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再エネ賦課金の写真 再エネ賦課金の写真

電気は日常生活に欠かせない存在ですが、漏電が発生すると、感電や火災などの重大な事故につながります。電線や電化製品の劣化、水分の侵入などの原因で発生するので、漏電の仕組みや危険性を解説し、主な原因や調べ方、適切な対策を押さえておきましょう。

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漏電とは?どういった現象か?

電気は通常、電線や機器の内部を通り、決められた経路で流れるようになっています。しかし、何らかの原因で漏電が発生すると、感電の危険性が高まり、電気火災を引き起こす可能性もあります。まずは、漏電の仕組みと危険性についてみていきましょう。

漏電の仕組み

漏電は、本来電気が流れるべきでない経路に、電流が流れてしまう現象です。通常、電気は電線を通って電化製品や各種設備に供給されますが、電線の被覆が傷ついたり機器内部の配線が劣化したりすると、電流が別の経路へ流れ出してしまいます。
特に電気は水分に弱く、水漏れや湿気の多い場所では漏電のリスクが高まります。漏電は外見から判断しづらく、気づかないうちに重大なトラブルに発展するケースもあります。

漏電の危険性

漏電は感電や火災を引き起こす危険があります。わずか10mAの電流でも人体に流れると筋肉の痙攣が起こり、50mA以上になると心室細動を引き起こし、命に関わるリスクが高まります。
また、漏電による発熱が火災の原因となる可能性も見過ごせません。特に、古い建物や湿気の多い環境では、火災が発生しやすいので注意しましょう。電化製品の故障や寿命の短縮にもつながるので、早期の発見・対策が欠かせません。

漏電の主な原因は?

漏電の原因には、経年劣化や外的要因などさまざまな要素が考えられます。適切な対策を講じるためにも、どのような理由で発生するのか、詳しく理解しておくことが重要です。

電線やプラグなどの劣化

電線やプラグなどの劣化により、漏電が発生する可能性があるので注意しましょう。長年の使用や過度な電流によって、電線の絶縁体が硬化・ひび割れし、内部の銅線が露出するケースは決して珍しくありません。
また、プラグの金属部分に汚れやサビが付着すると、通電不良を起こし、それが原因で電気が漏れてしまうケースもあります。特に古い建物では、電線の経年劣化による漏電が発生しやすいため、適切な点検や交換が必要です。

水分の侵入

電気は水分を通しやすく、湿気の多い環境では漏電が起こりやすくなります。湿気や水漏れによって、電線や電気機器に水分が付着すると、電流が本来の経路以外に流れる可能性があるので注意が必要です。
特に浴室や台所など、水を使用する場所での電気の使用には、気を付けなければいけません。これらの場所では、水しぶきや蒸気が電化製品に付着しやすく、漏電のリスクが高まります。

電化製品の劣化

長期間使用した電化製品は、内部の配線や絶縁体が劣化し、電流が漏れやすくなります。古い製品は内部の電子部品も摩耗しており、予期せぬショートや漏電を引き起こすリスクがあるため、定期的な点検や買い替えが必要です。
また電化製品の内部にほこりが溜まると、それが導電路となって電気が漏れてしまう可能性があります。特に、換気が不十分な場所にある電化製品や、長期間掃除されていない電化製品には注意しましょう。内部の清掃ができる製品は、定期的にほこりを取り除くことが大切です。

過電流や過負荷

電気回路や電化製品に過度な電流が流れる状態(過電流)が続くと、電線の絶縁が破損する可能性があります。また、同じコンセントに複数の機器を接続しすぎると、過負荷状態となり、発熱や漏電の原因になります。
特に、同じコンセントから多数の電化製品を使用する「タコ足配線」には、注意が必要です。電線やコンセントに過度の負荷がかかりやすく、発熱や絶縁劣化を引き起こすケースがあります。
また大型の電化製品や消費電力の大きい機器に対して、未対応の電線や古い電源コードを使用すると、電線が過熱して絶縁体が損傷し、漏電の原因となる場合もあります。

小動物が原因となるケースも

ネズミや昆虫が電化製品の電源コードをかじったり、配線のある天井裏や壁の中・床下などに巣を作ったりすると、電線の絶縁体が損傷する可能性があります。その結果、銅線が露出して漏電が発生するケースもあるので注意しましょう。
特に、人目につきにくい場所では、小動物による被害が見過ごされやすいので、定期的に点検することが大事です。古い家屋や倉庫、長期間にわたり人が住んでいない建物では、電気を使用する前に、配線周りをきちんと確認するようにしましょう。

漏電の調べ方は?症状や対処法

漏電が疑われる場合、早期の発見と適切な対応が必要です。どういった症状が起こるのか知り、適切に対応することが重要です。代表的な症状や調べ方を解説します。

漏電が疑われる症状

ブレーカーが頻繁に落ちる場合や、電化製品のスイッチを入れていないのに動作する、あるいは通電していないのに本体が温かいと感じる場合は、漏電の可能性があります。
また、コンセントや電化製品に触れた際、軽い電気ショックを感じる場合もあります。これは、製品の金属部分から微量の電流が漏れ出ており、それに触れた際に感じる症状です。使用し続けると危険なので、すぐに電源を切って疑わしい場所を確認しましょう。
電化製品がスイッチを切っているのに本体が温かい、または異常に熱くなっている場合も漏電の可能性があります。特に、コンセント周りが異常に熱くなっていたり、焦げ臭いにおいがする場合は要注意です。

漏電場所の調査方法

まずは、漏電ブレーカーがきちんと作動しているか確認しましょう。作動している場合は漏電の可能性が高いので、ブレーカーを順番に入れ直して、個別に回路をチェックしていきます。
回路が特定できたら、次に当該回路に接続されている電化製品を一つずつコンセントから抜き、どれが原因かを調べます。すべての製品を抜いても漏電ブレーカーが作動するならば、配線自体に問題がある可能性が高いでしょう。
なお、漏電をチェックするための専門機器もあるので、入手するのもおすすめです。電線や電気機器の周囲の電界を検出することで、電気が漏れていないか確認できる製品もあります。

場合によっては専門家に調査を依頼

漏電の原因が特定できない場合や、配線自体に問題があると思われる場合は、専門家の調査が必要です。壁の中や天井裏の配線が原因の場合、素人が調査・修理するのは困難であり、危険も伴います。
また、漏電の規模が大きい場合や、建物全体に関わる問題が疑われる場合も、専門家に相談するようにしましょう。専門家なら安全・正確に原因が特定できる可能性が高く、適切な修理・対策が可能です。電気に関する問題は、安全を最優先に考えて行動するようにしましょう。

漏電を防ぐための対策

基本的な対策として、漏電を素早く検知し、電源を遮断できるブレーカーを設置しましょう。その上で、配線や電源コードなどの絶縁状態を定期的に点検し、劣化や損傷がないか確認することが大事です。
電線の被覆に傷やひび割れがないか、プラグやコンセントに変形や変色がないかなど、定期的にチェックしましょう。特に長期間使用している電化製品や、頻繁に使用する機器などは、重点的に点検する必要があります。古くなった電化製品や電源コードは使用を控えて、異常があれば交換するようにしましょう。
なお、漏電の予防策に関しては、以下の記事でも解説しています。こちらも参考にしてください。
漏電の予防策についてもっと詳しく知りたい方はこちら

漏電の調べ方を知っておこう

漏電は感電や火災につながる危険な現象であるため、徹底した予防と対策が必要です。電線やプラグの劣化や水分の侵入、電化製品の劣化などで発生するため、どういった状況で起こるか知っておきましょう。
漏電が疑われる場合は、ブレーカーを使って回路ごとに原因を特定し、必要に応じて電線の交換や電化製品の使い方を見直すことが大事です。特に、古い電源コードを使っていたり、タコ足配線をしていたりする場合、漏電の可能性が高まるので注意しましょう。
自力での対処が難しいと感じたら、すぐに電気工事士などの専門家に相談しましょう。安全を最優先に、早めに原因を特定・修理することが重要です。