引越し費用の相場はいくら？世帯人数別・時期別の目安や節約方法

引越しにかかる費用は、荷物の量や移動距離、依頼する業者によって大きく変わります。一人暮らしから家族世帯までの費用相場や、業者に支払う費用の内訳、金額を左右する主なポイントを詳しく見ていきましょう。

一人暮らしの引越し費用の目安をまとめました。繁忙期は予約が集中し、通常期より1～2割高くなる傾向があります。
＜通常期（5～2月）の引越し費用目安＞

＜繁忙期（3～4月）の引越し費用目安＞

【荷物量の目安】
・荷物小：軽トラック5～5.5㎥程度
・荷物大：1.5トン、2トンショート、2トントラック約10～11㎥程度

※出典： 一人暮らしの引っ越し費用の相場は？　単身パックなど料金が安くするおすすめの方法も紹介！ | 【SUUMO引越し】
⇒一人暮らしの引越し費用についてもっと詳しく知りたい方はこちら

2～5人世帯の引越し費用の目安は次の通りです。家族の人数が増えるほどトラックの台数や作業時間が増えるため、費用は上昇します。
＜通常期（5～2月）の世帯別引越し費用目安＞

＜繁忙期（3～4月）の世帯別引越し費用目安＞

※出典： 2人暮らし(夫婦･カップル)引っ越しの料金･費用相場｜引越し見積もり･比較【SUUMO】
※出典： 家族(3人･4人･5人)引っ越しの料金･費用相場｜引越し見積もり･比較【SUUMO】
⇒2人暮らしの引越し費用についてもっと詳しく知りたい方はこちら
⇒3人・4人・5人家族の引越し費用についてもっと詳しく知りたい方はこちら

引越し料金はいくつかの項目で構成されています。費用の仕組みを理解しておけば、見積もり比較や節約の判断がしやすくなるでしょう。主な内訳は以下の4つです。

見積もり時には、これらの費用項目を明確に確認することが大切です。特に、付帯サービスや割増料金は業者によって差が出やすいため、複数社を比較して納得できる内容を選びましょう。

引越し費用は、同じ距離でも曜日・時間帯・間取りなどの条件で大きく変わります。
一般的に、平日より土日祝日が高く、特に月末や3月などの繁忙期は需要が集中するため、料金が上がる傾向があります。また、大安など縁起の良い日は人気が高く、予約が取りづらくなることもあるでしょう。
時間帯によっても差があり、午前便が最も高く、午後便・フリー便は割安に設定されていることが多くなります。さらに、作業員の人数や住まいの間取り・階数・エレベーターの有無によっても実費が変動します。
このように、引越し費用を抑えるには、平日・午後・通常期を選ぶなど、条件を柔軟に調整することが効果的です。

引越しにかかる費用は、賃貸物件に入居する場合と、持ち家（新築）へ移る場合とで異なります。それぞれの特徴を理解し、引越し前後の出費を見越した資金計画を立てましょう。

賃貸物件に引越す際は、家賃以外にも入居時にまとまった初期費用が発生します。契約内容や物件条件によって差がありますが、目安を知っておくことで資金計画が立てやすくなります。以下は主な費用項目です。

入居費用は一般的に「家賃の4～6カ月分」が相場とされます。物件によっては、敷金・礼金ゼロやキャンペーン割引もあるため、条件を比較して負担を抑える工夫が大切です。

一人暮らし・二人暮らし・3人世帯それぞれの入居時にかかる主な費用を、入居費用のシミュレーションとしてまとめました。
＜一人暮らしの入居費用（目安：家賃70,000円の場合）＞

＜二人暮らしの入居費用（目安：家賃100,000円の場合）＞

＜3人世帯の入居費用（目安：家賃130,000円の場合）＞

新築や購入した持ち家への引越しでは、賃貸とは異なる出費が多く発生します。
まず大きいのが設備や家具の購入・設置費用です。新居では間取りが変わるため、カーテン・照明・エアコンを新たにそろえるケースが多く、特にエアコンは1台あたり約10万円かかることもあり、複数台設置すると大きな負担になります。
また、火災保険料・登記費用・住所変更手続き・ライフラインの契約費用なども必要です。
さらに、外構工事やインターネット工事、引越し当日の養生費・設置作業費など、細かな出費も積み重なります。
持ち家への引越しは「住まいを整える初期投資」として、50万～100万円前後を見込んでおくと安心です。

引越しには何かとお金がかかりますが、工夫次第で出費を抑えることが可能です。引越しをお得に済ませるための具体的な方法を見ていきましょう。

引越し費用を抑えるには、早めの予約が効果的です。引越しの1～2カ月前から見積もりを申し込むことで、比較的安い日程を提案してもらえる可能性があります。特に、平日や月中旬など空きのある日を選ぶと、料金が抑えられるケースが多いでしょう。
また、一部の業者では早割サービスを実施しており、一定期間前の申し込みで基本料金を数%割引してもらえることもあります。ただし、すべての業者が対応しているわけではなく、対象外の期間や条件もあるため見積もり時に確認が必要です。

引越しの荷物が多くなるほどトラックのサイズが大きくなり、必要な作業員の人数も増えるため、その分費用が上がります。一人暮らしであれば、120サイズのダンボール15個以内に収まる量が理想的とされ、これを超えると追加料金が発生することもあります。
引越しは断捨離のベストタイミングでもあり、不要な家具や衣類を早めに見直すことで、荷物量が減り引越し費用の節約につながるでしょう。
特に引越し予定日の1カ月半ほど前から整理を始めると、余裕を持って不用品を処分できます。荷物を減らすことは、費用だけでなく新居の収納効率や生活の快適さにも大きなメリットがあります。

引越し費用を抑えたいなら、荷造りを自分で行うプランを選ぶのがおすすめです。業者に梱包や荷ほどきを依頼すると、作業員の人件費や資材費が上乗せされるため、費用が大きく増える傾向があります。
また、ダンボールや緩衝材を自分で用意することで、さらにコストを抑えられます。スーパーやドラッグストアなどで無料の段ボールをもらうのも有効な方法です。
食器や衣類などは壊れないよう丁寧に梱包する必要がありますが、時間に余裕を持って少しずつ進めれば負担は軽減できます。

引越し業者のオプションサービスは便利ですが、利用を増やすほど料金が高くなります。主なオプションサービスの例は次の通りです。

• エアコンの取り外し・取り付け
• 洗濯機や照明器具の設置
• ピアノや大型家電の搬送
• ハウスクリーニング
• 不用品の回収・処分
• 荷解き・荷造り代行
• 家具・家電の一時保管
• 不要段ボールの回収

オプションをつける前に、自分で対応できる作業を整理し、複数業者の見積もりを比較しましょう。必要最小限のサービスに絞ることが、引越し費用を抑えるポイントです。

引越し費用を抑えるには、物件選びの段階で初期費用の少ない部屋を選ぶことが効果的です。最近では、敷金・礼金がゼロの物件が増えており、入居時の負担を大幅に減らせます。
また、フリーレント物件を選べば、入居後1～2カ月分の家賃が免除されるため、引越し直後の出費を抑えやすくなるでしょう。
さらに、不動産会社によっては仲介手数料を無料または半額にしている物件もあります。ただし、家賃設定や契約条件で実質的に差額が上乗せされている場合もあるため、トータル費用で判断することが大切です。初期費用を比較しながら、総合的にコスパの良い物件を選びましょう。

「できるだけ安く引越したい」と思っても、どの業者やプランを選べばいいか迷う方は多いでしょう。ここでは、賢く業者やプランを選ぶためのポイントを解説します。

引越し費用を抑えるために効果的なのが、複数の業者に見積もりを依頼する「相見積もり」です。1社だけに依頼すると価格交渉の余地が少なくなりますが、複数社に同条件で見積もりを取ることで競争原理が働き、より安い金額を提示してもらえる可能性があります。
さらに、見積もり内容を比較することで、サービスの違いやオプションの有無も見極めやすくなります。費用・対応・信頼性を総合的に判断して、最も納得できる業者を選びましょう。

引越し費用を抑えたい場合は、フリー便や割安プランを活用するのが効果的です。フリー便とは、引越しの日程や時間を業者に一任するプランで、スケジュール調整が柔軟な分、通常より安く利用できます。
また、混載便（他の顧客と荷物を同じトラックに載せる便）、帰り便（復路のトラックを活用する便）、コンテナ便（長距離向け）などの割安プランもあります。単身者なら、コンパクトな荷物向けの単身パックを利用するのもおすすめです。

費用をできるだけ抑えたいなら、業者に頼まず自分で引越し作業を行う方法もあります。荷物が少ない場合は、レンタカーを借りて自分で運搬すれば、トラック代と人件費を節約できます。衣類などの軽い荷物は、宅急便や宅配便を利用して分割して送るのも有効です。
ただし、大型家具の運搬や長距離移動は労力と時間がかかるため、安全面に注意する必要があります。自力で運べる範囲を見極め、必要に応じて一部のみ業者に依頼するなど、費用と手間のバランスを取ることがポイントです。

引越しの際は、契約や支払い方法などで不安を感じることもあるでしょう。引越し費用に関するよくある質問をまとめ、トラブルを防ぐための基本知識をご紹介します。

引越しの見積もり依頼は契約ではないため、申し込み後にキャンセルしても費用は発生しません。ただし、正式に契約を結んだ後は扱いが異なります。引越し日の3日前までは無料でキャンセル可能ですが、それ以降は作業準備や人員確保の関係でキャンセル料が発生することがほとんどです。
一般的には、2日前で見積もり金額の20%前後、前日で30～40%、当日キャンセルでは50%程度請求されることもあります。契約時には、見積書や約款でキャンセル条件を確認しておくことが大切です。

引越し当日に見積もりより費用が高くなるケースもあります。主な原因は、荷物量の増加・トラックに積み切れない・作業時間の延長など、事前の見積もり時と条件が変わる場合です。また、駐車スペースが確保できない、階段作業が増えるなど現場状況による追加料金も発生します。
対処法としては、見積もり時に荷物内容や搬出環境を正確に伝えること、追加料金が発生する条件を事前に確認しておくことが重要です。契約書や見積書を保存し、トラブル時に証拠として提示できるようにしましょう。

近年では、大手の引越し業者を中心にクレジットカード払いに対応するケースが増えています。カード払いを利用すれば、現金の持ち運びが不要になるほか、ポイント還元や分割払いなどのメリットもあります。
ただし、カードの限度額によっては支払いができない場合もあるため注意が必要です。また、すべての業者が対応しているわけではなく、現金払い限定のプランもあります。

引越し費用を節約するには、早めの準備やプラン選びなど、引越し前の工夫が大切です。しかし、節約の機会はそれだけではありません。新居での契約を見直すタイミングを生かし、電力会社やガス会社を切り替えることで光熱費を抑えることも可能です。
新しい生活を始めるこの機会に、引越し費用だけでなく毎月の支出も見直して、より賢く節約しましょう。