普段生活するうえで、ご家庭で契約しているアンペア(A)数を意識する人は少ないかもしれません。しかし、生活スタイルに適したアンペア数を契約することは、電気料金を節約する上でも重要です。
一般家庭用のアンペア数の選択肢としては10~60Aまで幅広くありますが、小さすぎるとブレーカーが落ちやすくなり、大きすぎると基本料金が高くなるなどの問題があります。そのため電化製品の数や使用頻度、世帯人数などに応じて最適なアンペア数を契約することが大切です。
この記事ではご家庭の契約アンペア数について、またアンペア数を変更するための具体的な方法と電気料金を節約する方法を解説します。
アンペアと電気料金の関係は?
アンペア数は電気料金のうち基本料金に直結する要素です。
電気料金は電力会社によって異なりますが、一般的に「基本料金」と「従量料金」の2つの要素で構成されています。
そして、基本料金は「アンペア制」と「最低料金制」があり、「アンペア制」を採用している電力会社の基本料金は契約しているアンペア数に応じて決まります。たとえば東京電力では30Aの契約で月の基本料金が858円、40Aで1,144円、50Aで1,430円と設定されていますが、まったく電気を使っていなかったとしても、それぞれの金額が基本料金として電気料金に含まれます。
電力の使用量によって加算される「従量料金」は電力を使用した分がそのまま数値に反映するため、毎月の支払い額が変動します。
また、従量料金にはいくつかの段階が設定されています。ある一定の電気量を超えると、電気料金が高くなる仕組みとなっており、多くの場合3段階の料金が用意されています。例えば東京電力の場合は以下の通りです。
単位 | 料金(税込) | ||
---|---|---|---|
電力量料金 | 最初の120kWhまで(第1段階料金) | 1kWh | 19円88銭 |
120kWhをこえ300kWhまで(第2段階料金) | 1kWh | 26円48銭 | |
上記超過(第3段階料金) | 1kWh | 30円57銭 |
多くの方は電気料金の節約といえば従量料金を抑えてコストダウンをしようと考えるのではないでしょうか。
しかし、契約するアンペア数を変更することで、毎月の基本料金を下げられる可能性があるのです。では契約アンペア数を単純に下げれば良いのかと言えば、そうとも限りません。
ご家庭に適切なアンペア数を契約しないとどうなるか、具体的にみていきましょう。
アンペア数が多すぎたり少なすぎたりするとどうなる?
まずはじめに、そもそもアンペアとは何かについてご説明します。
アンペア(A)とは、ボルト(V)、ワット(W)と一緒に使用される電気に関する単位です。アンペアは「電流」、ボルトは「電圧」、ワットは「消費電力」を表しており、消費電力を算出する計算式は以下で定められています。
消費電力(ワット:W)=電流(アンペア:A)×電圧(ボルト:V)
電気料金の支払いは基本的なプランの場合、消費電力つまりワットによって決まるため、アンペアを意識することは少ないかもしれません。
しかし、ライフスタイルに適していないアンペア数を契約していると、さまざまなデメリットが生じます。
まず、契約アンペア数が大きくなるにつれ基本料金が高くなります。
以下は東京電力エナジーパートナーの料金単価です。
アンペア数 | 基本料金(税込) |
---|---|
10A | 286円 |
15A | 429円 |
20A | 572円 |
30A | 858円 |
40A | 1,144円 |
50A | 1,430円 |
60A | 1,716円 |
これを例に挙げると、本来は30Aで足りるところを40Aで契約していると月々286円、年間で3,432円多く、また50Aで契約していると月々572円、年間で6,864円も多く電気料金を支払っていることになります。
反対に契約しているアンペア数が必要量より小さいと、多くの電気を同時に使った場合にブレーカーが落ちてしまいます。
このときに落ちるブレーカーは2種類あり「アンペアブレーカー」か「安全ブレーカー」のいずれかです。
アンペアブレーカーとは分電盤(※)の中にある一番大きな独立したつまみです。アンペアブレーカーは契約したアンペア数を超える電流が流れた場合に落ちるため、すべての部屋の電気供給が一斉にストップします。
安全ブレーカーは分電盤の中にある同じようなつまみで、各部屋と電気回路が繋がっているため、部屋の一部のみ電力供給が止まります。
分電盤の中にはもう一つ「漏電ブレーカー」もありますが、これが落ちた場合はどこかで漏電している可能性があるため、早急に処置する必要があります。
アンペア変更とは
一般家庭用の契約アンペア数の選択肢としては、10A、15A、20A、30A、40A、50A、60Aがあります。東京電力エナジーパートナーの調査によると、一般家庭の契約アンペアの平均は34.88A(※)でした。
一人暮らしであっても10A、15Aの契約では、頻繁にブレーカーが落ちるリスクがあります。そのため、冷暖房はあまり使わず、電子レンジや電子ケトルなどの利用も多くない方は20~30A、電化製品がたくさんあり、使用する電気量も多いと感じる方は40A以上がおすすめです。
アンペア数の契約を変更するには、まず現在の契約アンペア数を確認することから始めましょう。確認方法と変更手順については次の章で詳しく説明します。
アンペア数の選び方
「アンペア数を変更したいけれど、どの大きさにすればよいのかわからない」という方のために、それぞれの家庭に適したアンペア数の選び方を紹介します。
電化製品の電気使用量や世帯数から大まかな数値を導き出せるので、参考にしてみてください。
電化製品の同時使用量
ご家庭に適したアンペア数を算出するためには、家にある電化製品がどれくらいのアンペアを使用するのかを算出する必要があります。アンペア数は先述した「消費電力(ワット:W)=電流(アンペア:A)×電圧(ボルト:V)」の計算式を用いて求めることが可能です。
ここでは一般家庭用の電圧100Vを例に、主要な電化製品のアンペア数を以下に表しています。ドライヤーや洗濯機など、電流が一定でない電化製品はピーク時の消費電力を採用していますが、商品によって最大消費電力は異なるため、あくまで概算値としてご覧ください。
電化製品 | アンペア数(目安) |
---|---|
冷蔵庫(400Lクラス) | 3A |
電子レンジ | 15A |
ドライヤー | 12A |
ドラム洗濯乾燥機(乾燥時) | 13A |
食器洗い洗浄機 | 13A |
掃除機 | 12A |
炊飯器 | 14A |
エアコン(暖房最大時) | 20A |
こたつ | 6A |
テレビ | 3A |
例えば常時起動している冷蔵庫に加え、エアコンやドライヤー、テレビを同時に使うと38A(3+20+12+3)が必要ということになります。
このほか照明器具や換気扇なども併せて使っている場合はさらに多いアンペア数が必要となり、世帯人数や部屋の広さ、季節によっても必要なアンペア数が異なります。
世帯人数
ワンルームマンションで一人もしくは2人住まいなど、電力の使用量が少ないご家庭であれば30Aが目安です。家族が増えて電化製品を多く利用するご家庭なら40A~60Aが目安となるでしょう。
ただし、世帯人数が少なくても、同時に大量の電力を使用する可能性がある場合は、余裕をもったアンペア数の契約をする必要があります。
例えば夕食後に洗濯機(前出の表では3A)や食洗機(13A)を同時に使い、そのうえさらにドライヤー(12A)を長時間使用するような生活スタイルの場合、30Aではブレーカーが落ちるリスクが上がります。世帯人数からアンペア数を考える場合は、それぞれがどのような生活リズムを送っているのかを具体的に思い浮かべながら検討しましょう。
契約アンペア数を確認する方法
契約アンペア数を変更するためには、まず現在のアンペア数を確認する必要があります。
契約しているアンペア数を確認する方法は大きく2つありますが、どちらも簡単にできるのでチェックしてみてください。
ただし、電力会社や電気料金プランによってはアンペア制以外で契約している場合もありますので注意が必要です。
これからご紹介する方法を試しても契約アンペア数が確認できない場合は、一度電力会社に問い合わせてみるとよいでしょう。
アンペアブレーカーで確認する
一つ目は分電盤の中にあるアンペアブレーカーで確認する方法です。アンペアブレーカーは色によって契約アンペア数がわかるようになっています。
ただし、色分けは電力会社によって異なるため、ここではアンペアブレーカーを色分けしている主要な電力会社について紹介します。
アンペアブレーカーの色分けを採用している電力会社は北海道電力、東京電力、中部電力、九州電力などが挙げられます。東北電力と北陸電力は色分け記述がなく、関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力については、アンペア契約をしていないため、アンペアブレーカー自体がありません。
電気ご使用量のお知らせ(検針票)で確認する
二つ目は毎月届く「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」を確認する方法です。検針票には契約中のアンペア数のほか、各種問い合わせ番号も記載されているため、電気について困ったときには一度確認してみると良いでしょう。
アンペア数以外にも使用電気量や料金プランの詳細も載っているので、まとめて見直してみても良いかもしれません。
検針票が手元にない、どこにしまったか忘れてしまったという場合はWebサイトのマイページから確認してみましょう。近年ではペーパーレス化の影響で紙での検針票配布そのものを取り止めている電力会社も増えています。
アンペア数を変更するには電力会社への申し込みが必要ですが、アパートやマンションなどの集合住宅に住んでいる場合は個人の判断だけでは契約変更できない場合があるため、事前に所有者や管理人に確認してみるのがおすすめです。
契約アンペア数を変更する方法
ここからは、アンペア数を変更するための具体的な流れを解説します。
アンペア数の契約を変更するためには「申し込み」「取り替え工事」の二つのステップがあります。どちらも難しくありませんが、電気料金プランや所在地によって違いがあるため、今回は最も一般的な手順と注意点をご紹介します。
アンペア変更の申し込み方法
アンペア変更の申し込みを行う前には、必ず現在のアンペア数を確認しておきましょう。
確認ができたら契約している電力会社に連絡してアンペア変更の手続きを行います。
このときほかの電力会社に切り替えることも可能ですが、電気料金プランと同時にアンペア数の変更ができないケースもあるため、事前に問い合わせをしておくと安心です。
例えば切り替え先の電力会社から「電力の切り替えとアンペア数の変更は同時に対応ができない」と言われた場合、現在契約中の電力会社でアンペア数の変更を申し込み、作業が完了した上で新しい電力会社に切り替える必要があります。
アンペアブレーカーの取り替え工事
電力会社への申し込み後、アンペアブレーカーの取り替え工事が終われば、アンペア数の変更が完了です。
工事費用は一般的に無料の場合が多いですが、配線工事などが発生すると有料になることもあります。アンペアブレーカーは室内にあるため、工事には立ち会いが必須です。
工事の作業は概ね20~30分で完了することが多いですが、これらも会社によって異なるため、あくまで基本的な流れとして覚えておくと良いでしょう。
アンペア数を変更する際の注意点は、アンペア数の契約を変更した場合、1年間はその契約をキャンセルすることができないケースが多い点です。
つまり、「消費電力が少ない秋にアンペア数を減らしたけれど、冬になって消費電力が増えて頻繁にブレーカーが落ちるようになったからアンペア数を戻したい」ということはできない場合があります。アンペア数を変更する際は、年間で最も電力を使う時期を意識して検討しましょう。
基本料金が0円になるプランもおすすめ
電気料金の節約を考える上で、ご家庭に最適なアンペア数を考えることは非常に重要です。アンペア数によって月々の電気料金の基本料金が変わりますが、この基本料金を0円にすることも可能です。
毎月支払う電気料金を安くしたいと考えている方におすすめなのが「Looopでんき」です。
Looopでんきは使用した電力量に応じて支払いをするため、アンペア数に連動した固定費に悩む必要がありません。
Looopでんきは30万件もの契約件数を獲得しており、ファミリー世帯をはじめ店舗や事務所など、契約するアンペア数が高い法人のお客様からも支持されています。ガスやソーラーパネルと組み合わせて契約することで従量料金の割引もあるので、ご家庭の光熱費の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
普段はあまり意識することのないアンペア数ですが、毎月固定の金額が基本料金として発生しているため、各家庭に適した契約にすることが重要です。
電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみませんか。
Looopでんきでは、基本料金・燃料費調整額・解約手数料0円の「スマートタイムONE」を提供しています。
このプランは基本料金が0円のため、ご自宅で使用する電気の量が多い方や、現在のプランで基本料金が高い方に最適です。
また、解約手数料が0円で契約期間の縛りもないため、お試しで数か月間、Looopでんきをご利用いただき、現在の電力会社と比較することも可能です。
Looopでんきをご利用いただいているお客さまの声を紹介します。
(30代 / 女性 / 3人暮らし)
基本料金がかからないので、大きいアンペアで契約していてもお得感がある。
でんき予報などアプリが充実していて、自分の使い方で料金を安くすることも出来る。
(40代 / 男性 / 1人暮らし)
明らかに他社より安くなるし、色々なイベントもあり楽しい。基本料金が無いのも魅力です。
まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。