「電気代が高い気がする」と感じたら、契約アンペアを見直すのがおすすめです。60アンペアは一般家庭で契約できる中では上限に近い容量であり、利用状況によっては基本料金が割高になることもあります。本記事では、主要電力会社の基本料金や最適な契約アンペアの決め方を解説します。
契約アンペアと基本料金の関係
電力会社によっては、電気の使用量だけでなく契約アンペアによっても毎月の基本料金が決まります。契約アンペアの仕組みや料金制度の違い、確認方法について整理していきます。
契約アンペアとは
契約アンペアとは、ご家庭で一度に使用できる電気の上限を示す数値です。契約アンペアが大きいほど多くの電化製品を同時に使えます。
契約アンペアを超えて電気を使用すると、アンペアブレーカーが作動し、自動的に電気が遮断されます。これは過負荷を防ぎ、安全に電気を使うための仕組みです。
契約アンペアは日常生活に直結するため、家族構成や電化製品の使用状況に応じて適切に設定することが大切です。
アンペア制と最低料金制の違い
電気の基本料金は、「アンペア制」または「最低料金制」のいずれかで決まるのが一般的です。
アンペア制は契約アンペアに応じて基本料金が決まるため、契約アンペアを下げれば、その分基本料金も安くなります。一方の最低料金制は、契約アンペアにかかわらず一定の基本料金がかかり、電気を使った分だけ従量料金が加算される仕組みです。
アンペア制を採用している大手電力会社 | 北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・九州電力 |
最低料金制を採用している大手電力会社 | 関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力 |
自宅の地域や利用状況によってどちらの仕組みかを理解しておくことで、契約内容の見直しや節約につなげやすくなります。
現在の契約アンペアの調べ方
自宅の契約アンペアは、いくつかの方法で簡単に確認できます。最もわかりやすいのは、分電盤に設置されているアンペアブレーカーを見る方法です。ブレーカーに「30A」「40A」などと表示されています。
また、毎月届く「検針票(電気ご使用量のお知らせ)」や、電力会社のWeb検針票にも契約アンペアが記載されています。東京電力などでは、契約内容の欄に明記されているため、書類を確認するだけで把握することが可能です。
最近は紙の検針票が廃止されているケースも多く、電力会社の会員サイトやアプリで契約アンペアを確認できるようになっています。これらの方法により、自宅が何アンペア契約になっているかを正確に把握できます。
⇒検針票についてもっと詳しく知りたい方はこちら
主な電力会社における60アンペアの基本料金
アンペア制を採用している電力会社では、契約アンペアが60アンペアの場合、基本料金はどのくらいになるのでしょうか。主要電力会社の契約アンペアと基本料金の関係をご紹介します。
なお、以下でご紹介する従量電灯Bとは、主に一般家庭や商店・事務所などで使われる電気料金プランです。契約アンペアの範囲は10~60Aとなっています。
【東京電力】60アンペアの基本料金
東京電力エナジーパートナーが提供する従量電灯Bでは、基本料金が次のように設定されています。
契約アンペア | 基本料金(税込) |
---|---|
10A | 311.75円 |
15A | 467.63円 |
20A | 623.50円 |
30A | 935.25円 |
40A | 1,247.00円 |
50A | 1,558.75円 |
60A | 1,870.50円 |
【中部電力】60アンペアの基本料金
中部電力ミライズの従量電灯Bにおける基本料金は以下の通りです。
契約アンペア | 基本料金(税込) |
---|---|
10A | 321.14円 |
15A | 481.71円 |
20A | 642.28円 |
30A | 963.42円 |
40A | 1,284.56円 |
50A | 1,605.70円 |
60A | 1,926.84円 |
【東北電力】60アンペアの基本料金
東北電力が提供する従量電灯Bでは、基本料金が次のように設定されています。
契約アンペア | 基本料金(税込) |
---|---|
10A | 369.60円 |
15A | 554.40円 |
20A | 739.20円 |
30A | 1,108.80円 |
40A | 1,478.40円 |
50A | 1,848.00円 |
60A | 2,217.60円 |
※出典: 従量電灯B|東北電力
【九州電力】60アンペアの基本料金
九州電力の従量電灯Bにおける基本料金は以下の通りです。
契約アンペア | 基本料金(税込) |
---|---|
10A | 316.24円 |
15A | 474.36円 |
20A | 632.48円 |
30A | 948.72円 |
40A | 1,264.96円 |
50A | 1,581.20円 |
60A | 1,897.44円 |
自宅に合った契約アンペアを決める基準
契約アンペアは、ご家庭の電気の使用量や生活スタイルに合わせて選ぶことが重要です。必要以上に大きなアンペアで契約すると基本料金が割高になりますが、逆に小さすぎるとブレーカーが頻繁に落ちて不便になります。
ここでは、世帯人数ごとの目安や同時に使う電化製品の合計アンペア数を基準に、最適な契約アンペアを見極める方法を解説します。
世帯人数ごとの契約アンペアの目安
最適な契約アンペアの決め方として、世帯人数に応じて必要な容量を見極める方法があります。人数が多いほど電化製品の使用量が増えるため、通常はより高いアンペアが必要です。世帯人数ごとの契約アンペアの目安を整理しました。
世帯人数 | 契約アンペアの目安 |
---|---|
一人暮らし | 20~30A |
2人世帯 | 30~40A |
3~4人世帯 | 40~50A |
5人以上世帯 | 50~60A |
また、オール電化の場合はより多くの電気を使うため、ガス併用の場合より契約アンペアが高めになります。オール電化で必要な契約アンペアは60Aといわれていますが、世帯人数によっては60以下で済む場合や60Aでは足りない場合もあります。
⇒オール電化の契約アンペアについてもっと詳しく知りたい方はこちら
同時に使う電化製品のアンペア数の合計
契約アンペアを決める際には、実際にどの電化製品を同時に使うかを考えることも重要です。電化製品ごとに必要なアンペアは異なり、複数を同時に使用すると合計が契約アンペアを超えてブレーカーが落ちる原因となります。
電化製品 | アンペアの目安 |
---|---|
IHクッキングヒーター | 14~20A |
電子レンジ | 15A前後 |
ドライヤー | 12A前後 |
アイロン | 10A前後 |
掃除機 | 10A前後 |
電気ポット | 8~10A |
エアコン(冷房・暖房) | 6~12A |
洗濯機(全自動) | 3~6A |
炊飯器 | 5A前後 |
冷蔵庫 | 2~3A |
テレビ | 2A前後 |
パソコン | 1~2A |
照明(1部屋) | 1~2A |
例えば、電子レンジやドライヤーは使用する電力が大きく、短時間でも負荷がかかります。下記の表を参考に、自宅の生活スタイルに合わせて同時に使用する電化製品の合計アンペア数を計算し、適切な契約容量を判断しましょう。
契約アンペアに関する注意点
契約アンペアに関して注意すべきポイントを以下にまとめました。事前に確認しておくと安心です。
契約アンペアの変更後はすぐに再変更できない
電気の契約は年間契約が基本となっているため、契約アンペアを頻繁に変更することは原則として不可能です。エアコンを使う夏や冬だけ契約アンペアを上げ、その他の時期に下げるといった柔軟な運用はできません。
契約アンペアを上げると、電力会社によっては1年間再変更ができない場合もあり、基本料金も高いままとなるため、安易に変更せず慎重な検討が求められます。
賃貸物件では契約アンペアを変更できない場合がある
賃貸住宅では、入居者の判断だけで契約アンペアを変更できない場合があります。無断で変更するとトラブルにつながる可能性もあるため、変更を希望する場合は大家や管理会社に確認しましょう。
また、退去時には原状回復として契約アンペアを元に戻すよう求められるケースもあります。このように、賃貸物件ではさまざまなルールが設定されていることが多いため、入居前に確認しておくと安心です。
契約アンペアの変更以外で電気代を抑える方法
光熱費を節約するには、必ずしも契約アンペアの変更に頼る必要はありません。最低料金制の電力会社と契約しているご家庭では、契約アンペアを変えても効果がないため、以下で紹介する別の方法を取り入れるとよいでしょう。
電化製品の使い方を見直す
頻繁にブレーカーが落ちる場合は、電化製品の使い方を見直してみましょう。例えば、電子レンジ・ドライヤー・エアコンを同じ時間帯に使用するのは避け、時間をずらして使うことで電気の使用を分散できます。
ブレーカーが落ちなくなれば、契約アンペアを上げる必要がなくなり、基本料金を据え置いたままにすることが可能です。電化製品の使用を上手に分散することで、逆に契約アンペアを下げられるケースもあります。
古い電化製品を買い替える
近年の電化製品は省エネ性能が大幅に向上しており、最新モデルへの買い替えによって電気代を抑えられるケースが増えています。購入時には費用がかかりますが、長期的に見ると節約効果を期待できるでしょう。
東京都では「東京ゼロエミポイント」という制度を実施しており、省エネ性能の高いエアコン・冷蔵庫・給湯器・LED照明器具を対象にポイントが付与されます。買い替えを検討する際は活用するのがおすすめです。
※出典: 東京ゼロエミポイント【公式】
電力会社を変更する
2016年の電力小売自由化により、一般家庭でも電力会社を自由に選べるようになりました。今より電気料金が安い電力会社に変更すれば、電気代を節約できる可能性があります。
最近では、電気とガスをまとめて契約できるセットプランが増えており、光熱費を一括管理できるうえに料金の割引が受けられる場合もあります。また、市場価格に連動する料金プランを提供している会社もあり、電気を使う時間帯を工夫することで、効率的に電気代を抑えることが可能です。
⇒電力の自由化に関するメリット・デメリットについて詳しく知りたい方はこちら
⇒電気を切り替えるメリット・デメリットについて詳しく知りたい方はこちら
⇒新電力と大手電力の違いについて詳しく知りたい方はこちら
最適な契約アンペアを見極めて電気代を節約
契約アンペアはご家庭の電気代に直結する重要なポイントです。世帯人数や同時に使う電化製品の合計アンペアを踏まえて適切な容量を選ぶことで、無駄な固定費の発生を防げます。
さらに、電化製品の使い方や買い替え、電力会社の変更などを組み合わせれば、より効果的に電気代を抑えることが可能です。
光熱費を抑えたいと考えている方は、Looopでんきの「スマートタイムONE」を検討してみませんか。このプランは、電気料金が30分ごとに市場価格に合わせて変動する仕組みを採用しており、電気をたくさん使うご家庭でも、料金が安い時間帯を上手に活用すれば無理なく電気代を節約できます。
電気料金は毎月発生する固定的な支出であり、家計に大きな影響を与えるため、管理と最適化が重要です。「スマートタイムONE」は、契約期間に縛りがなく、解約手数料もかかりません。家族の生活スタイルに合わせて、柔軟に利用できる点が特長です。
また、専用アプリを使えば、電気の使い方を効率的に管理できます。電気の使用量や料金を30分ごとに確認でき、月末の電気代を予測して家計の計画を立てやすくなります。お子さまのいるご家庭でも、無駄遣いを防ぎながら安心して電気を使える仕組みが整っています。
実際にLooopでんきを利用しているお客様の声をご紹介します。
「以前契約していたところよりも安く、どのくらい使用してどのくらいの料金だったのかも分かり、前月以降の料金もあって比較が出来て非常にありがたいです。」
「アプリを見ながら家族と使う時間のシフトを楽しんでいます。金曜日は単価をみて土日の予定を立てます。結果に繋がるのがゲーム感覚で楽しい!」
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