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全館空調システムは、家全体の空調を一括管理できる設備として、注目されています。一般的に電気代が高いとされていますが、実際はどの程度でしょうか?全館空調の仕組みや種類、電気代の目安とともに、導入のメリット・デメリットを解説します。

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全館空調とは?システムの特徴

全館空調とは、住宅全体の空調を1つのシステムで管理する設備です。各部屋に設置するエアコンとは異なり、すべての部屋の温度・湿度を一定に保てるのが特徴です。まずは、全館空調の基本的な仕組みや種類を解説します。

全館空調システムの仕組み

全館空調システムは、家の中央に設置された空調機器(空気管理システム)から、住宅全体に空気を送り出す仕組みです。天井裏や床下に設置されたダクトを通じて、各部屋に設けられた吹き出し口から、温度調整された空気を供給します。
室内の空気は還気口から吸い込まれ、フィルターでホコリや花粉などが除去された後、空調機で温度・湿度が調整され、再び各部屋へ送られます。この空気の循環により、家全体を均一な温度環境にできるのが特徴です。

全館空調システムの種類

全館空調システムは、空気の供給方法や熱の伝達方式によって、次のような種類に分けられます。

  • 吹き出し型(ダクト式):最も一般的な全館空調の形式であり、天井や壁に設置された吹き出し口から、温度調整された空気を供給する。空気の対流によって室内を空調するため、比較的短時間で温度調整が可能
  • 床下冷暖房型:床下空間を空気の通り道として利用し、床面の小さな吹き出し口や床材の隙間から空調された空気を室内に送り込むシステム。床下からゆっくりと上昇する空気の流れにより、足元から心地よく空調されるため、特に冬場の暖房効果が高い
  • 壁パネル輻射型:壁や天井に専用のパネルを設置し、輻射熱を利用して室内を温めるシステム。風を感じることなく静かに空間を温度調整できるため、快適性が高く、ホコリの舞い上がりも少ないのが特徴

ほかにも、複数の空調方式を組み合わせたハイブリッド型などの種類もあるので、ご家庭の環境に合ったタイプを選択しましょう。

全館空調の電気代は高い?

全館空調は一般的に、電気代が高いとされていますが、実際のコストはどの程度でしょうか?全館空調の電気代の相場とともに、一般的なエアコンとの比較や、電気代が高いといわれる理由も知っておきましょう。

月に8,000~15,000円程度が相場

全館空調の電気代は、一般的な戸建て住宅において、月8,000~15,000円程度が相場です。使用するシステムの種類や住宅の断熱性能をはじめ、ご家族の生活パターンや地域の気候条件などによっても変動します。
年間では100,000円程度のご家庭が多いようですが、4人家族以上で日常的に使用する場合、それ以上になる場合も珍しくありません。とりわけ冷暖房を頻繁に使用する季節は、月に30,000円を超えるケースもあるので、電気代を抑える工夫が求められます。

エアコンの電気代と比較してみよう

エアコンにかかる電気代と全館空調システムを比較してみましょう。ここでは、消費電力515Wのエアコン(パナソニックの「CS-LX282D」)を1日8時間使用した場合の電気代を計算してみます。
まず、電気代は「消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)」の計算式で導き出せます。上記製品の場合、1日の電気代は「515W÷1,000×8時間×31円/kWh=約128円」となり、1カ月では約3,840円の電気代がかかる計算です。
さらに、同エアコンをご家庭で合計3台設置して、同じ程度に利用すると仮定します。すると「3,840円×3台=約11,520円」となり、1カ月で約11,520円の電気代になります。
上記のように、全館空調システムの電気代は月に8,000~15,000円程度のご家庭が多いため、導入するエアコンの種類と使用時間によっては、全館空調よりも毎月の電気代が高くなるケースもあります。
特に部屋数が多くなると、それだけ導入するエアコンの数も多くなるため、全館空調の方が電気代を抑えられる可能性があります。また、上記エアコンを用いた電気代の計算については、以下の記事でより詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
エアコンの電気代について、もっと詳しく知りたい方はこちら

全館空調の電気代が高いとされる理由

全館空調の電気代が高いといわれる主な理由は、24時間365日稼働している点や、家屋全体の温度を一定にするため、多くの電力が必要とされるからです。
上記のようにエアコンのスペックや使い方によっては、全館空調の方がお得なケースもありますが、日常的に使用しない部屋が多い場合、一部はエネルギーの無駄になるでしょう。また、建物の断熱性能が低いと、より多くの電力を消費し電気代が高くなるため、注意が必要です。

全館空調システムのメリット

全館空調には、家全体の温度を管理できること以外にも、さまざまなメリットがあります。主に快適性や空気の清潔さ、インテリアの観点からメリットを理解しておきましょう。

快適な室内環境を維持できる

全館空調の最大のメリットは、家全体で均一な温度環境を実現できることです。家全体の温度や湿度を均一に保ち、快適な室内環境を維持できます。
従来のエアコンを使った冷暖房の場合、「リビングは快適だが廊下や洗面所は寒い」といった温度差が生じてしまいます。一方、全館空調ならば夏の暑さや冬の寒さによる、部屋間の温度差が少なく、ヒートショックのリスクを軽減できるのもメリットです。
特に、冬場は部屋から部屋への移動時の急激な温度変化がなくなるため、高齢者や小さな子どもがいるご家庭では、健康面での安心感が高まります。

クリーンな空気環境で生活できる

全館空調はフィルターを通じて空気を循環させるため、ホコリや花粉・カビの発生を抑えられるのもメリットです。すべての部屋で、快適な空気環境を維持できます。
また、計画的な換気システムと連動しており、二酸化炭素濃度の上昇を抑え、常に新鮮な空気を供給できるのも特徴です。シックハウス症候群のリスクも低減できるので、アレルギーを持つ方や小さな子どもがいるご家庭では、健康面のメリットが大きいといえるでしょう。

部屋をすっきり見せられる

全館空調を導入していれば、各部屋にエアコンをはじめとした、冷暖房器具を設置する必要がないため、室内をすっきり見せられるのもメリットです。一般的なエアコンのように、壁に大きな室内機を設置する必要はありません。天井や壁に設けられた小さな吹き出し口から空気が供給されるため、室内がすっきりとした印象になります。
さらに、配管や室外機の数も減るので、外観も損なわずに済みます。特にインテリアにこだわりたい方にとっては、大きな魅力に感じられるでしょう。

全館空調システムのデメリットや注意点

全館空調には多くのメリットがありますが、導入に際しては、デメリットや注意点も理解しておくことが重要です。導入前に知っておくべきポイントを解説します。

導入コストがかかる

全館空調の導入には、エアコンよりも高額な初期投資が必要です。一般的な戸建て住宅で全館空調を利用する場合、システムの種類や性能によって異なりますが、導入に1,000,000円以上かかるケースが一般的です。
さらに、工事費用や定期的なメンテナンスの費用も、考慮する必要があります。高性能なフィルターの場合、年に1~2回の交換が必要な場合もあり、5,000~20,000円程度の費用がかかります。
また数年に一度は、専門業者によるダクト清掃も推奨されているので、ランニングコストもできる限り正確に見込んでおく必要があります。

各部屋の温度・湿度の管理が難しい

全館空調は部屋が乾燥しやすく、各部屋の温度調整が難しい点も、注意すべきポイントです。
特に日当たりの良い部屋と、そうではない部屋で温度差が生じることがあり、場合によっては補助的にエアコンや、サーキュレーターを活用する必要があります。加えて、湿度管理が不十分だと冬場に乾燥しやすくなるため、加湿器を併用するご家庭も多くあります。

全館空調システムの電気代を節約するには?

全館空調システムの電気代は決して安くありませんが、適切な使い方やメンテナンスで節約が可能です。次のポイントを意識しつつ、電気代を抑える工夫をしてみましょう。

  • 適切な温度設定を心掛ける:ご家庭に合った適切な設定温度を考える。設定温度を冷房では1℃高く、暖房では1℃低く設定するだけで、約10%の省エネ効果があるとされている
  • 定期的なフィルター清掃をする:全館空調システムのフィルターが目詰まりすると、空気の流れが悪くなり、エネルギー効率が低下する。一般的なフィルターは3カ月に1度程度の清掃が推奨されており、高性能フィルターは製造元の指示に従い、定期的に交換することが大切
  • 断熱性能の向上を測る:住宅の断熱性能は全館空調の効率に直結する。窓の断熱改修(二重窓や断熱フィルムの導入)や、天井・床下の断熱材の追加などにより、熱損失を減らすことも検討する
  • 適切なゾーニング設定を活用する:近年の全館空調システムの多くは、居住エリアを複数のゾーンに分けて温度管理できる機能が利用できる。日中は主に使用するリビングなどを中心に空調し、使わない部屋は控えめの設定にするなど、生活パターンに合わせた運用を心掛ける

このように、さまざまな工夫で毎月の電気代の負担を抑えられます。すべてを無理に実行する必要はありませんが、できる範囲でご家庭の環境に合わせてうまく節電を図りましょう。

全館空調の導入を検討しよう

全館空調システムは、家全体を快適な温度に保てる高機能な設備です。電気代はエアコンより高めですが、快適性や健康面でのメリットは大きく、長期的に住環境の質を考えるならば、十分に検討する価値があります。
システムを導入する際には、住宅の断熱性能を向上させたり、ランニングコストを抑えたりする工夫が必要です。家族の生活スタイルや将来計画、予算を考慮し、専門業者と綿密な打ち合わせをすることで、最適な製品を選びましょう。

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