オール電化の契約アンペア数はどのくらい？世帯人数別の目安をご紹介

契約アンペア数はどのご家庭でも設定されているものですが、今まで意識したことがなかったという方もいるのではないでしょうか。オール電化の契約アンペア数について知る前に、まずは契約アンペア数とは何かを見ていきましょう。

アンペア（A）とは、電気が流れる量を表す単位です。アンペアの数値が大きいほど、より多くの電流が流れます。
「アンペア（A）×ボルト（V）」の式で求められるのが、電力を表すワット（W）です。ボルト（V）とは電気を押し出す力（電圧）の単位であり、どれだけの電圧でどれだけの電流が流れたかをワット（W）で表します。
日本の一般家庭で標準的に使用される電圧は100Vです。消費電力1,000Wのドライヤーを使う場合、1,000W÷100V=10Aの電流が必要になります。

契約アンペア数とは、ご家庭で一度に使用できる電気の量の上限です。電力会社と電気の契約を交わす際は、契約アンペア数を決める必要があります。
例えば、電圧が100Vで契約アンペア数が30Aの場合、一度に使用できる電力の上限は100V×30A=3,000Wです。契約アンペア数を超える電気が一度に使われると、ブレーカーが落ちて停電します。
一度に多くの電化製品を使うご家庭では、頻繁にブレーカーが落ちて不便になることがないよう、適切なアンペア数を選ぶことが大切です。

電力会社の料金形態は、一般的にアンペア制または従量制のいずれかが採用されています。アンペア制は契約アンペア数で基本料金が決まるタイプ、従量制は基本料金が契約アンペア数によらず、使用電力量に応じて料金が変動するタイプです。
アンペア制を採用している電力会社では、契約アンペア数が上がると基本料金も高くなります。一度に使用する電化製品が多いからといって、必要以上に契約アンペア数を上げると、無駄な電気代を支払うことになりかねないのです。
逆に、普段の生活でブレーカーが落ちることがないなら、契約アンペア数を下げられる可能性があります。電気代の無駄を減らすためには、自宅に合った契約アンペア数の見極めが重要です。

自宅の契約アンペア数は、検針票（電気ご使用量のお知らせ）で確認することが可能です。検針票（電気ご使用量のお知らせ）が発行されない場合は、電力会社のWebサイトにログインし、マイページのWeb検針票を見ればわかります。
また、電力会社によっては分電盤のアンペアブレーカーで契約アンペア数を確認できる場合もあります。ブレーカーの近くに契約アンペア数が表示されていたり、契約アンペア数に応じてブレーカーに色分けされていたりするケースです。
例えば、東京電力ではアンペアブレーカーの色を以下のように色分けしています。

契約アンペア数は、電力会社に申し込めば変更できます。基本的に費用は無料ですが、契約内容や設備の状況によっては費用がかかることもあります。
また、契約アンペア数の変更は原則として年1回までとされているため、変更のタイミングには注意が必要です。
なお、電力会社の変更と同時に契約アンペア数も変えたい場合、それができるかどうかを切り替え先の電力会社に確認しましょう。切り替えと同時に契約アンペア数を変更できない場合があるためです。
切り替えと契約アンペア数の変更を同時にできない場合は、現在の電力会社であらかじめ契約アンペア数を変更してから、あらためて切り替え先の電力会社に申し込む必要があります。

オール電化にすると、今までガスを使っていた部分も電気を使うようになるため、契約アンペア数を上げなければならなくなるのが一般的です。オール電化における契約アンペア数の決め方を解説します。

オール電化の契約アンペア数で悩む場合は、次に挙げる世帯人数別の目安を参考にするのがおすすめです。

• 1人世帯：30～40A
• 2人世帯：40～50A
• 3人世帯：50～80A
• 4人以上世帯：60～100A

オール電化で必要な契約アンペア数の目安は60Aといわれていますが、1～2人世帯の場合は60A以下で済むケースがほとんどです。逆に世帯人数が3人以上になると、60Aでは足りない場合も多いでしょう。

一度に使う可能性がある電化製品のアンペアを合計すれば、契約アンペア数を見極めやすくなります。消費電力が大きい主な電化製品のアンペアの目安は次のとおりです。

• IHクッキングヒーター：15A
• 電子レンジ：15A
• アイロン：14A
• 炊飯器：13A
• 食器洗い乾燥機：13A
• 浴室乾燥機：13A
• 掃除機：12A
• ドライヤー：12A
• 電気ケトル：11A
• 電気ヒーター：10A
• エアコン：8A

電化製品を使うタイミングをずらすことで、電気の同時使用量を減らせます。契約アンペア数を下げたい場合は、電化製品の使い方を工夫するとよいでしょう。

オール電化にすると、電気とガスの併用より光熱費が下がる可能性がある反面、何も考えずに電気を使えばガス併用より光熱費が高くなってしまうこともあります。オール電化で電気代を抑えるコツを見ていきましょう。

オール電化向けの電気料金プランは、一般的に夜間の電気料金を割安に設定しています。エコキュートや蓄熱暖房機でお湯や熱を夜間につくるのが基本であるためです。
逆に日中の電気料金は割高になっているため、オール電化では夜間を中心に電気を使うようにしましょう。電気料金が安くなる時間帯を事前にチェックし、ライフスタイルを変える必要があります。
電化製品のタイマー機能を活用し、電気料金が安い時間帯に動かすように設定すれば、使用時に気を配る手間も省けるでしょう。

オール電化では、エコキュートや蓄熱暖房機を夜間に動かすのが基本です。ただし、夜間などの電気代が安い時間帯に作っておいたお湯や熱が足りなくなると、電気代が高い時間帯に設備を稼働させなければならなくなります。
だからといって、夜間にお湯や熱をつくりすぎると、逆に無駄な電気代が発生することにもなりかねません。お湯や熱の必要量を正確に把握し、常に過不足なくつくることが節電のカギとなります。

オール電化は太陽光発電と好相性です。太陽光発電でつくった電気を日中に使えば、電気料金が高い時間帯を自家発電の電気でしのげるため、電気代を大幅に抑えられます。
また、蓄電池を導入すれば太陽光発電の電気をためておくことが可能です。天気が悪い日や夜間でも自家発電の電気を使えるため、うまく運用すれば家庭で使うすべての電気を太陽光発電でまかなえる可能性もあります。
太陽光発電は電気を売るためのものだと思っている方もいるかもしれませんが、売電価格は年々下落しており、現在は売電よりも自家消費したほうが経済的に有利とされています。
⇒売電価格についてもっと詳しく知りたい方はこちら

現在契約中の電力会社にオール電化向けのプランがない場合、オール電化向けのプランがある電力会社に切り替えれば、電気代の節約につながる可能性があります。
電力会社の見直しで節約を図るためのポイントは、オール電化に適した電気料金プランを選べるかどうかです。単に基本料金や電力量料金のみを比較して選んでも、それだけでトータルの電気代が安くなるとは限りません。
現在の電力会社を継続したほうがお得になるケースもあるため、電力会社を見直す場合は慎重な検討が必要です。
Looopでんきは、市場連動型の料金プラン「スマートタイムONE」を提供しており、電気の使用状況によっては電気代を抑えられる可能性があります。
まずはシミュレーションで、現在の電気代と比較してどれくらい変わるか確認してみましょう。
⇒電気料金がいくら安くなるかシミュレーションしてみる

オール電化の契約アンペア数を変更する際は、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。オール電化の契約アンペア数の注意点をご紹介します。

契約アンペア数の変更は、電力会社や契約プランによっては1年間再変更できない場合があります。契約アンペア数の変更は電気料金プランを変えることになるため、1年間は契約アンペア数を再変更できません。
このルールは、電気代が高くなる夏や冬だけ契約アンペア数を上げるといったやり方を防ぐためのものです。季節ごとに契約アンペア数を上げ下げすることはできない点に注意しましょう。

一般的に、賃貸物件の電気の契約は管理会社や大家が結んでいます。契約アンペア数も部屋ごとに想定される世帯人数に応じて、管理会社や大家が決めているケースがほとんどです。
そのため、賃貸物件で電気の契約内容を変更する場合は、管理会社や大家と相談する必要があります。仮に変更できる場合でも、賃貸物件では原状回復が基本となっているため、変更後にスムーズに退去できるかも確認しておきましょう。
なお、電気の契約が入居者本人の場合は、原則として入居者が自由に契約内容を変更できます。検針票（電気ご使用量のお知らせ）を見れば、契約者が誰になっているのかを確認することが可能です。

ガス併用からオール電化に変更する場合は、契約アンペア数の見直しが必要になるケースが多くなります。自宅に適した契約アンペア数がわからない場合は、世帯人数別の目安や同時に使う電化製品のアンペアで見極めましょう。
また、オール電化の電気代を節約したいなら、電気の使い方の見直しや太陽光発電・蓄電池の導入が効果的です。電力会社の変更で節約を図る場合は、オール電化に適した電気料金プランを選びましょう。