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避難所への標識の写真太陽光発電機に手を当てている写真

東日本大震災から10年。
2011年3月11日に起きたこの震災は、エネルギー業界にも大きな影響を与えました。
もともと海外への依存度が高かった日本のエネルギー不足が加速したのも、震災が影響であることは確かです。
しかし震災後の電力自由化によって、化石燃料に依存しない再生可能エネルギー(以下、再エネ)に着目した電力会社も、次々に市場に進出してきました。脱炭素社会の実現に向けて様々な政策が進められる中、再エネに対する期待は一層強まっています。
そこで今回の記事では、震災後10年の復興状況を振り返りながら、この10年でエネルギー供給はどう変わったのか、電力自由化の目的は何なのかなどについて、詳しくご説明します。

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震災後10年、復興の状況は?

まず、震災後10年の復興状況を振り返ってみましょう。
東日本大震災の避難者数に関しては、震災から5年間の集中復興期間内である2012年2月では47万人、2016年3月では17.1万人となっていました。第1期復興・創生期間に入った2019年3月では5.1万人、2020年12月の時点でも、まだ4.2万人の方が避難所生活を続けている状態です。

街の復興状況に関しては、震災直後の2012年2月では民間住宅等用宅地が100戸、災害公営住宅が300戸にとどまりましたが、2016年3月では前者が8,000戸、後者が1.7万戸、2019年では前者が1.8万戸(98%)、後者が3万戸(99%)、2020年12月には、両者ともに100%の復興となりました。

甚大な被害を受けた電気や水道・ガスなどのインフラも、2016年3月にはおおむね復旧しました。現在ではJR常磐線も全線開通し、復興道路・復興支援道路も全線開通となっています。
順調に復興が進んでいるように見える一方で、住まいや交通の復興に約10年もかかっています。今なお避難所生活を余儀なくされている方が4.2万人もいるという事実からは、一刻も早い完全な復興に向けて我々にできることは何なのか、ということを改めて考えさせられます。

震災後10年で、エネルギー供給はどう変わった?

もともと日本はエネルギー自給率が低い国でしたが、2011年の震災をきっかけに、自給率低下に拍車がかかりました。震災後、日本のエネルギー供給がどのように変化してきたか、どのようなエネルギー問題があるのかを、詳しくご説明します。

エネルギー自給率は低くなっており、海外からの輸入に依存している

日本は国内のエネルギー資源が乏しく、エネルギー源である石油・石炭・液化天然ガス(LNG)などの化石燃料がほとんどありません。その上、東日本大震災によって福島の原子力発電所が停止したことにより、エネルギー自給率はさらに低下しました。
そのため、もともと海外からの輸入に大きく依存していた日本のエネルギー不足に拍車がかかったのです。

依然として高い化石燃料への依存度、震災後の火力発電稼働でさらに上昇

1970年代に起こった「オイルショック」で原油価格が爆発的に高騰したことをきっかけに、化石燃料への依存度を下げようとする動きが一旦は見られました。当時、エネルギー供給の0.6%しか担っていなかった原子力発電に力を入れ、2010年にはその供給率が11.2%にまで増加し、化石燃料への依存度が低減されたのです。このとき、化石燃料依存度は81.2%です。

しかし、2011年に起こった東日本大震災の影響で国内の原子力発電所が停止しました。原子力での発電量が低下したために、再び化石燃料への依存度が増加し、2018年には化石燃料依存度は85.5%まで増加しています。

電気料金の上昇と、高まる再エネへの期待

東日本大震災以降、電気料金は上がっています。震災前の2010年と比べると、2019年の家庭向け電気料金は約22%、産業向け電気料金は約25%上昇しています。

電気料金が上昇している理由のひとつは、原子力発電の停止にともなう火力発電の増加です。エネルギー資源に乏しい日本は、資源に溢れている国から化石燃料を輸入する分、火力発電にかかるコストは高くなります。
もうひとつの要因は再エネの普及コストです。昨今では、石油や石炭など資源に限りのある化石燃料ではなく、太陽光や風力・地熱といった地球資源の一部などを利用する再生可能エネルギー(再エネ)に期待が寄せられています。2012年には再エネで作った電気をあらかじめ決められた価格で買い取る「固定価格買取制度(FIT)」も導入されました。FITの買取費用は拡大を続けており、2020年の買取費用の合計は約3.8兆円に達しました。
その一部は「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」として利用者が負担しています。

電力自由化の議論が震災後に再燃

東京の風景写真東京の風景写真

戦後~2016年の電力自由化以前は、東京電力や関西電力などの大手電力会社がその地域を独占し、発電から小売りまでを一貫して行っていました。
しかし、3.11の震災時、震災地域以外の電力会社には十分な電力の供給力があったのにも関わらず、エリアとエリアの間を結ぶ送電インフラに制約があったため、震災地域に電力を送電できなかったなど、独占による問題が表面化しました。
東日本大震災で大きな問題に直面した電力業界は、インフラ設備を整え、技術を発展させ、一社独占でなくても電力の安定供給ができるような体制を目指しました。このような中で進められた電力自由化の目的は、主に3つに分けられます。

電力自由化の目的①:電力の安定供給の確保

電力自由化の目的の一つは、電力の安定的な供給を確保することです。
電力の需給管理は、電力自由化の前までは各地域ごとに行われてきました。そのため、被災した地域に電力が足りなくても、他エリアから電力を供給することができず、結果、インフラの復旧に時間がかかってしまったのです。
これを受け、電力が不足した地域に柔軟に電力供給をできるよう、エリアを越えた電力供給の融通がきくような仕組みが整備されつつあります。例えば災害時でもエリア外から電力を調達することで停電が起こりにくくなるのです。

電力自由化の目的②:再エネを増やす

日本全国の電力会社が提供している電力は、おもに火力発電によって作られたもので、化石燃料を使用しています。化石燃料を使い過ぎると大気中の二酸化炭素が増えてしまう上、エネルギー源の海外依存度が下がらず、地球環境にとって良くありません。
しかし、電力自由化の実施後、新たに参入してきた新電力会社の中には太陽光発電や風力発電など、再エネで作られた電力を供給しているところも少なくありません。
このように、輸入に頼る必要がなく環境にも優しい再エネを増やすことも、電力自由化の目的の一つでした。

電力自由化の目的③:消費者の選択肢を増やす

また、電力自由化により、消費者の選択肢を増やすという目的もあります。
特定の電力会社が独占していた電気事業が自由化されたことで、さまざまな新電力会社が電気事業に参入してきました。
これにより、消費者に「どこの電力会社から、どのような電気を買うのか」という選択肢が新たに増えたのです。
選択肢が広がるということは、価格競争によって消費者にうれしい様々なメニューが生まれることはもちろん、新電力会社にとってもビジネスチャンス、イノベーションにも繋がることになり、結果、経済の活性化にも繋がるはずです。

Looopとは?

シャベルで作業をしている写真シャベルで作業をしている写真

「Looop」は、震災直後の2011年4月4日に発足した会社です。
東日本大震災の被災地における電力不足にいち早く問題意識を向け、被災地に簡易の太陽光発電キットを設置するボランティア活動から生まれました。

震災ボランティアから始まった

Looopの代表取締役社長である中村創一郎は、東日本大震災発生時、被災地で電力が分断されていることを知り、何かできないかと考えた結果、被災地にソーラーパネルを設置することを決断。被災地にソーラーパネルを次々と設置していきました。
ボランティア活動を行っていく中で、甚大な被害をもたらした津波のような自然エネルギーを人類の役に立つように有効活用できないか、と考えたのが、ボランティアから起業するきっかけとなったのです。

再エネ設備の開発から保守、電力小売事業まで一貫したサービスを提供

Looopは、電力を「創る」「蓄える」「供給する」を一貫したサービスの提供を行っています。2016年4月には電力小売サービスの「Looopでんき」を開始し、家庭向け、さらには法人向け市場にも進出。再エネの設備開発から保守、電力小売事業まで、一気通貫したサービスを日本全国に提供できるエネルギー企業として、事業を拡大しています。

「Looopでんき」は、業界初の基本料金0円を実現

Looopの代表的なサービスである「Looopでんき」。
Looopでんきは、「業界初」の基本料金0円を実現しました。この背景にはLooopの掲げるビジョンである、再エネの最大普及を通じた「エネルギーフリー社会の実現」があります。
化石燃料を用いない再エネは、自然エネルギーがある限り何度でも生産することができます。再エネが最大限普及すれば、エネルギーが無料(フリー)に使える社会の実現も夢ではありません。「エネルギーフリー社会の実現」は少し先の未来ですが、お客様の使うエネルギーにかかるコストを少しでも下げてもらいたいという想いがLooopにはあります。そのような理念からLooopでんきでは基本料金を0円にしています。
Looopは「エネルギーフリー社会の実現」に向けて、太陽光を中心とした再エネの最大普及に取り組んでいます。

「Looopでんき」の特長について、詳しくはこちらをご覧ください。
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