家族の人数が増えると、月々の食費が高くなります。3人家族の1カ月の食費はいくらが理想なのでしょうか?わが家の支出を全国の平均額と比較してみましょう。赤字にならない予算の立て方や無理なく食費を節約するポイントも紹介します。
3人家族の食費の平均額をチェック
食費は、家族構成や年齢、ライフスタイルなどに左右されます。3人家族の場合、1カ月の食費の平均額はいくらになるのでしょうか?全国の平均額とわが家の食費を比較してみましょう。
2022年の平均額は約80,000円
総務省の2022年の「家計調査」によると、3人家族の1カ月の食費(食料)は80,554円でした。2人家族の食費にあたる67,573円(※1)と比べると、12,981円の差です。2021年の3人家族の食費は77,578円(※2)で、1年前よりも2,976円高い結果となりました。
家計の消費支出に占める食費の割合(%)は、エンゲル係数と呼ばれます。所得が上昇すると、総支出に対する食料費の割合が低くなることから、長く生活水準を測る指標とされてきました。ただ、時代の移り変わりとともに消費傾向が変化してきているため、エンゲル係数のみで生活水準を完全に把握することは難しくなってきているともいわれます。
2022年における3人家族の消費支出は304,339円で、エンゲル係数は26.5%でした。エンゲル係数は家族の年齢や地域によっても変わりますが、適正数値は15~20%とされます。25%を超えてくると、他の支出の見直しを迫られやすくなるとされています。「〇%に抑えるのがよい」とは一概にいえませんが、食費を見直す際の1つの目安になるでしょう。
※1 出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-1 世帯人員別 二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)・無職世帯 年次 2022年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
※2 出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-1 世帯人員別 二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)・無職世帯 年次 2021年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
世帯主の年齢階級ごとの平均額
3人家族といっても、家族構成はさまざまです。65歳以上の高齢者がいるご家庭と、育ち盛りの子どもがいるご家庭では、1カ月にかかる食費が大きく変わります。
以下の表は、世帯主の年齢階級ごとの平均額です。世帯人員はちょうど3人ではありませんが、およそ3人として説明をします。
世帯主の年齢 | 世帯人数 | 食費の平均額 |
~29歳 | 2.96人 | 54,810円 |
30~39歳 | 3.67人 | 72,801円 |
40~49歳 | 3.67人 | 83,383円 |
50~59歳 | 3.10人 | 83,962円 |
60~69歳 | 2.60人 | 80,809円 |
70歳~ | 2.35人 | 70,765円 |
食費の平均額が最も低いのが、世帯主の年齢が29歳以下の世帯です。食費の平均額は30歳代、40歳代と上昇して、50歳代がピークとなり、60歳代以降は減少に転じています。
18歳未満の人員数は、~29歳が0.99人、30~39歳が1.65人、40~49歳が1.47人となっており、20~40代の多くは、「親と18歳未満の子ども」の家族構成であることが予想されます。
18歳未満の子どもといっても、ミルクしか飲まない赤ちゃんと、育ち盛りの中学生では食費のかかり具合が違ってくる点に留意しましょう。
出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-2 世帯主の年齢階級別 二人以上の世帯・勤労者世帯・無職世帯 年次 2022年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
3人家族の食費の内訳からわかること
食費を見直す上で重要なのが、「何に・いくらお金を使っているのか」を把握することです。2022年の家計調査において、3人家族の食費の平均は、どのような内訳になっているのでしょうか?
自炊が基本だが調理食品がやや多め
3人家族の食費の平均額は80,554円で、内訳は以下の通りです。
- 穀類:6,552円
- 魚介類:5,963円
- 肉類:8,234円
- 乳卵類:4,075円
- 野菜・海藻:8,942円
- 果物:2,938円
- 油脂・調味料:3,994円
- 菓子類:6,892円
- 調理食品:12,632円
- 飲料:5,360円
- 酒類:3,676円
- 外食:11,296円
金額の高さが目立つのは、調理食品(12,632円)です。調理食品とは、総菜や冷凍食品など、既に調理された食品を指します。調理食品をうまく活用しながら、家事の時短をしていることがうかがえます。
2番目に金額が高いのは、外食費(11,296円)です。3人の食事代を1回あたり4,000~5,000円とすれば、月に2回ほどしか外食をしていない計算となります。ほかの項目に比べると金額は高いですが、無駄遣いをしているとは言い難いでしょう。
※出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-1 世帯人員別 二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)・無職世帯 年次 2022年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
菓子類・飲料・酒類は全体の約20%
菓子類・飲料・酒類の合計金額は15,928円で、食費の約20%を占めています。上記の一覧から抜き出してみると以下の通りです。
- 菓子類:6,892円
- 飲料:5,360円
- 酒類:3,676円
菓子類・飲料・酒類は、栄養の摂取を目的としない「嗜好品」です。食費を節約するなら、嗜好品から見直すのが望ましいでしょう。
ただし、菓子類や酒類は、ストレスが溜まったときや一息つきたいときの心の安定剤でもあるため、我慢のしすぎは逆効果です。ディスカウントストアで購入したり、1回あたりの量を減らしたりして、無理なく節約できる方法を考えましょう。
子どもの年齢によっても食費が変わる
食費は、子どもの年齢によっても変わります。内閣府の「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」では、子どもの年齢が上がるにつれて食費も上がることがわかっています。
例えば、0歳児はミルクや離乳食が中心のため、食費は年間111,126円しかかかりません。6歳児になると年間256,263円となり、小学5年生では年間307,094円もの食費がかかります。
食費のピークは中学3年生の年間369,492円です。内訳は、家庭内での食事代・弁当材料費が238,176円、外食費が75,973円、おやつ・間食代が55,343円です。
※出典:平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査 全体版(PDF): 子ども・子育て本部 - 内閣府
赤字にならない予算の立て方・管理術は?
食費のやりくりがうまくいかないと、貯金ができないどころか、家計が赤字になってしまいます。月末の家計に余裕を持たせるためにも、予算をしっかりと決め、お金の流れを可視化しましょう。
収入から1カ月の予算を決める
まずは、1カ月の食費の予算を決めましょう。3人家族の理想の食費割合は、収入(手取り金額)の15~20%といわれています。
例えば、世帯収入が500,000円の場合、1カ月の食費の目安は75,000~100,000円です。世帯収入が300,000円の場合は、45,000~60,000円に収める工夫をしましょう。
予算内に収めるのが難しいときは、固定費の1つである「住居費」を見直します。食費と住居費の合計を収入の50%以下に抑えられれば、切り詰めた生活をせずに済むでしょう。
⇒食費の平均・適正割合についてもっと詳しく知りたい方はこちら
月の予算を5週に分ける
1カ月の食費の予算は、5週に分けてやりくりするのがポイントです。1カ月を35日間として予算を立てると、第1週目または第5週目に数日間の余裕が生まれます。
食費がギリギリにならずに済む上、余った食費で調味料や乾物、レトルト食品などのストックが購入できるでしょう。
食費の予算を決めたら、1週間分の献立を先に立てるのがベストです。買うべき食材をリストアップしてまとめ買いをすれば、無駄なものを買わずに済みます。
家計簿アプリでお金の流れを可視化する
家計管理に欠かせないアイテムといえば、「家計簿」です。家計簿をつけると、お金の流れが可視化され、いつ・何に・いくら使っているのかがひと目でわかるようになります。計画的なお金を使い方が身に付き、無駄遣いが減るでしょう。
家計簿のタイプには、「紙の家計簿」と「家計簿アプリ」の2種類があります。どちらを使っても構いませんが、三日坊主になりやすい方やキャッシュレス決済がメインの方には、アプリがおすすめです。
買い物をしたその場で入力できる上、日別・週別・月別の自動集計機能が搭載されています。クレジットカードや銀行口座と連携が可能なタイプなら、自動で支出が記録されるため、入力の手間がかかりません。
3人家族の食費を無理なく節約するヒント
食費の平均額を見る限り、多くのご家庭は自炊が中心で、外食で無駄遣いをしているわけではないことがうかがえます。食事の量を極端に減らしたり、外食を我慢したりせず、無理なく食費を抑えるヒントを紹介しましょう。
価格が手ごろで栄養価が高い食材を使う
育ち盛りの子どもがいるご家庭は、限られた食費をうまくやりくりし、食事の量と質をキープしなければなりません。
「節約しすぎて、栄養バランスが崩れた」という結果にならないように、値段が手頃で栄養価が高い食材を積極的に使いましょう。
- 鶏むね肉
- 大豆製品(おから・豆腐・納豆など)
- 魚の缶詰
- きのこ類
鶏むね肉は、鶏もも肉よりも値段がリーズナブルで、良質なタンパク質が豊富に含まれています。パサパサとした食感が気になる方もいますが、低温でゆっくり加熱したり、マヨネーズをもみ込んで焼いたりすれば、ぱさつきが気になりません。
おからや豆腐は、かさ増し食材として使えます。ハンバーグやお好み焼きなどに混ぜると、肉が少なくても満足感を得られるでしょう。
プライベートブランドの商品を選ぶ
スーパーで買い物をする際は、できるだけ「プライベートブランド(PB)」の商品を選びましょう。一般的な商品よりも価格帯が安く、食費の削減につながります。
プライベートブランドとは、スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアなどの小売業者が独自に企画・開発をした商品です。原材料の一括仕入れや広告宣伝費の削減などにより、商品の低価格化を実現しています。
店舗では、プライベートブランド商品が広告の役割を果たしているため、価格はもちろん、品質面や安全面でも満足できるでしょう。食品だけでなく、衣類や日用品までを幅広く手掛けるプライベートブランドもあります。
1週間に買い物する回数を決める
食費の節約は、週に数回のまとめ買いが基本です。一般的な3人家族なら、1週間に1~2回程度で十分でしょう。スーパーに長居しないためにも、あらかじめ1週間分の献立を立て、必要な食材をリストアップしておきます。
特売日のチラシが入るたびに買い物に行くと、「あれも安い」「これも買っておこう」と次々に商品に手を伸ばしてしまいます。無駄遣いが多くなり、あっという間に予算がオーバーするでしょう。
安い食材を求めてスーパーをはしごする方もいますが、交通費やガソリン代、時間をロスしてしまいます。店舗ごとのポイントも分散するため、できるだけ行きつけのスーパーを決めておくのが賢明です。
値上げ幅が小さい食品をチェックする
原材料費の高騰や円安などの影響で、食材の値上げラッシュが続いています。3人家族は食費がかさみやすいため、値上げ幅が小さい食品を狙って買い物をしましょう。
狙い目は、国産の野菜や米です。輸入小麦を原料とするパンやパスタは、円安の影響で価格が上がっています。パンの付け合わせとなる卵やハムなども値上がりしているため、お米を食べる生活に切り替えるのもよいでしょう。
海藻・梅干し・緑茶・こんにゃく・ひじき・干ししいたけといった「和の食材」は、値上げ幅が小さい傾向があります。
野菜は旬のものを選ぶのがポイントです。旬の野菜は美味しくて栄養価が高い上、価格もリーズナブルです。春ならキャベツや新じゃが、夏ならトマトや枝豆などを使いましょう。
食費を削る前に固定費を見直そう
子どもがいるご家庭は、食費を大きく削るのは望ましくありません。食品の価格が上がる中、食費を切り詰めるよりも、月々の固定費を見直した方がストレスが少ないでしょう。
固定費とは、毎月の出費が決まっている支出項目です。代表的なものには「通信費」「保険料」「電気代」などがあり、一度見直せば節約効果が長く続きます。
通信費
通信費は、節約効果が表れやすい項目の1つです。複数社を比較して、自分たちのライフスタイルに合ったプランを選びましょう。通信費を節約するポイントは以下の通りです。
- スマホは、大手キャリアから格安SIMに乗り換える
- 家族で同じキャリアを契約し、スマホの家族割を享受する
- スマホとインターネット回線のセット割を活用する
- 料金が安いインターネット回線に乗り換える
「格安キャリアなのに、なぜかスマホ代が高い」という方は、留守番電話サービスや割り込み通話サービスといったオプションを見直しましょう。各種オプションは数百円程度ですが、複数契約すると相当な額になります。
保険料
保険料は、損害保険と生命保険に大別されます。損害保険は、突然の事故やトラブルによって生じた法律上の損害賠償責任をカバーするための保険で、代表的なものには「自動車保険」があります。
車を保有している世帯は、代理店型からダイレクト型の自動車保険に切り替えましょう。ダイレクト型は、店舗を通さずに保険会社と直接契約する方法で、保険料がリーズナブルなのが特徴です。
生命保険は、人生の節目やライフステージごとに見直すのが鉄則です。「保障内容が時代のニーズに合っていない」「保険料が家計を圧迫している」という場合は、プランの変更や保険料の減額を検討する必要があります。
日本には「高額療養費制度」があるため、民間の医療保険は必ずしも必要ではありません。保険料を払う代わりに、その分を貯金に回す手もあり、万が一の備えをどうするかはご家庭ごとに異なります。
電気代
2022年の家計調査によると、3人家族における「光熱・水道費」の1カ月の平均額は25,657円で、内訳は以下の通りです。
- 電気代:13,157円
- ガス代:5,555円
- 他の光熱:1,445円
- 上下水道料:5,500円
最も金額が高いのが「電気代」です。ライフスタイルや習慣を大きく変えずに電気代を抑えるなら、電力会社やプランの見直しを検討しましょう。
例えば、電力使用量がそれほど多くないご家庭の場合、アンペア数を今よりも1段階下げると、月々の基本料金が安くなります。
新電力会社の中には、基本料金や燃料費調整額がかからない電力会社もあります。ポイント還元率が高いプランや電気とガスのセットプランを選択するのもよいでしょう。
※出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-1 世帯人員別 二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)・無職世帯 年次 2022年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
日々の積み重ねが大きな節約効果を生む
家族の人数が増えれば増えるほど、月々の食費は高くなります。特に、育ち盛りの子どもがいるご家庭では、1日3食のほかにおやつや間食代がかさみ、あっという間に予算をオーバーしてしまうでしょう。
食費は収入の20%以内に抑えるのが理想ですが、極端な節約はストレスが溜まります。食費だけでなく、住居費や保険料、電気代などの固定費も見直しましょう。
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電気料金は毎月発生する生活コストであり、家計を圧迫していると感じる方は今すぐにでも見直したい支出の1つです。
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(20代 / 女性 / 1人暮らし)
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