生活する上でかかせないのがライフライン。それを維持するために、水道光熱費は毎月必ず払わなければいけません。しかし毎月の支出だからこそ、なるべく節約したいところですよね。
水道光熱費の節約に取り組む際におすすめなのが、水道です。水道料金の節約だけでなく、限りある水資源の保全や環境保護の点からも、節水は役立ちます。
この記事では、節水がもたらすさまざまなメリットや具体的な方法について解説します。
節水は社会貢献につながる
節水は水道料金の節約だけでなく、社会貢献にもつながります。
まずは日本における水問題をはじめ、近年よく見聞きするようになった「SDGs」の説明も交えて、節水がどのように役立つのか解説します。
節水は個人でできるSDGsの取り組み
近年環境問題で目にするようになった「SDGs」。「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」と名付けられたこの指針は、17の目標と169の目標達成基準を掲げ、現代の国際社会が抱える問題の解消や、人と地球環境双方にやさしい社会の実現を目指しています。2015年の国連総会で採択されました。
SDGsが掲げる17つの目標は、貧困や飢餓の解消、すべての方が健康と福祉、質の高い教育を与えられる社会、性差や民族による差別の撲滅、気候変動をはじめとする地球環境の保全など多岐にわたっていますが、そのうちの6つ目の目標が「安全な水とトイレを世界中に」という水問題に関するものです(※)。
この目標6の「安全な水とトイレを世界中に」のポイントは、すべての方が安全な水と衛生的な環境を使えるようにすること、限りある水資源を将来にわたって使うための取り組みを進めることにあります。
日本に住んでいるとなかなか実感できないことですが、世界では約42億人が衛生的で安全なトイレを利用できず、約22億人が清潔な飲み水を得られない状況にあります。汚水や不衛生なトイレが原因で病気にかかり、死亡してしまう子どもも少なくありません。
こうした問題に対処するために、SDGsの目標6では「2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する」「2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排せつをなくす。女性および女児、並びに脆弱(ぜいじゃく)な立場にある人々のニーズに特に注意を払う」(※)など8つの具体的な達成基準が設定されています。
節水は個人で取り組めるSDGsでもあります。この機会に身近なところから始めてみましょう。
無視できない日本の「水問題」
世界では安全な飲み水の確保が大きな課題となっていますが、これは豊かな水資源に恵まれているとされる日本でも無視できない問題です。
国土交通省の報告によると、1965年から2000年にかけて1人が1日に使用する水の量は、約2倍に増加。また、1人あたりの使用量の増加に加え、給水人口や経済活動の拡大により同期間における生活用水の使用量は約3倍に増加しています。
日本で実際に使われている水の量は809 億㎥。年間利用総水量の88%を占める水資源は河川ですが、その水量は1年を通じて変動が大きいため、ダムなどの水資源開発施設によって安定的な水利用を実現しています。しかし、そのダムでも近年渇水が頻発している状況です。
ダムの渇水の原因の1つに、気候変動による降雨量の減少があります。日本における地上気温の年平均はこの100年間でおよそ1℃上昇。近年では温暖化が原因とみられる異常少雨・異常多雨による降水量の幅が大きくなりつつあるだけでなく、降水日そのものが減少傾向にあり、一部地域では今後さらに降雨量・降雪量が減ると予測されています。
また、温暖化は水の蒸発量の増加を招くだけでなく、水温上昇の原因となり水質にも悪影響を与えます。
このようなことから、日本でも安全で安定した水の供給に注目が集まっているのです。
節水はCO₂削減につながる
節水は、水資源の保全だけでなくCO₂削減にもつながります。なぜなら、浄水場や水を各ご家庭に供給するためのポンプ、下水処理場など、水に関する施設では電力が使われているからです。
発電で発生するCO₂削減のためにさまざまな取り組みが行われているものの、日本で最も電気の供給割合が高い火力発電では、まだまだCO₂排出量が多いのが現状です。TOTOによると1000Lの節水が0.98kWhの節電、0.54kgのCO₂削減につながります(※1)。また、一般社団法人日本レストルーム工業会によると、洗浄水量が13Lの便器から6Lの節水型便器に交換することで、年間約24.4kgのCO₂が削減される計算です(※2)。
家庭内で1番水を使うシーンは?
実際に節水に取り組むとき知っておきたいのが、ご家庭内で1番水を使うシーンがいつなのかということです。
東京都水道局の「平成27年度一般家庭水使用目的別実態調査」(※1)によると、1番水を使うのは使用量の40%を占めるお風呂。次いで、21%を占めるトイレとなっています。
お風呂の使用量は約180L。1回あたり約43.2円の水道料金がかかる計算となります(※2)。5分間のシャワーでは約14.4円、6Lの水を使うトイレでは約1.44円。洗濯は1回あたり約10Lと、トイレよりも多い使用量ですが、頻度はトイレの方が高いため、結果として1日あたりの使用水量が多くなります。
シーン別の節水テクニック
ここからはシーン別に具体的な節水方法をご紹介していきます。お風呂や洗濯機、トイレなど取り組みやすい場所から試してみてください。
お風呂
まずは、ご家庭の中でも1番水道使用量が多いお風呂から節水テクニックを見ていきましょう。
残り湯の徹底利用
お風呂を使ったあとの残り湯は、洗濯や掃除、洗車、花壇の水やりなどに再利用できます。
残り湯がまだ温かいうちに洗濯に使えば、衣服の皮脂汚れが落としやすくなります。反対に花壇の水やりに再利用する場合は、植物が傷まないよう、常温に冷ましてから使いましょう。
車やバイクの洗車にもたくさんの水を使うので、お風呂の残り湯を活用すれば大幅な節水につながります。
シャワーはこまめに止める
シャワーを出しっぱなしにせずこまめに止めるのも効果的です。さらにシャワーでの節水を行うなら、同じ水量で水圧を高める「節水型シャワーヘッド」や、お湯のだし止めが手元で簡単にできる「手元止水機構」に該当する水栓の使用も検討してみましょう。
お風呂は適温適量に
家族の入浴時間をなるべくそろえて、お湯を沸かしなおしたり、足し湯をしたりしないように心がけるのも1つの方法です。
洗濯
1回でまとまった水量を使う洗濯についても見てみましょう。
まとめ洗い
まず、洗濯はまとめ洗いを心がけ洗濯機を使う回数そのものをおさえることが効果的です。すぐに洗いたい洗濯物が出たけれど、まとめ洗いをするほどたまっていないという場合には、手洗いをして脱水のみ洗濯機で行うのもおすすめ。
また、汚れがそこまで気にならない洗濯物なら、すすぎの回数が少なく早く洗い上がる「時短コース」なども活用してみましょう。
節水型全自動洗濯機
洗濯機を買い替えようと思っているのなら、節水型の全自動洗濯機がおすすめです。一般的に縦型洗濯機よりドラム式の方が節水ができることで知られていましたが、近年では縦型も節水性能に優れた製品が販売されています。
トイレ
1回の水道使用量は洗濯機より少ないものの、1日の使用頻度が高いトイレの節水方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
大小レバーの使い分け
ほとんどのトイレには、水量の違う大小レバーが付いています。このレバーをきちんと使い分けることがまず大切です。
1回あたりの水量は大のレバーなら6~8L、小のレバーなら4~6L。2Lほどの差ですが、毎回の心がけで大きな節水効果を上げることができます。
節水型トイレ
新築住宅に節水型トイレを導入したり、今使っているトイレを思い切ってリフォームしたりするのも1つの方法です。節水型のトイレなら水道料金が節約できるだけでなく、お住まいの地域によっては補助金の対象になることもあります。
例えば東京都足立区は先述のSDGsを支援しており、令和4年1月31日までの事前申請で、節水型トイレの設置に際し補助金を受け取ることができます。
費用が気になる方は、こうした助成制度も活用してみましょう。
洗面所
1回の使用水量が比較的少ない洗面所で、こまめに節水を心がけることで、月単位・年単位での大きな節約が期待できます。
こまめに蛇口を閉める
歯磨き、手洗い、洗顔などで洗面所を使う際、水を出しっぱなしにして使っていませんか。節水に取り組むなら、使うタイミングだけ蛇口を開け、その他は閉めておきましょう。
また、洗顔の際は洗面器や洗面台の水栓を使って水をため、歯磨きの際はコップに水をくんでおくことで、より水を節約することができます。
節水コマ、節水アジャスター
節水コマとは、蛇口の内部の「弁座パッキン固定用ナット」という部分を特殊な形状に変えたものです。取り付けることによって、ハンドルを開けても水の量が制限されるようになります。
また、節水アジャスターとは、蛇口の排水口に取り付けて水量を調節するものです。
洗面所での節水に取り組む際には、こうしたアイテムも活用してみましょう。
キッチン
洗面所に続き、蛇口を使うキッチンについても節水方法を見てみましょう。
食品・野菜・食器のため洗い
まず、食器や野菜を洗う際は水を出しっぱなしにしたまま洗うのではなく、洗いおけなどに水をためておく「ため洗い」を実践しましょう。これだけでも使う水量をかなりカットすることができます。
また、洗剤をつけすぎてしまうと、その分すすぎに余計な水を使うことになります。食器洗いの際、洗剤は必要な分だけを使うよう心がけましょう。
食器の汚れはふきとって
油汚れのひどいフライパンや食器をそのまま洗剤と水で洗おうとすると、普段よりも多く水を使うことに。さらに、油を含んだ生活排水は河川や海洋汚染の原因にもなることもあります。
調理器具や食器の汚れは古布や新聞紙などでなるべくふきとってから洗い、また、揚げ物をしたあとの油も排水溝に流さず、油処理剤や古布を利用して燃えるゴミとして捨てましょう。
洗車
洗車の際、蛇口から直接つないだ水ホースを使うと大量の水が必要ですが、ここでお風呂の残り湯を利用したり、バケツに水をくみおいたりして洗車に使うと大幅な節水が可能です。
また、冷たい水ではなくぬるま湯の状態で使うことで汚れが落ちやすくなります。お風呂の残り湯を使ったときは、最後は水道水できれいに洗い流しましょう。
シーン別 節水テクニック | |
---|---|
お風呂 | 残り湯の徹底利用 |
シャワーはこまめに止める | |
お風呂は適温適量に | |
洗濯 | まとめ洗い |
節水型全自動洗濯機 | |
トイレ | 大小レバーの使い分け |
節水型トイレの設置 | |
洗面所 | こまめに蛇口を閉める |
節水コマ、節水アジャスターの使用 | |
キッチン | 食品・野菜・食器のため洗い |
食器の汚れはふきとる | |
洗車 | バケツに水をくみおく |
お風呂の残り湯を使う |
水道代とともに電気料金も節約しよう
この記事では、節水のさまざまなメリットやシーン別の節水方法について詳しく解説しました。水道料金の節約だけでなくSDGsの観点からも、節水は意義のあることです。
また節水とともに節電にも取り組んでみましょう。省エネ電化製品を使ったり節電のコツをおさえて生活することで、電気料金が安くなるだけでなく環境保全にも貢献することができます。
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