意点
浴室暖房には多くのメリットがある一方で、導入前に理解しておくべき点もあります。特に、コスト面や設置条件を把握せずに導入すると、後悔につながることもあるので注意しましょう。浴室暖房を検討する際、押さえておきたいポイントを解説します。
ランニングコストが高くなりやすい
浴室暖房は消費電力が大きいため、使用頻度が高いとランニングコストが上昇しやすい設備です。特に冬場に毎日長時間使用すると、想定以上に電気代がかかる可能性があります。
導入前には年間を通した使用イメージを持ち、必要なシーンだけで使う意識が大切です。快適性を優先しつつも、無駄な運転を避けるようにしましょう。暖房と乾燥のモードを誤って使用する方も多いので注意が必要です。
後付けすることも可能
浴室暖房は新築時だけでなく、後付けでの設置も可能です。ただし、既存の浴室の構造や電気容量によっては、工事内容が複雑になるケースがあります。特に電源工事が必要な場合は、追加費用が発生することも少なくありません。
また、天井のスペースや換気設備との兼ね合いによって、設置できる機種が限られる場合もあります。後付けを検討する際は、事前に専門業者に相談し、設置の可否や費用・工期などを十分に確認することが大切です。
浴室暖房にかかる電気代を抑えるには?
浴室暖房は使い方を工夫することで、電気代を抑えながら快適性を維持できます。無理に使用を控えるのではなく、効率よく活用することが節電のポイントです。日常生活に取り入れやすい具体的な節電方法を紹介します。
使用時間を必要最小限に抑える
浴室暖房の電気代を抑える上で最も効果的なのが、使用時間の見直しです。入浴前に短時間だけ運転し、浴室が暖まったら停止する使い方を意識することで、無駄な電力消費を防げます。長時間つけっぱなしにするよりも、必要なタイミングに絞って使う方が効率的です。
また、家族の入浴時間をある程度まとめることで、暖房の使用回数を減らすことも可能です。少しの工夫で月々の電気代に差が出るので、できるところから節電を始めましょう。
浴室の断熱・保温対策を行う
浴室自体の断熱性を高めることも、浴室暖房の効率向上につながります。断熱性が低いと暖めた空気が外へ逃げやすく、結果的に長時間の運転が必要になります。浴室用の断熱シートや保温性の高い浴槽フタを活用することで、暖かさを保つようにしましょう。
また浴室ドアや窓のすき間から冷気が入り込むと暖房効率が下がるため、簡易的なすき間対策をするだけでも、体感温度の低下を防げます。こうした対策を併用すれば、浴室暖房の運転時間を短縮でき、電気代の節約に寄与します。
換気し過ぎないように注意する
浴室暖房と同時に換気機能を使用すると、暖かい空気が外へ排出されやすくなります。その結果、浴室が暖まりにくくなり、余計な電力を消費する原因となります。暖房使用中は必要以上に換気を行わないことが大切です。
また、入浴後の湿気対策として換気を行う場合も、暖房運転が終わってから切り替えることで、効率よく浴室を利用できます。機能ごとの役割を理解して使い分けることで、快適性を損なわずに電気代の無駄を抑えられます。
入浴前にシャワーなどで浴室を暖める
浴室暖房の補助として、入浴前にシャワーのお湯を使って浴室内を暖める方法も効果的です。床や壁にお湯をかけることで、浴室全体の冷えを和らげられます。これにより、浴室暖房の運転時間を短縮できる可能性があります。
特に気温が低い日は、最初に冷えやすい床面を中心にお湯をかけることで、足元の冷たさを感じにくくなるでしょう。あまり長時間シャワーを出し続けると水道代がかかってしまうため、2分から3分程度を目安に行うのがおすすめです。
電気料金プランや電力会社の変更も節電に有効
浴室暖房の電気代は使い方の工夫だけでなく、契約している電気料金プランや電力会社を見直すことでも抑えられます。料金単価が低いプランを選ぶことで、同じ使用時間でも負担を軽減できる可能性があるので、この機会に検討してみましょう。
電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみませんか。
Looopでんきの「スマートタイムONE」は、電気料金が市場価格に合わせて30分ごとに変動する仕組みのプランです。 電気を多く使う家族世帯でも、料金が安くなる時間帯に合わせて電化製品を使えば、無理なく電気代を節約できます。さらに、契約期間の縛りがなく、解約手数料もかからないため、安心して気軽に利用を始められる点が魅力です。
また、専用アプリを使えば、30分ごとの電気使用状況が確認でき、月末の電気代も予測可能です。リアルタイムで使用量を把握できるため、電気代が思ったより高くなるといった心配も減り、家計に合わせた電気の使い方を管理できます。
実際にLooopでんきを利用しているお客さまの声をご紹介します。
「知り合いの勧めがあり、半信半疑で加入しましたが、大手とは異なる細やかさがあり満足しています。また料金も満足しています。」
「いつも毎日の電気予報を見ながら、炊飯器の使用や掃除機、洗濯機を動かしています。そのおかげで、随分節約できています。」
まずは、Looopでんきの「スマートタイムONE」で、今の生活に合った電気代の見直しをしてみませんか。