電力会社を選ぶとき、大手と新電力は何が違うのかが分からず、選択に迷ってしまう人は少なくありません。大手の電力会社の意味やそれぞれの供給エリアとともに、新電力の定義や契約のメリットなどを押さえておきましょう。選び方のポイントも解説します。
大手の電力会社とは?
大手の電力会社といわれると、単に知名度の高い会社を思い浮かべるかもしれません。しかし、電力業界において「大手」と呼ばれる会社には、歴史的な背景があります。
まずは、なぜ地域電力が「大手」と呼ばれるのか理解するとともに、各地の大手電力会社の供給エリアを確認しておきましょう。
地域電力が大手と呼ばれる理由
大手の電力会社とは、電力の小売自由化以前に、地域ごとの電気供給を担ってきた旧一般電気事業者を指す呼び方です。
かつては各地域で発電から送配電、小売までを一体で担う体制が取られており、ご家庭や企業に対し、安定して電気を届ける中心的な役割を果たしてきました。
近年は、電力の小売分野への新規参入が進み、契約先を自由に選べるようになっています。それでも、長年にわたり地域の電力基盤を支えてきた歴史があるため、現在も大手の電力会社として広く知られています。
大手電力会社10社と各社の供給エリア
大手電力会社10社は、それぞれ歴史的に担当してきた供給区域を持っています。
現在は電力の小売自由化により、契約先を自由に選べるようになりましたが、送配電網の基盤となるエリア区分自体は残っています。ここでは、県名ベースで各社の供給エリアを整理してみましょう。
| 電力会社 | 供給エリア(主な都道府県) |
|---|---|
| 北海道電力 | 北海道 |
| 東北電力 | 青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県・新潟県 |
| 東京電力 | 茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県・静岡県(一部) |
| 中部電力 | 富山県・石川県(一部)・長野県・岐阜県(一部)・静岡県(一部)・愛知県・三重県(一部) |
| 北陸電力 | 富山県・石川県・福井県(一部) |
| 関西電力 | 福井県(一部)・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県 |
| 中国電力 | 鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県(一部) |
| 四国電力 | 徳島県・香川県・愛媛県・高知県 |
| 九州電力 | 福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県 |
| 沖縄電力 | 沖縄県 |
上記は、各社の電力供給の大きな区分ですが、実務上は送配電部門が分社化されているため、エリアの基盤を担うのは各一般送配電事業者です。
一方、ご家庭が契約する小売事業者は、必ずしもその地域の大手電力会社に限りません。電力の小売自由化後は、別エリアや異業種の電力会社とも契約できるケースも増えてきました。
大手電力会社の歴史|地域独占から電力自由化までの流れ
大手電力会社の特徴を理解するには、現在の料金やプランだけでなく、制度の変化も押さえておく必要があります。
日本では、戦後の安定供給を優先した地域体制から、競争と選択肢を広げる自由化へと段階的に移行してきました。大手の電力会社の歴史について、戦後から現在までの大まかな流れを解説します。
戦後~地域電力体制の成立と役割
戦後の日本では、電力の安定供給の体制を立て直すことが、大きな課題でした。
電気事業連合会の資料によると、1951年に北海道・東北・東京・中部・北陸・関西・中国・四国・九州の、9つの民営電力会社が発足しています。その後1972年の沖縄本土復帰に伴って、沖縄電力が加わりました。
各地域で発電所の整備や送配電網の構築が進められ、ご家庭や産業に電気を安定供給する体制が築かれてきた歴史があります。これが、現在の「大手=基盤を担ってきた会社」といった認識につながっています。
出典:電気事業連合会「電力事業の歴史」
出典:日本の電気事業【2025】|電気事業連合会
電力システム改革と電力自由化
電力業界は長く地域単位の供給体制で運営されてきましたが、1995年の制度改正で発電部門への新規参入が広がり、2000年には高圧分野で小売の一部自由化が始まりました。
その後、2011年の東日本大震災後の需給逼迫を契機に改革が加速し、2013年に電力システム改革の方針が決定されます。
同改革は三段階で進み、2015年に広域的運営推進機関の設置、2016年に電力小売全面自由化、2020年4月には送配電部門の法的分離が実施されました。
電力自由化後の大手電力会社の位置付け
2016年の電力の小売完全自由化後は、電力を必要とするご家庭や店舗などが、自由に契約先を選べるようになりました。ただし、旧一般電気事業者系の会社も、依然として大きな影響力を持っている状況が、現在まで続いています。
資源エネルギー庁の白書では、2024年12月時点の新電力シェアは、販売電力量ベースで約17%です。その市場の大部分は、大手を含む既存の事業者が占めています。
これは大手の知名度に加えて、既存の契約から切り替えないご家庭が多いためです。さらに、口座・クレジットカード登録の手間の少なさなども、大手の電力会社が影響力を保っている要因といえます。
今後も、安定供給を支える基盤としての役割を担いながら、新電力との競争の中で、料金プランやサービス内容の見直しが進められるでしょう。
なお、電力自由化のメリットやデメリットなどに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらを参考にしてください。
⇒電力自由化のメリットやデメリットについて、もっと詳しく知りたい方はこちら
※出典:電力システム改革の推進│令和6年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2025)|経済産業省・資源エネルギー庁
新電力とは?安いといわれる理由
新電力は、大手の電力会社と比べて「安い」「選択肢が多い」といわれますが、その背景には制度上の違いと事業モデルの違いがあります。新電力の基本的な定義から、安く電気を使える仕組みやメリット、注意点などを確認していきましょう。
新電力の定義
新電力とは、電力自由化の進展に伴って、小売市場に参入した事業者の総称です。制度上は「登録小売電気事業者」として扱われ、資源エネルギー庁は2026年2月19日時点で、803事業者が登録していると公表しました。
新電力の中には、自社で発電設備を持つ会社もあれば、卸電力市場や発電事業者から電気を調達して販売する会社もあります。
なお、ご家庭まで電気を届ける送配電網は、大手の電力会社と共通のものです。どの小売会社を選んでも、電気の品質や停電のリスクなどは、基本的にどの事業者も変わりません。
新電力の定義や大手電力会社の違いに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
⇒新電力と大手電力の違いについて、もっと詳しく知りたい方はこちら
※出典:登録小売電気事業者一覧|電気事業制度の概要|資源エネルギー庁
新電力のコスト構造
新電力が安いといわれる理由の一つは、事業構造の違いです。大手電力会社のように長年の発電設備や広範な事業基盤を自前で抱えず、小売に軸足を置く事業者は、固定費を抑えやすい傾向があります。
加えて、申し込みや請求・サポートをオンライン中心に設計することで、紙の請求書や、対面窓口の運営費を抑えている会社も少なくありません。
さらに、自由化後は時間帯別料金をはじめ、多様な料金プランを展開する電力会社が増えています。ご家庭の電気の使用傾向に合ったサービスを選択すれば、従来より電気代が安くなる可能性があります。
新電力を利用するメリット
新電力のメリットは、電気代が下がる可能性だけではありません。上記のように、ご家庭の暮らしに合うプランを選びやすい点も魅力です。
新電力のメニューとして、完全従量料金・定額料金・時間帯別・市場連動型など、多様な選択肢があります。
例えば、昼間の在宅が少ないご家庭やオール電化の家庭、ポイント還元を重視するご家庭などでは、一律の料金プランより相性のよい契約を見つけやすいでしょう。電気の使用量に応じて、さまざまなポイントが貯まるプランも少なくありません。
新電力を利用する際の注意点
新電力の利用により、毎月の電気代を抑えられる可能性はあるものの、常に料金が安いとは限りません。契約前に料金の算定方法をはじめ、契約期間・契約解除の条件・割引の対象期間など、きちんと確認しましょう。
キャンペーンの終了後に単価が変わることもあるため、月額の見かけだけで決めないことが大切です。加えて、解約金の有無や支払い方法、問い合わせ窓口の使いやすさも含め、年間コストと運用のしやすさで比較する視点が欠かせません。
⇒新電力のメリット・デメリットについてもっと詳しく知りたい方はこちら
大手電力会社・新電力のどちらがお得?
大手電力会社と新電力のどちらを選ぶべきかは、ご家庭の環境や電力ニーズによって変わってきます。
単価の安さだけではなく、契約条件や手続きのしやすさ、自分の生活スタイルとの相性まで含めて、きちんと検討することが大事です。ここでは、大手の電力会社と新電力、それぞれ向いている人の特徴を解説します。
大手電力会社が向いている人
大手電力会社が向いているのは、料金を細かく最適化するよりも、分かりやすさや安心感を重視したいご家庭です。
多くのご家庭で、長く利用されてきた標準的なプランに近い設計が多く、契約先の知名度も高いため、切り替えに不安がある方には選びやすいでしょう。
また、電力の小売自由化後も、旧一般電気事業者系が市場の大きな部分を占めています。契約面やサポート面での安心感を重視する需要は、一定数あると考えられます。比較や見直しに時間をかけたくない方とも、相性の良い選択肢です。
新電力が向いている人
新電力が向いているのは、毎月の固定費を見直したい方や、複数のプランを比べて自分に合う契約を選びたい方です。毎月の電気使用量が多いご家庭では、単価差が年間コストに効きやすくなります。
またポイント還元や、ガスや通信サービスとのセット、市場価格を見ながら使う市場連動型など、従来より選択肢が広いのも特徴です。
その一方で、料金体系が複雑なプランもあるため、請求明細や契約条件を確認しながら運用できるならば、新電力のメリットを受けやすいでしょう。なお、新電力のメリットやデメリットに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
⇒おすすめの新電力についてもっと詳しく知りたい方はこちら
電力会社を選ぶ際に注目すべきポイント
電力会社を選ぶ際には、単純な料金の安さだけで決めないことが重要です。料金の算定方法や契約期間をはじめ、解約の条件や割引の期間、工事費の有無などを契約前に確認しましょう。
特に、基本料金の有無や従量単価、燃料費調整額の扱いなどは、毎月の請求額に大きく影響します。
さらに、支払方法や電力会社のサポート体制なども、事前に確認が必要です。引越しを機に電力会社を乗り換える場合などは、即日対応が可能な電力会社かどうかもチェックしておきましょう。
なお、電力会社を選ぶ際に注意すべき点に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。こちらも参考にしてみましょう。
⇒電気料金プランや電力会社の選び方について、もっと詳しく知りたい方はこちら
市場連動型プランのLooopでんきも選択肢の一つ
新電力への乗り換えを検討している方は、市場連動型の料金プランのサービスも検討してみましょう。
光熱費を抑えたいと考えている方は、Looopでんきの「スマートタイムONE」を検討してみませんか。このプランは、電気料金が30分ごとに市場価格に合わせて変動する仕組みを採用しており、電気をたくさん使うご家庭でも、料金が安い時間帯を上手に活用すれば無理なく電気代を節約できます。
電気料金は毎月発生する固定的な支出であり、家計に大きな影響を与えるため、管理と最適化が重要です。「スマートタイムONE」は、契約期間に縛りがなく、解約手数料もかかりません。家族の生活スタイルに合わせて、柔軟に利用できる点が特長です。
また、専用アプリを使えば、電気の使い方を効率的に管理できます。電気の使用量や料金を30分ごとに確認でき、月末の電気代を予測して家計の計画を立てやすくなります。お子さまのいるご家庭でも、無駄遣いを防ぎながら安心して電気を使える仕組みが整っています。
実際にLooopでんきを利用しているお客様の声をご紹介します。
「以前契約していたところよりも安く、どのくらい使用してどのくらいの料金だったのかも分かり、前月以降の料金もあって比較が出来て非常にありがたいです。」
「アプリを見ながら家族と使う時間のシフトを楽しんでいます。金曜日は単価をみて土日の予定を立てます。結果に繋がるのがゲーム感覚で楽しい!」
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