ヘアアイロンは、髪のクセをストレートにしたりふんわりカールさせたり、髪型を自分でアレンジして楽しみたい方に便利なアイテムです。ヘアアイロンには「小回りが利く」「一度に広範囲をセットできる」など、商品によって特徴に違いがあります。
ヘアアイロンは200℃近くまで熱くなるため、電気代が気になるという方もいることでしょう。ヘアアイロンにかかる電気代はメーカー・機種・タイプによってさまざまです。
しかし、ヘアアイロンにかかる電気代はちょっとした工夫で節約できるため、まずは1回あたりの電気代を知ることが大切です。
今回は、ヘアアイロンのタイプ別に電気代を算出し、さらには簡単にできる節約方法について解説します。ご家庭全体の電気代を抑えるコツにも触れるため、節約につなげたい方はぜひ参考にしてください。
ヘアアイロンの電気代
ヘアアイロンは、メーカー・機種・タイプなどによって消費電力量が違います。使っているヘアアイロンの消費電力と使用時間がわかれば、おおよその電気代をイメージすることが可能です。
ヘアアイロンには、主に3つの種類があります。
- ストレートアイロン
- カールアイロン
- ブラシ型ヘアアイロン
ヘアアイロンのタイプによって電気代に差が出るため、実際の商品をもとに1回あたりいくらの電気代がかかっているのか算出してみましょう。
以下では、3種類のヘアアイロンにかかる電気代について解説します。
電気代を求める計算式は以下の通り、1kWhあたりの電力量料金を27円として計算しています。
消費電力W÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)=電気代
ストレートアイロン
ストレートアイロンは熱せられた2枚のプレートに髪の毛を挟み、ストレートにするタイプのアイロンです。湿気やクセでうねりが気になる人や髪の毛のツヤを出したい方におすすめです。
ストレートアイロンの電気代について、以下の条件において3商品をもとに算出します。
①Panasonic ナノケアEH-HS0Eの電気代
- 商品:Panasonicストレートアイロン ナノケア EH-HS0E(※1)
- 使用温度:200℃
- 使用時間:30分間
- 1時間あたりの消費電力:41W
30分利用時の電気代:41W÷1,000×0.5時間×27円/kWh=0.5535円
②Onedam PROFESSIONALストレート・アイロン AHI-251の電気代
- 商品:Onedam PROFESSIONALストレート・アイロン AHI-251(※2)
- 使用温度:200℃
- 使用時間:30分間
- 1時間あたりの消費電力:40W
30分利用時の電気代:40W÷1,000×0.5時間×27円/kWh=0.54円
③TESCOM プロフェッショナル プロテクトイオン ヘアーアイロン NIS3001の電気代
- 商品:TESCOM プロフェッショナル プロテクトイオン ヘアーアイロン NIS3001(※3)
- 使用温度:210℃
- 使用時間:30分間
- 1時間あたりの消費電力:46W
30分利用時の電気代:46W÷1,000×0.5時間×27円/kWh=0.621円
最大消費電力は380〜500Wとメーカーや機種により幅がありますが、1時間あたりの消費電力はおおよそ40〜50Wと大きな差はありません。
ストレートアイロンが使用可能な温度(約170℃)に達するまでの時間は、約20~30秒です。ストレートアイロンにかかる電気代を平均すると、30分あたり約0.57円となります。
カールアイロン
カールアイロンは円形のパイプとフリッパーで髪の毛をはさみ、きれいなカールを作るタイプのヘアアイロンです。パイプの太さによってカールの巻き具合を変えられるため、好みのカールに合う太さを選びましょう。ふわっとしたカールで髪の毛に動きをつけたい、多彩なヘアアレンジを楽しみたい方におすすめです。
以下では、カールアイロンの電気代をアイロン径(パイプの太さ)の違う3商品において算出します。
①Bioprogramming Club ヘアビューロン 2D Plus [カール] S-typeの電気代
- 商品:Bioprogramming Club ヘアビューロン 2D Plus [カール] S-type(※1)
- アイロン径:26.5mm
- 使用温度:180℃
- 使用時間:30分間
- 1時間あたりの消費電力:46W
30分利用時の電気代:46W÷1,000×0.5時間×27円/kWh=0.621円
②Iberis カールアイロン HB-HIK818-18 00-5861の電気代
- 商品:Iberis カールアイロン HB-HIK818-18 00-5861(※2)
- アイロン径:18mm
- 使用温度:180℃
- 使用時間:30分間
- 1時間あたりの消費電力:25W
30分利用時の電気代:25W÷1,000×0.5時間×27円/kWh=0.3375円
③TESCOM プロフェッショナル プロテクトイオン ヘアーアイロンNIM3032の電気代
- 商品:TESCOM プロフェッショナル プロテクトイオン ヘアーアイロンNIM3032(※3)
- アイロン径:32mm
- 使用温度:210℃
- 使用時間:30分間
- 1時間あたりの消費電力:76W
30分利用時の電気代:76W÷1,000×0.5時間×27円/kWh=1.026円
カールアイロンは、パイプ部分の直径が小さいほど消費電力が小さい傾向にありますが、そこまで大きな差ではありません。カールアイロンにかかる電気代を平均すると、30分あたり約0.66円となります。
ブラシ型ヘアアイロン
ブラシ型ヘアアイロンはこれまでの2つのタイプとは異なり、髪の毛をプレートで挟みません。
アイロン部分がブラシの形をしているため、普段通りにブラッシングをする感覚で髪の毛のクセを伸ばせるのが特徴です。スタイリングが簡単なため、ヘアアイロンでうまくコツがつかめないという方でもナチュラルに仕上げられます。
以下では3商品のブラシ型ヘアアイロンの電気代を算出します。
①Panasonic ブラシストレートアイロン イオニティ EH-HS30の電気代
- 商品:Panasonic ブラシストレートアイロン イオニティ EH-HS30(※1)
- 使用温度:190℃
- 使用時間:30分間
- 1時間あたりの消費電力:37W
30分利用時の電気代:37W÷1,000×0.5時間×27円/kWh=0.499円
②Agetuya アゲツヤ ロールブラシアイロン 38mmの電気代
- 商品:Agetuya アゲツヤ ロールブラシアイロン 38mm(※2)
- 使用温度:220℃
- 使用時間:30分間
- 1時間あたりの消費電力:32W
30分利用時の電気代:32W÷1,000×0.5時間×27円/kWh=0.432円
③SALONIA ストレートヒートブラシSL-012BKSの電気代
- 商品:SALONIA ストレートヒートブラシSL-012BKS(※3)
- 使用温度:210℃
- 使用時間:30分間
- 1時間あたりの消費電力:60W
30分利用時の電気代:60W÷1,000×0.5時間×27円/kWh=0.81円
ブラシ型ヘアアイロンにかかる電気代の平均は、30分あたり約0.58円です。
それぞれのタイプの平均電気代をまとめると以下のようになります。
ヘアアイロンのタイプと電気代 | |
---|---|
商品タイプ | 30分間あたりの電気代 |
ストレートアイロン | 約0.57円 |
カールアイロン | 約0.66円 |
ブラシ型ヘアアイロン | 約0.58円 |
最大消費電力はメーカーや機種によって異なるものの、1時間あたりの平均消費電力は40〜70Wほどのものが多いことがわかりました。
毎日30分間ヘアアイロンを使用した場合、1カ月あたり約17~20円の電気代がかかる計算です。
ヘアアイロンの電気代を節約するポイント
ヘアアイロンにかかる電気代は、ほかの電化製品に比べると安い傾向にあります。しかし、使用頻度が多い場合や、使っているヘアアイロンのメーカー・機種によっては、平均以上に電気代がかかることもあるでしょう。
ここからは、ヘアアイロンにかかる電気代を節約するポイントについて解説します。
使わないときは電源プラグを抜く
ヘアアイロンの電気代を節約するなら、使わないときはこまめに電源プラグを抜くことがおすすめです。ヘアアイロンに限らず、電化製品は使用していなくても待機電力が発生します。コンセントに差したままにするのではなく、使わないときは電源プラグを抜く習慣をつけましょう。
髪の毛をしっかり乾かしてから使う
髪の毛が濡れた状態でヘアアイロンを使うと、水分の蒸散に電力を消費するため、余計な電気代がかかります。髪の毛をしっかり乾かしてからヘアアイロンを使うことが、電気代を抑えるポイントです。
また、髪の毛が乾いていない状態でヘアアイロンを使うと、ダメージの原因となるため注意しましょう。
少しずつ毛束を取る
ヘアアイロンを使うときは、毛束の量を調節することが大切です。ヘアアイロンをあてる毛束の量が多いと、熱が伝わりにくくヘアアイロンを使う時間も長くなります。電気代を抑えつつ髪型をきれいに仕上げるためには、少しずつ毛束を取ってヘアアイロンをあてることがポイントです。
ヘアアイロンのつけっぱなしに注意
ヘアアイロンは高温になるため、つけっぱなしにすると火災や事故の原因となることがあります。特に子どもやペットがいるご家庭では、やけどや事故のリスクも高くなるため注意が必要です。
さらに、ヘアアイロンをつけっぱなしにすると、それだけ電気代もかかります。使用温度210℃で消費電力が50Wのヘアアイロンを1~10時間つけっぱなしにした場合の電気代は、以下の通りです。
1時間つけっぱなしにした場合:50W÷1,000×1時間×27円/kWh=1.35円
10時間つけっぱなしにした場合:1.35円×10時間=13.5円
電源の切り忘れが心配な方には、「自動電源オフ機能」が付いているヘアアイロンがおすすめです。一定時間後に自動で電源が切れるため、節約はもちろん火災や事故防止にも役立ちます。電源を入れてから30~60分後に自動で電源が切れる機種が一般的です。
ドライヤーの電気代
ヘアセットにドライヤーとヘアアイロンを一緒に使う方も多く見られます。髪の毛をドライヤーでしっかり乾かしてからヘアアイロンを使うことで、髪の毛を痛めずにきれいにセットできるためおすすめです。
とはいえ、電化製品を2個使うとなると、ドライヤーにかかる電気代も気になるかもしれません。
ドライヤーにかかる電気代は、以下の通りです。
<消費電力量1200Wのドライヤー(※)を5分間使用した場合>
1200W÷1,000×0.08時間×27円/kWh=2.592円
ミディアムヘアの髪の毛を乾かすためには、約5分かかります。ロングヘアなら約10分かかるため、ドライヤーにかかる電気代は約5.2円となる計算です。
髪の毛のセットにドライヤー5分とヘアアイロン30分を使った場合、1日あたりにかかる電気代は以下のようになります。
ドライヤー(1200W)を5分使用した電気代:2.592円
ヘアアイロン(50W)を30分使用した電気代:0.675円
1日あたりにかかる電気代:2.592円+0.675円=3.267円
毎日ドライヤーとヘアアイロンを一緒に使った場合、以下の電気代がかかります。
1カ月:3,267円×30日=98円
1年間:98円×12カ月=1,176円
また、ドライヤーにかかる電気代を抑えるコツは、以下の3つを意識すると良いでしょう。
- タオルドライをしてからドライヤーを使う
- 乾いてきたら送風や冷風を使って仕上げる
- 使わないときは電源プラグを抜く
ご家庭の電気代を節約する方法
ご家庭全体の電気代を節約するなら、電力会社の契約自体を見直すことも大切です。
ここからは、ご家庭の電気代を節約する方法について解説します。
電力会社の見直し
2016年の電力小売全面自由化により、さまざまな電力会社と電気の契約を結べるようになりました。ご家庭のライフスタイルに合わせて電力会社を選ぶことで、毎月の電気料金の節約につながります。
電力会社の見直しが電気料金の節約になる理由は、以下の2つです。
- たくさんある電力会社からお得な電気料金プランを選べる
- 電力会社によってはガスや通信サービスなどセットで契約すると割引が利用できる
電力会社の見直しには、検針票(電気ご使用量のお知らせ)と本人確認書類が必要です。また、電気の使用量を遠隔で検針できる「スマートメーター」の設置も必須となります。原則として、スマートメーターの設置に費用はかかりません。
電力会社を変更する場合は、電気料金プラン・契約期間・契約解除の条件を確かめることが大切です。電力会社の強みや契約内容をしっかり理解したうえで、電力会社の変更を検討してみましょう。
電気料金プランの見直し
ご家庭全体の電気料金を安くしたい場合は、電気料金プランの見直しも効果的です。
中には、以下のように時間帯やライフスタイルによって電気料金が安くなるプランもあります。
- 夜の時間帯に電気料金が安くなるプラン
- 電気+ガスのセット割プラン
- 季節によって料金単価が安くなるプラン
様々な電気料金プランが用意されているため、ご自身のライフスタイルにあったものを選ぶことが重要です。
まとめ
ヘアアイロンには、ストレートアイロン・カールアイロン・ブラシ型ヘアアイロンの3種類があります。ヘアアイロンにかかる電気代は、30分間あたり約0.6円前後となり、1カ月あたりでは約17~20円かかります。ただし、ヘアアイロンはメーカー・機種・タイプなどによって使用電力量が違うため、正確な電気代を知りたい場合は使っているヘアアイロンの商品情報をもとに計算しましょう。
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まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。