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再エネ賦課金の写真 再エネ賦課金の写真

太陽光発電の導入を検討しているなら、FITや売電価格について理解しておくのがおすすめです。近年は発電した電気を売るより、使った方がお得になる傾向があります。2024年度の売電価格やFITの仕組み、自家消費のメリットなどを見ていきましょう。

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2024年度のFITを理解するポイント

そもそもFITとはどのような制度なのでしょうか。自宅に太陽光発電システムを設置しようと考えているなら、発電した電気が売れる仕組みをしっかりと理解しておきましょう。

そもそもFITとは

FIT(Feed-in Tariff)は、再生可能エネルギーで発電された電気を電力会社が固定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。日本では2012年7月に「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」としてスタートしました。
FITが始まった背景には、エネルギー自給率の低さや地球温暖化があります。国内における安定的なエネルギーの供給や、火力発電による環境への負荷の低減を図るためには、再エネ発電の普及が不可欠です。
しかし、再エネ発電は設備に大きな費用がかかる上、火力発電などに比べ発電効率も低いデメリットがあります。これらの理由によりなかなか広まらなかった再エネの普及を促進するために、FITが開始されました。
一般的に住宅用と呼ばれる10kW未満の区分でFIT認定を受けた場合、固定価格で買い取ってもらえる期間は10年間です。太陽光発電を導入した年の売電価格が10年間適用されます。

全量売電と余剰売電

売電の種類には、全量売電と余剰売電の2種類があります。それぞれの意味は次の通りです。

  • 全量売電:太陽光発電で発電したすべての電気を電力会社に売電する仕組み
  • 余剰売電:太陽光発電で発電した電気を、設備を設置しているご家庭で自家消費し、余った電気を電力会社に売電する仕組み

10kW未満と産業用の10~50kW未満の太陽光発電は余剰売電の対象となっているため、住宅用として導入する太陽光発電は、原則として自家消費の余り分を電力会社に売ることになります。

2024年度の売電価格と今後の傾向

自宅に太陽光発電を導入すれば、発電した電気を電力会社に買い取ってもらったり、電気を自家消費して電気代の削減につながるメリットがあります。太陽光で発電した電力を自家消費した後、余剰分を電力会社に買い取ってもらうのが、売電収入を得る仕組みです。
ただし、売電価格は年々減額傾向にあり、以前ほどの収入は期待できない状況です。2024年度の太陽光発電の売電価格と、売電価格の下落が続いている理由をご紹介します。

2024年度の太陽光発電の売電価格

FIT価格は、設備容量や設置場所によって区分されています。2024年度の住宅用(10kW未満)の売電価格は、1kWhあたり16円に設定されています。この価格は2023年度から据え置きとなっています。
2025年度については、10kW未満の区分で売電価格が15円/kWhに減額されることが決定しています。
FIT制度における調達期間(買取期間)は、太陽光発電の場合、設備容量によって異なります:

  • 10kW未満の住宅用太陽光発電システムの場合、調達期間は10年間です。
  • 10kW以上の事業用太陽光発電システムの場合、調達期間は20年間となっています。

この調達期間中、認定を受けた太陽光発電設備は、固定価格で電力会社に電気を売ることができます。調達期間は、FIT認定を受けてから開始されます。
なお、FIT制度は2012年7月に導入され、再生可能エネルギーの普及を促進するために設計されました。この制度により、太陽光発電システムの所有者は長期的な収益計画を立てることが可能となり、初期投資の回収を容易にすることで、再生可能エネルギーの普及を後押ししています。
※出典: 買取価格・期間等|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー

売電価格は年々減額傾向

太陽光発電の売電価格は年々引き下げられています。現在の固定価格買取制度がスタートしてからの、売電価格(10kW未満、出力制御対応機器設置義務なし)の推移を見ていきましょう。

  • 2012年度:42円/kWh
  • 2013年度:38円/kWh
  • 2014年度:37円/kWh
  • 2015年度:33円/kWh
  • 2016年度:31円/kWh
  • 2017年度:28円/kWh
  • 2018年度:26円/kWh
  • 2019年度:24円/kWh
  • 2020年度:21円/kWh
  • 2021年度:19円/kWh
  • 2022年度:17円/kWh
  • 2023年度:16円/kWh
  • 2024年度:16円/kWh
  • 2025年度:15円/kWh

毎年1~4円減額されており、2024年度のみ前年度からの据え置きです。2025年度は再び減額となり、15円/kWhになることが決定しています。

売電価格の下落が続いている理由

売電価格が年々引き下げられている理由の1つに、太陽光発電の導入費用が下がっていることが挙げられます。
FITがスタートした当初は、太陽光発電の導入費用が高かったため、売電価格を高水準にしなければ収益の確保が難しいとされていました。しかし、太陽光発電の導入費用が下がっていることから、売電価格も徐々に減額されていると考えられます。
また、再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)による負担が増していることも、売電価格の下落が続いている理由です。
再エネ賦課金は再エネ発電の電気を買い取るための費用であり、電気料金に上乗せして徴収されています。FITの原資も再エネ賦課金です。
太陽光発電の普及により再エネ賦課金は年々上昇しており、これを抑制するために国が売電価格を下げています。

売電収入を増やすコツ

売電収入は工夫次第で増やすことが可能です。FITの売電価格は変えられないため、いかにして発電量を増やすかがポイントになります。売電収入を増やすコツを押さえておきましょう。

節電で余剰電力を増やす

太陽光発電により発電した電気は、自家消費で余った分を電力会社に売ります。従って、自家消費分を減らせば余剰電力が増え、売電収入も増えることになります。
自家消費分の電力を減らすために必要なのは、日々の節電を意識することです。使わない照明の電源を切るなど、電化製品の使い方を見直しましょう。
なお、電力会社によっては、FITの売電価格より高く買い取ってくれるケースもあります。余剰電力をより高く売れる電力会社を探してみるのも1つの方法です。

発電量を落とさないようにする

売電収入を増やすコツとしては、太陽光発電による発電量が減らないようにすることも挙げられます。機器の故障や汚れは、発電量の低下につながりかねません。
太陽光パネルの状態や電力モニターの状況を小まめにチェックし、発電量が落ちる前にメンテナンスを実施しましょう。保証期間内なら機器の故障は無償で直してもらえます。
また、発電効率の高い設備を選ぶのもおすすめです。面積あたりの発電量や電力変動率は設備により異なるため、コストパフォーマンスの良い設備を導入するとよいでしょう。

太陽光発電は売電から自家消費へ

売電価格が高かった頃は電気を売ったほうがお得でしたが、売電価格が下がっている現在は自家消費のほうがお得であるといえます。今後は売電から自家消費へシフトすると考えられる理由を見ていきましょう。

2019年から卒FITが発生

卒FITとは、10年間の買取期間が経過してFITの適用が終わることです。2019年から卒FITが発生しています。
卒FIT後も電気を売ることは可能ですが、2019年以降に卒FITを迎えた方にとって、卒FIT後の売電価格は格安です。卒FIT後の売電によるお得感は得にくいでしょう。
このような理由により、すでにFITの適用が終わっている方の中には、「売電を続けるより自家消費に回したほうがお得だ」と考える方が多いと考えられます。
卒FITについてもっと詳しく知りたい方はこちら

現在は売るより使ったほうがお得

これから太陽光発電を導入する場合、FITの適用を受けても売電価格は16円/kWh以下です。一般的な電気料金の単価は31円/kWh程度であるため、すでに売電価格が電気料金を下回っています。
自家発電した電気が一般的な電気料金より高額で売れた場合は、売電によるお得感を得られるでしょう。しかし、今の傾向では31円/kWh以上で売れることはもうないと考えられるため、今後は余剰電力を売るより使ったほうがお得であるといえます。

蓄電池の普及

近年は蓄電池の価格が安くなっており、太陽光発電と一緒に導入するケースも増えています。蓄電池が普及してきたことも、売電から自家消費へシフトする理由の1つです。
蓄電池があれば発電した電気を溜めておけるため、天気や時間帯により電気を使い分けられるようになります。夜間や雨天時の自家消費が可能になるのです。蓄電池なしの場合、余剰電力は売電するしかありません。
なお夜間に電気料金が安くなるプランを利用しているなら、夜間の安い電気を購入して蓄電池に溜めておき、電気料金が高い時間帯に使うという節約方法もあります。

太陽光発電を自家消費メインにするメリット

太陽光発電による電気をできるだけ自家消費に回すメリットをご紹介します。売電を重視して導入を検討している方は、自家消費にもメリットがあることを知っておきましょう。

電気代を節約できる

太陽光発電を自家消費メインにする大きなメリットは、電気代の節約につながることです。蓄電池を活用して買電を減らせば、工夫次第で電気代0円も目指せます。
近年は電気料金が高騰しており、いつになったら落ち着くのか先が見えない状況です。太陽光発電を導入していないご家庭では、電気料金の高騰が家計を直撃することになります。
一方、自家発電の電気を使える場合は、電気料金の高騰の影響を最小限に抑えることが可能です。今後は買電量を減らせる太陽光発電の価値が、ますます高まっていくでしょう。

災害時の備えになる

自家発電した電気を蓄電池に溜めておけば、災害時の備えになります。停電で電気を買えない状況でも、蓄電池の電気でしのぐことが可能です。
近年は自然災害による大規模停電が増えており、防災意識がより高まっています。太陽光発電と蓄電池があれば、停電になっても慌てることなく生活できるでしょう。
なお、簡易的な備えは太陽光発電の非常用コンセントで対応可能です。停電時に手動で自立運転モードに切り替えることで、生活に必要な多くの電化製品を使えるようになります。

売電価格を知り太陽光発電を導入しよう

2024年度の売電価格は16円/kWhです。売電価格は年々減額傾向にあり、FITがスタートした当初に比べ、大幅に安くなっています。
ただし、今後は自家消費の価値が高まっていくと予想されるため、売電にこだわる必要はないといえます。太陽光発電を自家消費メインにするメリットを理解し、蓄電池とセットで導入することを検討しましょう。

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