生活費の節約はどこから着手する？失敗しにくい節約術を厳選して紹介

生活費が高いと感じるご家庭は、節約で無駄な支出を減らす必要があります。しかし、計画性のない節約は長続きせず、リバウンドによって出費が増えることも珍しくありません。効果の高い節約をするためには、何から始めればよいのでしょうか？

生活費がギリギリになるご家庭の多くは、どんぶり勘定で「いつ・どこで・何に・いくら使っているか」を把握できていません。家計簿をつけて、1カ月の収支を見える化するところからスタートしましょう。
家計簿をつける方法としては、手書きや表計算ソフト、家計簿アプリがあります。銀行口座との連携が可能な家計簿アプリなら、入出金が自動的に記録されるので手間が省けます。
家計簿をつけるのが面倒な方は、レシートやクレジットカードの明細を定期的に見直すだけでも構いません。1カ月続けると、お金の流れや支出の癖がわかるようになるでしょう。

「節約をしているのにあまり効果が感じられない」という方は、効果の低い節約ばかりをやっている可能性があります。
生活費を「固定費」と「変動費」に分けた上で、どこから着手するのが最も効果的なのかを考えてみましょう。優先順位を付けて取り組むことで、節約のストレスも減らせます。
固定費とは、毎年または毎月必ず発生し、かつ金額がほぼ一定している費用です。代表的なものには、住居費・保険料・通信費・水道光熱費・教育費などがあります。
変動費は、毎月の支出額に変動がある費用です。主に、食費や交際費、医療費などが挙げられるでしょう。
固定費は削減効果が高い上、一度見直すとその効果が長く続くのがメリットです。食費や交際費を削減した場合、生活スタイルが大きく変わったり、ストレスが溜まったりすることがあるため、変動費よりも固定費の節約を優先させましょう。
⇒家計簿の項目についてもっと詳しく知りたい方はこちら

節約は目的ではなくて手段です。節約生活がスタートすると、何のために節約しているのかがわからなくなる方は少なくありません。

「マイホームを購入する」「家族で海外旅行に行く」「安定した老後のために十分な貯蓄をする」など、節約する目的を明確にしましょう。
例えば、「子どもの留学のために5年間で2,000,000円を用意する」とした場合、1年間では400,000円、1カ月では約33,000円の貯蓄をする必要があります。目標金額や達成時期が具体的であるほど、モチベーションを保てます。

節約は、固定費から着手するのが基本です。固定費の中でも、誰でも比較的簡単に取り組めるものをピックアップして紹介します。

定額制（サブスクリプション）サービスは、毎月一定の料金を支払い、商品・サービスを利用する仕組みです。以下のようなサービスに加入している方は多いのではないでしょうか？

• 音楽や動画の配信サービス
• 読み放題の電子書籍
• 新聞や雑誌の定期購読
• 服飾品や電化製品のレンタル
• 月会費制のフィットネスジム

定額制サービスは加入のハードルが低いため、必要でないサービスにまで手を出してしまう方もいます。
1つ1つの金額はそれほど高額ではありませんが、数が増えると家計を圧迫します。内容を見直し、なくても困らないサービスは解約しましょう。

通信費は、通信会社やプランによって料金が大きく変わります。大手キャリアは料金が割高なので、格安SIMへの乗り換えを検討しましょう。プランにもよりますが、月々の携帯電話料金を現在の半額程度に抑えられる可能性があります。
「大手キャリア以外は、通信速度が心配」という方は、大手キャリアのサブブランドがおすすめです。通信速度は大手キャリア並みに速く、通話品質も良好です。
スマートフォンの乗り換えやデータ移行が面倒な場合は、プランの変更とオプションの見直しを行いましょう。データ容量が少ないプランに切り替えたり、不要なオプションを解約したりするだけで、月に数百円程度の節約が可能です。

契約アンペア数とは、ご家庭で一度に使える電気の量です。電気料金のプランがアンペア制の場合、基本料金は契約アンペア数に比例して高くなるのが一般的です。
電気の無駄遣いを減らすと同時に、ご家庭で必要なアンペア数をしっかりと見極めれば、契約アンペア数を1～2段階下げられます。月々の電気代も数百円ほど安くなるでしょう。
ただし、契約アンペア数の変更は年に1回が原則です。季節ごとの変更は受け付けてもらえないため、電力使用量が最も多い季節に合わせて契約アンペア数を決定する必要があります。
Looopでんきの「スマートタイムONE」のように、基本料金がかからないプランに切り替えるのもよいでしょう。
⇒Looopでんきの特長をチェック

家賃・保険料・電気代は、月々の支払いの中でも比較的大きな割合を占めています。削減効果が高いため、ご家庭で話し合って、見直しを検討してみてはいかがでしょうか？節約する上でのポイントと注意点を解説します。

賃貸住宅に住んでいる方は、今よりも家賃が安い物件への引越しを検討しましょう。一般的に、駅から近い物件や新築物件は家賃が高く、逆に駅から少し離れた物件や築年数が古い物件は家賃が低くなる傾向があります。
今の物件で暮らしたいのであれば、更新時期を見計らって大家と値引き交渉をするのも1つの手です。交渉にあたり、同じ賃貸住宅の入居者募集状況や周囲の家賃相場を調べておくとよいでしょう。
持ち家で住宅ローンを払っている方は、繰り上げ返済をすれば、総返済額を抑えられます。収入と支出のバランスを考えた上で、無理のない返済スケジュールを立てることが重要です。

生命保険に加入している方は、定期的に内容の見直しを行いましょう。必要な保障額は家族構成や年齢などによって変化します。
見直しをしないまま放置すると、本当に必要な保障が受けられなかったり、保険料を無駄に支払ってしまったりという問題を引き起こします。
生命保険や自動車保険は、主契約と特約から構成されているのが一般的です。不要な特約を外すだけで、年間の保険料がグッと安くなります。複数の保険に加入している方は、補償の重複がないかも確認しましょう。
「必要な補償を手放してしまった」と後悔しないように、保険料の見直しは丁寧に行うことをおすすめします。

新電力とは、電力小売全面自由化の後に業界に参入した大手電力以外の小売電気事業者のことです。それぞれ個性豊かなプランを打ち出しており、電力会社を変えるだけで、電気代が下がる可能性があります。
例えば、インターネット回線やガスとの「セット割」があるプランを選べば、生活費を大きく減らせるでしょう。
電力料金単価の一部が市場価格に合わせて変動する「市場連動型」の場合、単価が安い時間に合わせて電気を使用するだけで、月々の電気代を削減できます。
電力会社を選ぶときは、料金の安さや知名度だけでなく、カスタマーサービスの質や解約金の有無、環境への配慮なども考慮しましょう。
⇒電力会社の乗り換えについてもっと詳しく知りたい方はこちら

変動費は、月々の支出額が一定ではないため、節約計画が立てにくいのが難点です。日々の楽しみに直結している項目が多く、節約を頑張りすぎるとストレスが溜まってしまうでしょう。できる範囲で長くゆるく続けるのがポイントです。

食費がかさむご家庭は、外食費が高い傾向があります。1回の外食費を1人2,000円とすれば、3人家族では6,000円です。週に1回外食すると、1カ月では24,000円にも上ります。
事前に外食する回数を決め、それ以外は自炊を心掛けましょう。時間がない日や疲れた日は、総菜や冷凍食品などをうまく活用します。
安売りの広告や割引クーポンが出るたびにスーパーに通う方がいますが、買い物の回数が増えれば増えるほど余計なものを購入しやすくなります。1週間の献立と買い物リストを作成し、まとめ買いをするのが望ましいでしょう。
近年は、フードロスが社会的な問題になっています。無駄な食費を増やさないためにも、「食べ切る」「使い切る」「買いすぎない」を心掛けることが大事です。

娯楽やレジャーは、あらかじめ予算とスケジュールを決めましょう。早めに旅行の計画を立てれば、宿泊予約サイトの「早割」でお得に宿泊ができます。
子どもがいるご家庭は、無料の施設を活用すると家計への負担を減らせます。海や山、アスレチックがある公園なら、無料で何時間でも遊べるでしょう。読み聞かせなどのイベントを行う図書館や児童館に足を運んでみるのもおすすめです。
近年は、製造工程を間近で見られる工場見学が人気です。料金がかかる場合がありますが、それほど高い金額ではありません。工場によっては、手作り体験や試食などもでき、家族みんなで楽しめます。

服や小物を買うときは、フリーマーケットやフリマアプリ、アウトレットをうまく活用しましょう。フリマというと中古のイメージがありますが、使用感が少ないものや未使用品が買えることもあります。
特に、子ども服はすぐにサイズアウトするため、必ずしもお店で新品を買う必要はありません。着られなくなった子ども服は、フリマアプリなどで販売してもよいでしょう。
フリーマーケットやアウトレットの魅力は、欲しい物をリーズナブルに手に入れられる点ですが、くれぐれも買いすぎには注意が必要です。値段が安いと、いらない物まで買ってしまい、節約どころか浪費癖がついてしまう方もいます。

生活費を抑えて貯蓄を増やすには、日々の節約が欠かせません。しかし、節約には「やってよい節約」と「やってはいけない節約」があり、後者はマイナスの結果をもたらします。

節約の本質は、無駄を削ることです。生活費を削ることに重きを置けば、我慢するだけの毎日になってしまうでしょう。
例えば、食費を極端に節約すると、空腹でやる気が出なかったり、栄養バランスが偏ったりして、健康問題を引き起こす恐れがあります。嗜好品を諦めれば、日々の楽しみがなくなってストレスが溜まります。
自分や家族に我慢させる節約は、長続きしません。使うところと締めるところのバランスを考えながら、無理のない範囲で行いましょう。

安さを最優先する節約は、「安物買いの銭失い」になりやすい点に注意しましょう。安さに釣られて2枚1,000円のシャツを買ったところ、1回の洗濯ですぐにへたってしまったという話はよくあるものです。
また、「コスパの良い方を選んだら口に合わなかった」「半額食材が賞味期限までに消化しきれなかった」という声もよく聞かれます。
必ずしも高いものが良いとは限りませんが、長く使う予定のものや直接口にするものは、安さよりも質を重視した方が結果的に節約につながります。何にお金をかけるべきかをしっかりと見極めましょう。

生活費の節約は、固定費から着手するのが基本です。家賃や通信費、電気代を見直せば、年間にして数万円の節約が可能となります。生活の質を大きく下げる必要もないため、節約が苦手な方でも取り組みやすいでしょう。
変動費の節約は、無理のない範囲で取り組む必要があります。食事やレジャー、趣味といった自分にとっての楽しみを我慢しすぎるのはあまり良くありません。
すべての生活費を極限まで切り詰めるのではなく、「節約するところ」と「あえてお金をかけるところ」のメリハリを意識しましょう。