冬になると欠かせない電化製品といえば、暖房です。エアコンや、こたつ・オイルヒーター・パネルヒーターなどを使用しているご家庭も多いことでしょう。部屋が暖かくなるのはよいことですが、気になるのが電気代です。「冬になると電気代が高くなって困っている」と悩んでいる方も珍しくはありません。暖房器具は消費電力の高いものが多いですが、この記事では、消費電力の大きい電化製品の代表例として、1200Wの暖房器具の電気代について解説します。あわせて節電方法も紹介しますので、冬の電気代が高くて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
暖房器具の種類とその消費電力は?
暖房器具にはたくさんの種類があり、それぞれに特徴があります。暖房器具の特徴や消費電力を知れば、効率よく使うことができるでしょう。また、2種類以上の暖房器具を使う場合も、特徴を知っていたほうがうまく使えます。ここでは、ご家庭でよく使われる暖房器具の特徴や消費電力をそれぞれ解説していきましょう。
エアコン
エアコンは、部屋の空気を取り入れて熱交換器で適温にしてから部屋の中に放出する電化製品です。冷房、暖房の両方で使用でき、設置場所も天井付近なので、場所を取りません。最新機種であれば、10分ほどで部屋を暖めることができます。エアコンは部屋全体を暖めることができるので、広い部屋の暖房に適しています。
一般的なエアコンの、消費電力を見てみましょう。10畳用のエアコンの暖房時の消費電力は、おおよそ670W〜880Wほどです。
※参考にした具体的な商品のスペックは以下で示しています。
10畳用エアコンの暖房時の能力と消費電力
能力(kW) | 消費電力(W) | |
---|---|---|
商品A(※1) | 3.6(0.6〜6.9)(※4) | 670(105〜1980) |
商品B(※2) | 3.6(0.2~4.6) | 880(165~1485) |
商品C(※3) | 3.6(0.7〜4.7) | 860(135~1420) |
ガスファンヒーター
ガスファンヒーターはガスを熱源とした暖房です。点火する際に電気を使いますが、あとはガスの力で部屋を暖めます。ガスファンヒーターの特徴はそのパワーです。点火して数秒すれば温風が出てくるので、広い部屋を効率的に暖めたいときに使うとよいでしょう。ただし、ガスの配管が来ていない場所では使えませんのでご注意ください。
ガスファンヒーターは点火の時にだけ電気を使うので、エアコンと比べると消費電力は大幅に少なく、一般的な消費電力は15〜17Wほどです。
※参考にした具体的な商品のスペックは以下で示しています。
一般的なガスファンヒーターの消費電力
消費電力(W) | |
---|---|
商品A(※1) | 17 |
商品B(※2) | 15 |
商品C(※3) | 15 |
石油ファンヒーター
石油ファンヒーターは、石油を熱源とする暖房です。ガスと違って配管が必要ないので、どこでも移動できるというのがメリットにあげられます。また、ガスに比べてパワーは低いとはいえ、エアコンに比べると短時間で部屋を暖めることができます。ですから、石油ファンヒーターとエアコンを併用して部屋を暖め、温度が上がってきたらエアコンだけに切り替える使い方をしてもよいでしょう。
石油ファンヒーターの一般的な消費電力は、10畳用で62〜129Wほどです。ただし、これは運転時の消費電力なので注意しましょう。点火時は最も消費電力が高くなり、370Wほどまで上がります。
※参考にした具体的な商品のスペックは以下で示しています。
一般的な石油ファンヒーターの消費電力
消費電力(W) | 点火時の消費電力(W) | |
---|---|---|
商品A(※) | 62~129 | 370 |
オイルヒーター
オイルヒーターは、難燃性の油を電気の力で暖める暖房器具です。温風ではなく輻射熱で部屋を暖めるため、空気が乾燥せずに快適に使え環境にも優しいです。その一方で、パワーは弱く部屋が暖まるまで時間がかかり、電気代も高くなりやすいです。使うなら寝室のような狭い空間を安全に暖めたいときに利用するとよいでしょう。脱衣所などにもおすすめです。たとえば、家を留守にしているときに寝室を暖めておきたいという場合は、オイルヒーターを使うと火事の心配が少ないです。また、赤ちゃんや高齢者の部屋用の暖房にもおすすめです。4.5畳程度の部屋を暖めるのが最も適しているでしょう。
オイルヒーターの一般的な消費電力は、弱運転、中運転、強運転で変わりますが、500W〜1200Wです。
※参考にした具体的な商品のスペックは以下で示しています。
一般的なオイルヒーターの消費電力
消費電力(W) | |
---|---|
商品A(※) | 500/700/1200 |
パネルヒーター
パネルヒーターは、オイルヒーターと同様に輻射熱で部屋を暖める暖房器具です。ただし、パネルヒーターの場合はオイルではなく、外側についているパネルを暖めます。オイルを使わない分、パネルヒーターは軽くてコンパクトになっているので、持ち運びも簡単です。電気代もオイルヒーターに比べたら安価となっています。その代わり、オイルヒーターよりもパワーがありません。部屋全体を暖めるというより、足元など限られたところを部分的に暖めるのに適しています。たとえば、エアコンしかない部屋で足元が寒い場合などに、パネルヒーターを設置すると快適です。このほか、トイレや脱衣所など狭い部屋を短時間暖めるのに適しています。補助的な暖房器具がほしいという場合は、選択肢に入れるとよいでしょう。
パネルヒーターの一般的な消費電力は160〜1000Wです。
※参考にした具体的な商品のスペックは以下で示しています。
一般的なパネルヒーターの消費電力
消費電力(W) | |
---|---|
商品A(※1) | 160 |
商品B(※2) | 400/1000 |
商品C(※3) | 500/1000 |
ハロゲンヒーター(電気ストーブ)
ハロゲンヒーターはハロゲンランプを使った電気ストーブの一種です。立ち上がりが早く、短時間で部屋を暖めることができます。電気を使った暖房器具の中では、オイルヒーターやパネルヒーターに比べると省エネ仕様です。ほかの電気を熱源とする暖房器具に比べると消費電力と電気代が少なくて済みます。ハロゲンヒーターは熱が届く範囲が狭いので、エアコンのように広い部屋を暖めることには適していません。その代わり、足などを局所的に暖めることには適しています。こたつの代わりに使ったりエアコンでは温風が届かないところを暖めたりするのがおすすめです。エアコンが部屋を暖めるまでのつなぎに使ってもよいでしょう。
ハロゲンヒーターの一般的な消費電力は300W〜800Wです。
※参考にした具体的な商品のスペックは以下で示しています。
一般的なハロゲンヒーターの消費電力
消費電力(W) | |
---|---|
商品A(※1) | 300 |
商品B(※2) | 400/800 |
セラミックファンヒーター(電気ヒーター)
セラミックファンヒーターは、電気を熱源とするストーブです。ガスファンヒーター、石油ファンヒーターと同じく温風が出るタイプに分類されます。そのため、オイルヒーターやパネルヒーターに比べると、早く温まるのが特徴です。その反面、電気代が高く、1200Wで運転すれば1時間に30円以上の電気代がかかります。なお、下記の表はあくまでも目安です。ですから、大きな部屋を一台で暖めるより、脱衣所・トイレなどの狭い部屋を短時間で暖かくしたい場合や、寝室を寝るまで暖めたいといった場合に適しています。特に、小型のセラミックファンヒーターは場所を取らないので、キッチンで足元を暖めるといった部分的な暖房としても重宝するでしょう。
セラミックファンヒーターの一般的な消費電力は、運転の強度で変わりますが、600W〜1200Wです。
※参考にした具体的な商品のスペックは以下で示しています。
一般的なセラミックファンヒーターの消費電力
消費電力(W) | |
---|---|
商品A(※1) | 1200/650 |
商品B(※2) | 1200/650 |
こたつ
こたつは、主に下半身を暖めるための暖房器具です。熱源が電気なので、正しい使い方をしていれば火事の危険性もほとんどありません。小さな子どもから高齢者まで、幅広い年代で使える安全性の高い暖房器具です。大きさも様々で、近年では椅子に座っても使えるような機種も発売されています。テーブルとしても使えるので夏も出しっぱなしにしていても気になりません。電気代もヒーターやエアコンに比べるとずっとお得です。
こたつの一般的な消費電力は400〜500Wほどです。
※参考にした具体的な商品のスペックは以下で示しています。
一般的なこたつの消費電力
消費電力(W) | |
---|---|
商品A(※1) | 400 |
商品B(※2) | 500 |
1200Wの暖房器具の電気代は?
ここまで記事を読んでいただいた方には、暖房器具も種類によって消費電力がずいぶん違うことがおわかりいただけたと思います。ここでは、消費電力が高めの暖房器具である1200Wのものに注目して、1時間あたり、1日あたりの電気代を算出していきましょう。
1200Wの暖房器具は?
消費電力が1200Wの暖房器具には、オイルヒーターやセラミックファンヒーターなどがあげられます。出力を調整すれば1200Wになる暖房器具も多く、早く部屋を暖めたいという場合、通常は400~800Wのものでも1200Wで使うということもあるでしょう。
1200Wの電気代
1kWhあたりの電気料金単価を27円/kWhとして計算した場合、1200Wの暖房器具を1時間使った場合の電気代は32.4円(1200W÷1000×1時間×27円/kWh)です。1日(24時間)付けっぱなしにした場合は777.6円(32.4円×24)となります。ご自宅の暖房器具にかかる電気代を計算する参考にしてみてください。
暖房器具の電気代を節約するコツ
では、暖房器具の電気代を節約するにはどうしたらよいでしょうか?ここでは、2つのコツを解説します。ぜひ参考にしてみてください。暖房器具は使い方によって電気代がぐんと下がることもあります。
用途で使い分ける
前述したように、暖房器具は種類によって得意なことが違います。たとえばエアコンは広範囲を暖めるのに向いているのに対し、こたつは狭い範囲を暖めるのに適しています。このように、暖房器具は用途によって使い分けることが大切です。
たとえば、一番広く人の出入りも多い部屋はエアコン、使う時間が短くすぐに温まってほしい場合はファンヒーターと使い分けるとよいでしょう。また、布団に入るまでなど少しの間だけ部屋を暖めたい場合は、オイルヒーターやパネルヒーターが向いていることもあります。
また、気温に応じて使い分けてもよいでしょう。気温が低く部屋全体を暖めたい場合はエアコンが向いています。しかし、気温が高く足元だけなんとなく寒いという場合は、こたつやハロゲンヒーターで十分ということもあるでしょう。
このように、用途や気温で使い分ければ、暖房器具をフル稼働させなくても大丈夫です。
組み合わせて使う
暖房器具はそれぞれ長所と短所があります。たとえば、こたつは足元しか暖めることはできません。エアコンは低い場所を暖めるのが苦手です。ガスファンヒーターは短時間で部屋を暖めますが、排気が気になる方もいるでしょう。オイルヒーターやパネルヒーターは空気を汚しませんが、部屋が暖まるまで時間がかかります。
このように、長所と短所を把握して暖房器具を組み合わせて使うことで、電気代の節約につながります。
たとえば、こたつとエアコンを組み合わせれば、全身がくまなく温まります。ガスファンヒーターとオイルヒーターを組み合わせて使えば、ガスファンヒーターで手早く部屋を暖め、排気が気になる前にオイルヒーターに運転を切り替えることで、快適に過ごすことができるでしょう。こうすれば、単に電気代を節約するだけでなく、より身体に負担がかからずに快適に過ごすことができます。このほか、エアコンで部屋全体を暖めておき、足りない部分はハロゲンヒーターを使うという組み合わせもできますう。いろいろと工夫してみましょう。
冬はブレーカーが落ちやすい
冬に起こりやすい電気の悩みといえば、ブレーカーです。冬になると、ブレーカーが何度も落ちて、困っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、ブレーカーが落ちやすい原因や対処方法を詳しく解説していきます。ぜひ、解消方法の参考にしてください。
最大出力量が契約アンペアを超える
ブレーカーが落ちる原因の一つは、電化製品の最大出力量がご家庭の契約アンペアを越えるためです。家庭用のブレーカーの多くはアンペア(A)が設定されており、電化製品の最大出力量が契約アンペアを越えると落ちます。たとえば、20Aの設定のブレーカーに21Aの電流が流れるとブレーカーは落ちます。
一つのコンセントに負荷がかかる
家庭用のブレーカーには、「安全ブレーカー」という、ご家庭の各コンセントまでの電気回路と接続しているブレーカーがあります。一つのコンセントに多くの電化製品が接続され、一度に負荷がかかりすぎると、安全ブレーカーが落ちることがあります。複数の暖房器具を同じコンセントで使っている場合は注意しましょう。
1200Wの暖房器具を使うときに注意すること
1200Wの暖房器具を使う場合、流れる電流は12Aです。契約アンペアが30Aであればよいのですが、20Aの場合、あまり電力量の多い電化製品を使うとすぐにブレーカーが落ちてしまうでしょう。以下に、1200Wの電化製品の一例をご紹介します。
暖房器具以外の1200Wの電化製品
暖房器具以外の1200Wの電化製品には、アイロン、ドライヤー、掃除機などがあります。炊飯器やホットプレート、電子レンジ、食器洗い機などの調理電化製品も1200Wを超えてしまうので注意が必要です。たとえば、エアコンをかけながら電子レンジを使ったらブレーカーが落ちたという場合は、エアコンを切ってから電子レンジを使うなど、同時に使わないような工夫が必要です。また、同じコンセントに1200Wの電化製品を2つも3つも接続しないようにしましょう。
まとめ
冬になると電気代が高くなる電化製品として、暖房器具の種類とその電気代、さらには節約する方法などを解説しました。それぞれの暖房器具の特徴を知っていれば、効率的な使い方ができ、電気代も安くなるでしょう。
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(30代 / 女性 / 3人暮らし)
基本料金がかからないので、大きいアンペアで契約していてもお得感がある。
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(40代 / 男性 / 1人暮らし)
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まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。