好きな人とずっと一緒にいられるのは、とてもうれしいことです。しかし、実際に同棲を始めようとすると、生活費の問題は避けて通れません。実際、同棲を始めたのはいいが、生活費をめぐって金銭トラブルになったという例もあります。
この記事では、データにもとづいた同棲カップルの1カ月生活費やその内訳をふまえ、上手な節約方法を解説します。
同棲で2人暮らしをすると経済的メリットはある?
一般的には、1人暮らし(単身世帯)よりカップルが同棲して2人暮らしをした方が支出を抑えることができ、経済的にはメリットがあるでしょう。総務省が毎年統計をとっている家計調査(家計収支編)の数字から客観的に見てみましょう。
1人暮らし世帯と2人世帯の生活費を比べてみると下表のようになります。2020年の単身世帯(1人暮らしの勤労世帯)の消費支出合計は、1カ月あたり150,506円となっています。
単身勤労世帯の1カ月の消費支出表 | |
---|---|
食料 | 41,373円 |
住居 | 20,950円 |
光熱・水道 | 11,687円 |
家具・家事用品 | 5,393円 |
被服および履物 | 4,910円 |
保健医療 | 7,129円 |
交通・通信 | 18,310円 |
教育 | 2円 |
教養娯楽 | 15,867円 |
その他の消費支出 | 24,888円 |
消費支出合計 | 150,506円 |
これに対して、2人世帯の消費支出合計は下表のように277,926円です。この2人世帯には、お年寄りの夫婦、親子の2人暮らしなども入っているので、同棲カップルそのものとは言えませんが、2人で暮らすと生活費は単身世帯の単純な倍ではなく、1.8倍ほどに抑えられていることがわかります。
ここから、2人で暮らすことは1人あたりの生活費が節約でき、経済的なメリットがあるということがわかります。
2人世帯の1カ月の消費支出表 | |
---|---|
食料 | 80,198円 |
住居 | 17,374円 |
光熱・水道 | 21,836円 |
家具・家事用品 | 12,708円 |
被服および履物 | 9,175円 |
保健医療 | 14,296円 |
交通・通信 | 39,972円 |
教育 | 10,293円 |
教養娯楽 | 24,987円 |
その他の消費支出 | 47,088円 |
消費支出合計 | 277,926円 |
同棲カップルの生活費の内訳
次に、2人世帯の消費支出(生活費)の内訳を詳しく見てみましょう。
家計調査から見る2人世帯の生活費内訳
下の表は、上の表の2人暮らしの消費支出を1人あたりに換算したものと、1人暮らしの消費支出を並べて比較したものです。
2人世帯の1人あたり生活費と1人暮らしの生活費の比較 | |||
---|---|---|---|
項目 | 2人世帯の1人あたり生活費(a) | 1人暮らしの生活費(b) | (a)-(b) |
食料 | 40,099 円 | 41,373円 | -1,274円 |
住居 | 8,687円 | 20,950円 | -12,263円 |
光熱・水道 | 10,918円 | 11,687円 | -769円 |
家具・家事用品 | 6,354円 | 5,393円 | 961円 |
被服および履物 | 4,587円 | 4,910円 | -323円 |
保健医療 | 7,148円 | 7,129円 | 19円 |
交通・通信 | 19,986円 | 18,310円 | 1,676円 |
教育 | 5,146円 | 2円 | 6,820円 |
教養娯楽 | 12,493円 | 15,867円 | -3,374円 |
その他の消費支出 | 23,544円 | 24,888円 | -1,344円 |
消費支出合計 | 138,963円 | 150,506円 | -11,543円 |
この表の右端の(a)-(b)の欄を見てみると、2人暮らしの場合の1人あたりの食料費、住居費、光熱・水道費、被服および履物、教養娯楽費、その他の消費支出費がマイナスの表示となり、1人暮らしの支出よりも少なくなっていることがわかります。
食料費はどちらも大きな割合を占めていますが、2人暮らしの1人あたりの食料費は1人暮らしの場合よりも少なくなっています。食事は2人分を一緒に作る方が経済的です。水道光熱費も経済的メリットが出やすくなります。お風呂も浴槽に一度お湯を入れて、2人が交代で入れば経済的です。
ちなみに表中の「その他消費支出」には理美容サービス、理美容用品、身の回り用品、たばこ、交際費などが含まれています。
住居費を補正する
家計調査(家計収支編)の指標では、2人世帯の世帯主の平均年齢が59.7歳となっていて、住居費は同棲カップルの場合の実態に合っていない可能性があるので、補正が必要になります。また家計調査の住居費には寮、社宅、実家暮らしも含まれているので、賃貸住宅の家賃相場よりも低くなる傾向があります。
通常は同棲カップルの場合の生活費では、住居費が最も高額になります。賃貸住宅を利用することが多いと思われるので、家計調査の住居費を賃貸住宅の平均家賃(+共益費)に置き換えると実態に近くなると思われます。
全国賃貸管理ビジネス協会における全国平均家賃の2021年7月調査によると、間取りが1部屋の物件では50,649円、2部屋では57,822円、3部屋なら65,928円となっています。
1部屋ずつを借りていたカップルが同棲して間取り2部屋の物件を借りると、50,649円×2-57,822円=43,476円も安くなることになります。3部屋の物件を借りても35,370円節約できます。
同棲でトラブルにならない生活費の折半・分担ルール
楽しいはずの同棲生活ですが、生活費の分担をあいまいなままで生活をスタートさせると、あとで金銭的トラブルが起きて一気に険悪になってしまうことがあります。そんなトラブルが起きないように、最初にしっかりと話し合い、生活費の折半や分担のルールを設けることが重要になります。
1.完全な折半にする
カップルの間で収入に差があまりない場合は、支出はすべて完全な折半にするケースが多いようです。お互いが同じ金額を支払うので、相手に気を使うこともなく、ストレスのない生活ができます。
毎月の生活費を折半するだけなので、家計の計算がスムーズです。お互いの収入を知らない場合でも、経費の半分を負担するだけで済みます。
ただしこの場合、家計簿のようなものをどちらかが作成しないと、その月の生活費がわからなくなります。簡易なものでも作成しておくと、のちのちのトラブルを防ぐことができるでしょう。
2.収入による差で割合を決める
カップルの収入に差がある場合、収入の多い方が1~2割ほど多めに負担すると、負担が偏らず、不満が出にくくなります。例えば収入差が6:4であれば、収入に応じて生活費も6:4で分担して支出します。
収入に差がある場合、5:5の折半にするのはおすすめできません。収入が少ない方の負担が大きくなってしまい、不満を持つようになりがちです。
支出の項目で分ける方法もあります。前の6:4で分担して支出するケースで言うと、家賃・水道光熱費・通信費が支出のだいたい6割になるとして、一方がそれらの支出項目が負担し、残りの支出項目を他方が支払うというルールにします。
この方法では、片方に極端な負担がかからないようにすることが大切です。
3.どちらかが全額負担する
収入にかなり差がある場合や片働きの場合、収入の多い方が生活費を全額支払うという方法もあります。「何割負担する?」とか「どの項目を出してくれる?」など、毎回の支払いときに話し合わなくて済み、管理が簡単になるというメリットがあります。
この方式だと、片方がすべての生活費を負担するので、片方は家事をすべて担当するなどの事前の話し合いが大事です。
また生活費を支払っている側が多くお金を使って、トラブルになることもあります。そんなトラブルを防ぐには、前もって予算を決めておくことや、予定外の出費がある場合、あらかじめ相談するというルールを決めておくことが必要です。
4.共通の銀行口座を作って管理
どちらかが全額負担する方式以外は、家計用の共通の銀行口座、つまり共通の財布を作っておいて、給料日には必ずその口座にいくら入金するというように取り決めをしておくと、管理しやすくなります。クレジットカード払いなどの引き落とし可能なものをその口座から引き落とすようにするとわかりやすいでしょう。
この場合も片方が管理していると、相手の側がお金の支出が不透明のように見えて不満を持つことがあります。そのため2人が口座からの支出がわかるような工夫が必要です。
また、銀行口座は個人名義になるので、もしも同棲を解消することになった場合は、きちんと話し合いをして残高を整理するなど、トラブルにならないようにする必要があります。
同棲生活で生活費を節約する方法
1人暮らしよりも生活費が節約できると思って始めた同棲生活も、家計の管理がルーズだと、何にお金を使い過ぎているかがわからず、思ったほど生活が楽にならないということもあります。そんなことにならないように、同棲生活でできる生活費の節約方法をご紹介します。
外食を減らし、自炊を増やす
お互いに1人暮らしのときは、外食も多くなりがちです。デート=外食というパターンも多かったことでしょう。総務省家計調査(家計収支編)2020年によれば、2人世帯の外食費の月平均は10,811円となっていて、安くはありません。
せっかく一緒に暮らしているので、なるべく外食を減らして自炊することをおすすめします。自宅で自炊し、一緒に食事をして2人の時間を楽しみながら、同時に節約ができれば、まさに一石二鳥です。
2人世帯の消費支出表に見るように、生活費の中では食料にかかる費用は大きなものがあります。食料を購入する場合、コンビニは便利な半面割高になるので、なるべくスーパーを利用して節約することをおすすめします。
家計簿をつける
何にどれだけ使ったかを把握し、1カ月の生活費を「見える化」するためには家計簿をつけることが有効です。独身の方では家計簿をつける方は少数ですが、同棲開始とともに「結婚生活の練習」だと思ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
最初から大上段に構えて細かく家計簿をつけようとすると、考えただけで面倒くさくなる方もいることでしょう。いきなりレシートから逐一購入品目を記入していては、長続きしません。まず、大まかに支出状況を把握するつもりで気楽に始めるのが良いでしょう。
その際、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済を利用すると、スマホやパソコンから確認できるのでおすすめです。最近はスマホでできる家計簿アプリも利用できます。銀行口座やクレジットカードに連携しておくと、自動で家計簿をつけてくれます。また、2人が家計簿アプリを共有設定すれば、不信感も生まれず家計の「見える化」が実現できるでしょう。
固定費を見直す
家計で節約をするなら、まず固定費の見直しが基本です。固定費は毎月、または毎年払うことが決まっていて、金額がある程度一定のものを言います。代表的なのは住居費、水道光熱費、通信費、保険料などです。
家賃は金額が大きいので、節約の効果も大きくなります。同棲を始める際によく調べて、賃料の安い物件を選ぶことが大事です。アパートの場合、カップルに人気があるのは1LDKですが、家賃を抑えるなら2DKという選択肢もあります。
家賃は一般的に収入の3分の1以下に抑えると、負担感が少なくなります。あらかじめ家賃の上限をいくらにするかなどよく話し合っておきましょう。
水道光熱費では、電気とガスの小売りの全面自由化にともない、電力会社やガス会社などからさまざまな料金プランが提案されています。インターネットでどれほど安くなるかを簡単にシミュレーションできるので、カップルに合ったサービスを選ぶのがおすすめです。
通信費も、携帯電話大手キャリアのプランから格安SIM、格安スマホに乗り換えることによって大きな節約になります。さらに別姓利用可能な家族割や通常よりも安い複数回線割引などによって節約できます。
同棲のタイミングで電気料金も見直そう
ここまでカップルが同棲生活をすると生活費がどれぐらいになるかについて説明するとともに、生活費の節約方法をご紹介してきました。中でも水道光熱費は必ずかかるものなので、できるだけ節約したいものです。
電気料金を見直しするなら、新電力会社が提供する料金プランへの切り替えがおすすめです。新電力とは、2016年4月の「電力の小売全面自由化」以降、新たに参入した小売電気事業者を指します。
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まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。