長時間つけっぱなしにすることが多い電化製品の一つが換気扇です。一体どれくらいの電気代がかかるのか気になる方は多いのではないでしょうか。
換気扇はトイレやお風呂、キッチンなど家中に複数あるため、全部の換気扇を合わせると電気代がかさむのではないかと心配になる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実際には換気扇の電気料金はそれほど高くはなりません。
換気扇はにおいや湿気を室外に出してくれる優れた機能を持っているため、音が気にならないようであれば長時間運転しておくことも可能です。
この記事では、キッチンやトイレ、お風呂、それぞれの換気扇をつけっぱなしにしたときにかかる電気料金の目安をご紹介します。
また、換気扇を24時間つけておく方が良い理由についても詳しく説明しますので参考にしてください。
換気扇の1カ月あたりの電気代はいくら?
「換気扇は長く回しておきたいけど電気代が気になる」という方は、スイッチのオン・オフを繰り返す人が多いと思います。
しかし、換気扇の電気代はそれほど高くないうえに、後述するように24時間換気をするメリットが多くあります。
ここでは換気扇の1カ月の電気代について、キッチンやトイレ、お風呂の場所ごとの目安を解説します。
キッチンの換気扇の電気代
キッチンの換気扇は調理中に出る湿気や油分、においなどを屋外に排出する大切な役割を持っています。
あるメーカーのレンジフードの場合、「弱」で運転するときの消費電力は30W(※)です。これを24時間使うと電気代は以下のようになります。
30W(0.03kW)×24時間×27円/kWh=約19.4円
なお、電気代を求める計算式は「1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)」、料金単価は1kWhあたり27円/kWhとしています。
この計算式より、1カ月あたりの電気代は約19.4×30日=約583円になることがわかります。
省エネタイプの換気扇であれば常時換気モードの消費電力が5W程度のものもあるので、その場合は電気料金も6分の1になり約97円という安さになります。
ご家庭の換気扇が買い替え時期であれば、省エネタイプの換気扇の購入を検討してみましょう。
トイレの換気扇の電気代
トイレの換気扇は小型のものが多く、ここでは消費電力は3W程度の製品(※)を用います。旧式・最新式とともに消費電力にそれほどの差はありません。
トイレの換気扇を24時間、1カ月つけっぱなしにした場合の電気料金は、次のように算出できます。
3W(0.003kW)×24時間×30日×27円/kWh=58.32円
トイレの換気扇は、つけっぱなしにしても1カ月に約58円という安さです。においを排出し快適に過ごすためにも、つけっぱなしにしておくことをおすすめします。
お風呂の換気扇の電気代
お風呂は湿気が多くこもりやすいため、特に換気扇を活用しておきたい場所です。
お風呂の換気扇は13W程度の消費電力(※)とし、24時間つけっぱなしにしたときの1カ月の電気料金は次のように算出できます。
13W(0.013kW)×24時間×30日×27円/kWh=252.7円
お風呂の換気扇をつけっぱなしにしても、キッチンよりも安く1カ月に250円程度の電気料金であることがわかりました。お風呂の換気扇にも省エネタイプがあるので、もっと電気料金を下げたい方は検討してみましょう。
キッチンやトイレ、お風呂ごとの電気代をまとめると以下のようになります。
換気扇の1カ月あたりの電気代 | ||
---|---|---|
換気扇の場所 | 消費電力 | 1カ月の電気代 |
キッチン | 30W | 583.2円 |
トイレ | 3W | 58.32円 |
お風呂 | 13W | 252.7円 |
換気扇は24時間つけっぱなしがいいの?
換気扇を使わないと住宅にはさまざまな問題が生じます。一般的な木造住宅にとって、屋内にこもる湿気は大敵です。
換気扇を回すと湿気を屋外に出す効果が得られるため、隠れたところにできる結露やカビ防止対策になるでしょう。
また家に帰って玄関のドアを開けた際に、中にいるときには気づきにくいにおいが感じられることもあります。これは、屋内の空気がよどんでいるうえに、知らずに発生しているカビなども原因になっていると考えられています。
換気扇をつけっぱなしにすれば、トイレやキッチンのにおいも気にならなくなるでしょう。しかし、24時間換気扇を回すことで得られるメリットは一つではありません。
ここでは、主なメリットを4つご紹介します。
カビの発生や結露を抑える
換気扇をつけっぱなしにすれば、室内の湿気を常に屋外に出すことができ、湿気が原因でできる結露やカビの発生を抑える効果が得られます。
湿気が多いお風呂には特に効果的で、常に空気が循環することでカビが発生しにくくなるでしょう。
カビの抑制効果は換気扇を運転している間だけなので、やはりつけっぱなしにする方がメリットは大きくなります。
キッチンの大きな換気扇は室内にこもった湿気も排出してくれるため、カーテンのカビ防止や窓の結露なども抑えられることもメリットです。
短時間で換気扇を止めてしまう方が、つけっぱなしにしておくよりも空気の流れが悪くなるのでカビの発生に気をつけなければなりません。
においが充満しない
毎日の生活のなかで、キッチンやトイレなど屋内では場所ごとにさまざまなにおいが発生します。調理中に換気扇を回す方は多いかもしれませんが、キッチンにいないときには消してしまうのではないでしょうか。
しかし、常に換気扇が回っていれば新しい空気と入れ替わり、いやなにおいが充満することもありません。
においが気になってから換気扇を回すのでは、循環するまでには時間がかかってしまいます。24時間つけっぱなしにすれば、いちいちにおいを気にして換気扇のスイッチを入れる必要もなくなります。
換気扇を常に回す場合は弱運転でも効果があるので、運転音はそれほど気にならないでしょう。
家の寿命を伸ばす
木造住宅の場合、湿気は家の材料である木材へ悪影響を与えてしまうおそれがあります。柱や基礎部分が湿気で傷むと、シロアリの発生にもつながる可能性もあるので注意が必要です。
換気扇をつけっぱなしにすれば、屋内の湿気を排出することで木材へのダメージは軽減されます。つまり、換気扇を回すことで住宅自体の寿命を延ばすことにつながります。特に湿気の多いお風呂は、湿気対策が十分でないと家中に湿気が回ってしまいますので注意しましょう。
換気扇を24時間回すのは、家の寿命を延ばしながらもシロアリ対策にもつながる方法なのでおすすめです。
花粉や黄砂を排出する
花粉や黄砂は窓を開けるだけでも室内に入り込みます。また洗濯物にも付着しやすく、外から帰ってきたときには着ていた衣類にもついているので、払い落とすなどの対策が必要です。
しかし、換気扇を回せば空気が循環するため、住宅に入り込んだ花粉や黄砂を屋外に出すことができます。フィルターがついているキッチンの換気扇などは、定期的に交換しきれいな状態で運転しましょう。
24時間換気システムのある住宅の場合でも、十分な湿気やにおい対策をするには換気扇も同時に使うことをおすすめします。その理由については次の項で詳しく説明していきますので参考にしてみてください。
換気扇と24時間換気システムの違い
換気扇と24時間換気システムは同じような機能を持っているイメージがありますが、目的が異なる機器であることを押さえておきましょう。
24時間換気システムは住宅内の空気を常に換気するものです。給気(外気を室内に取り入れること)と、排気(室内の空気を屋外へ出すこと)の方法によって3つのタイプがあります。
- 給気と排気の両方を機械で行うタイプ
環境に左右されないため安定した換気が可能ですが、電気料金が最も多くかかります。 - 給気は機械で、排気は自然換気で行うタイプ
屋外から常時新しい空気を取り込むことができます。 - 吸気は自然換気で、排気は機械で行うタイプ
一般的な住宅で採用されることが多く、最も電気料金が押さえられるタイプです。
24時間換気システムは「常時換気」で家全体をゆっくりと時間をかけて換気します。
窓を開けなくても常に屋内の空気が循環し、一般的には1時間程度を目安に空気の入れ替えが行われます。
一方、換気扇は「局所換気」で、運転を開始すれば短時間のうちに設置した場所周りの空気を入れ替えるものです。
このように目的の異なる24時間換気システムと換気扇を併用すれば、家中の換気をより効率的に行うことができます。住宅用の24時間換気システムの電気代は、一般的に1カ月500円以内が目安となっており、換気扇と併用してもそれほど気にならないでしょう。
なお、お住まいのエリアや電気料金プランによっても電気代は異なりますので、契約内容やどれくらい電気代がかかるのかを確認しておくことをおすすめします。
効率よく換気扇を使うポイント
換気扇を24時間つけっぱなしにする際には、はじめの運転で異常がないかを確認しておきましょう。外出時にも換気扇を回すことになるので、万が一異常音などの不具合が起こると大変です。
また換気扇を24時間つけっぱなしにするなら、より効率的な使い方を押さえておきましょう。
ここでは、換気扇にかかる電気料金を安く抑えながら効率よく換気するポイントをご紹介します。換気扇は密室にしたほうが効果的であることや定期的な掃除の大切さ、強運転よりも弱運転にすることがポイントです。
また、エアコンを使うときにも押さえておきたいポイントについてもお伝えします。
浴室はドアを閉めて密室にする
お風呂の換気をする場合は、入り口のドアを閉めて密室にするのがポイントです。意外かもしれませんが、ドアだけでなく窓がある場合でも同様に閉めておく方が効率的に換気できます。密室にすることで湿気の通り道が一つになるため、排出効果が向上します。
ドアを開けたまま換気扇を回すとお風呂の湿気は洗面所へ逃げ、さらに家中へと広がってしまいます。
しかし、ドアを閉めると湿気は逃げる場所がなくなり効率よく換気することが可能です。これは、お風呂以外の場所にも言えることで、トイレやキッチンなども窓を閉めた状態で換気扇を回すのがおすすめです。
効率のよい換気をしたいのなら、ドアや窓を閉め湿気の逃げ道を作らないようにしましょう。
定期的に掃除しきれいにしておく
換気扇は定期的に掃除をしてきれいにしておくと効率的に換気できるほか、電気代の節約にもつながります。換気扇に油やホコリなどの汚れがたまると、換気扇の動きを妨げてしまい余計に電力を消費して電気代が上がってしまいます。
特に汚れやすいキッチンの換気扇は、汚れ具合に応じて3~6カ月ごとに掃除をしましょう。
掃除をする前には、コンセントからプラグを抜くかブレーカーを下げるなど、作業中に作動することのないように注意しましょう。換気扇の外せないカバーは、洗剤をスプレーするなどして汚れを浮かしてから布で拭き取るのがおすすめです。
外して洗ったフィルターやファンは、よく乾かしてから装着します。
換気扇は製品ごとに構造が異なるので、説明書をよく確認してから掃除しましょう。
エアコンと併用する時は換気扇を「弱」に
エアコンを使用する際には、換気扇も併用することで室内の空気の循環を助けるため、冷暖房の効率も上がります。その際には換気扇の設定を「弱」にすると電気代を節約できるでしょう。
夏にエアコンの冷房で部屋の温度を下げている場合、換気扇の強運転で室内の空気を多く外に出してしまうと、外からの空気も多く取り込まれます。快適に冷やされている室内の温度は外気温で上がってしまうため、再び下げるためにはエアコンは多くの電力を消費してしまうのです。
冬の暖房も同じように、暖めた空気を外に逃がして冷たい空気を取り込むことになるので注意が必要です。
特にキッチンの換気扇は大きいタイプが多いので、つけっぱなしにするなら弱運転でも十分に換気できます。においや湿気などへも十分対処できるので、忘れずに風量設定をしておきましょう。
まとめ
換気扇はほかの電化製品に比べ消費電力が小さいため、24時間つけっぱなしにしても電気代はそれほど高くなりません。 キッチンはレンジフードつきの大きいタイプが一般的ですが、それでも1カ月の電気料金は500円程度が目安です。
先述したようにトイレやお風呂の換気扇を合わせても全部で1カ月1,000円前後なので、長時間つけていても電気代が跳ね上がることはありません。
また換気扇を24時間つけっぱなしにすると、結露やカビを抑制して家の寿命が延びる、におい対策になる、花粉なども排出するといった多くのメリットが得られます。
とは言え、換気扇をつけっぱなしにすると1カ月1,000円程度、年間で12,000円ほどの電気代が増えてしまうのが気になるという方もいらっしゃるでしょう。その場合は、電気代が安い時間帯に使用することで電気代を抑えられるプランもおすすめです。
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