シーリングファンは、天井に取り付けるタイプの扇風機のような形の電化製品です。高い天井でゆっくり回転するシーリングファンは、部屋の雰囲気をおしゃれにするほか、さまざまな優れた機能を兼ね備えています。ただし、シーリングファンは明かりのように長時間つけておくことが多いので電気料金が気になるところです。
この記事では、シーリングファンの機能や電気代の目安、選び方などについて解説します。
シーリングファンとは
シーリングファンは、レストランやおしゃれなカフェなどでよく見られる、天井に設置されたファンのことです。シンプルなデザインのほかにも、木目調のものやライトが付いているタイプなど、さまざまな商品が販売されています。
シーリングファンは室内の空気を循環させる役割をはじめ、とりつけるメリットの多い電化製品です。例えば、夏のエアコン使用時にはシーリングファンの羽が回転し天井付近から下へエアコンの涼しい空気を送り循環させます。その結果、体感温度が低くなりエアコンの設定温度を上げても過ごしやすい、という省エネ効果も期待できます。シーリングファンのメリットについては詳しく後述します。
シーリングファンの電気代
部屋の空気を循環させるために、長時間つけたままにすることの多いシーリングファンですが、電気代はいくらかかるのでしょうか。ここでは、シーリングファンの電気代を1時間、1日、1カ月のそれぞれについて算出します。
電気代を求める計算式は次の通りです。
電気代=消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)
<前提条件>
- 機種:パナソニック 天井扇(シーリングファン) F-MG900(※)
- 1kWhあたりの電力量料金:27円/kWh
- 消費電力:通常運転時43W
<シーリングファンの電気代>
- 1時間あたりの電気代:43W÷1,000×1時間×27円/kWh=1.161円
- 1日あたりの電気代:1.161円×24時間=27.864円
- 1カ月あたりの電気代:27.864円×30日=835.92円
シーリングファンの電気代 | |
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時間 | 電気代 |
1時間 | 約1.2円 |
1日(24時間) | 約27.9円 |
1カ月 | 約835.9円 |
このシーリングファンの場合は、1時間あたりの電気料金は約1.2円、1日あたりでは約27.9円、1カ月あたりでは約835.9円になることがわかりました。ご家庭にあるシーリングファンや、検討中の商品についても、この計算式にあてはめることで簡単に電気料金の目安がわかります。
シーリングファンの選び方
シーリングファンのモーターには「ACモーター」と「DCモーター」の2種類があります。ACモーターは交流電源で、シンプルな仕組みになっているのが特徴です。価格がDCモーターよりも安い傾向にあるため、販売されている商品数は多く、デザインの選択肢も多様です。電気代の計算で参考とした機種もACモーターの商品です。
DCモーターは直流電源で、モーター部分がACモーターよりも大きいため価格は高くなり、商品の数も少ない傾向にあります。しかし、モーターの仕組み上、ファンの回転数を細かく制御できるので、状況に応じてわずかな微風に調整することも可能です。また、同じ風量でも消費電力がACモーターより少なくなるという特徴もあります。
シーリングファンを安く手に入れたい方やデザイン性を優先して多くの選択肢から選びたい方には、ACモーターがおすすめです。DCモーターは、購入時には費用がかかっても使用時に省エネ効果を期待する方に向いています。また、DCモーターは静音タイプで振動も少ないため、小さいお子さんがいらっしゃるご家庭や寝室に設置したい方にもおすすめです。
モーターの種類と特徴 | |
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モーターの種類 | 特徴 |
ACモーター (交流電源) |
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DCモーター (直流電源) |
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シーリングファンのメリット
シーリングファンを設置することで、いくつものメリットが得られます。
- インテリアのアクセントになる
- 省エネ効果が高い
- 部屋干しの洗濯物が早く乾く
ここでは上記の内容についてそれぞれ解説します。
見た目がおしゃれ
ホテルや飲食店で見かけるシーリングファンは、おしゃれな空間を簡単に演出できるインテリアとしてもおすすめです。
シーリングファンにはさまざまなデザインや種類があるので、天然木などのナチュラルタイプやモダンなモノトーン、アンティークタイプなど、部屋の雰囲気に合わせて選べるでしょう。
また、シーリングファンには照明がついているタイプもあります。照明とシーリングファンが一体となっているので、見た目もすっきりしておしゃれです。ただし、吹き抜けや高い天井に設置する場合は、照明の掃除方法を検討する必要があります。
省エネ効果が高い
シーリングファンは、モーターで羽を回転させて空気を循環させることができます。そのため、シーリングファンを稼働させると室内の温度が均一になるのは大きなメリットです。エアコンの冷房を使っていると、吹き出し口から出る冷たい空気が部屋の下に溜まり温度にムラができやすくなります。そうすると上半身は涼しく感じられないため、エアコンの温度設定を下げることにつながるでしょう。シーリングファンで室内の温度にムラがなくなれば、温度設定を高めにしても快適に感じられるはずです。
そして、冬場の暖房時も同様に暖かい空気が部屋中にムラなく循環するため、暖房器具の効率がアップします。シーリングファンの電気代は、1日24時間つけていても約28円程度が目安です。エアコンの設定温度を変えるほうが省エネ効果は高くなるでしょう。環境省では、冷房時の設定温度を1℃高くすると約13%、暖房時には1℃低くすると約10%の消費電力の削減になる(※)としています。
また、シーリングファンの風をより効果的に送るには、冷房時には左回転にして空気の流れを下向きに、暖房時には右回転にして上向きにするのがポイントです。
部屋干しの洗濯物が早く乾く
シーリングファンで室内の空気を循環させるメリットは1つだけではありません。省エネ効果のほかにも、部屋に干した洗濯物の乾きが早くなるという大きなメリットもあります。
洗濯物が早く乾けば、洗濯物にいやなにおいが付きにくいのもポイントです。
梅雨時など雨の多い季節には、外干しができず室内干しでも洗濯物がなかなか乾きません。そのような時期にもシーリングファンは活躍します。消費電力が少ないため、仕事で家を留守にしているあいだ中運転していても、電気代はあまり気にならないでしょう。
シーリングファンのデメリット
シーリングファンはメリットが多い一方、デメリットもあります。まだ検討段階の方は、メリット・デメリットを理解してから設置すると良いでしょう。
- ある程度の天井の高さが必要
- 掃除に手間がかかる
ここでは上記の2点について解説します。
ある程度の天井の高さが必要
シーリングファンのメリットが特に生かされるのは、天井が高い部屋や吹き抜けがあるご家庭です。天井が低い場合はエアコンだけでも空気が循環するため、部屋の上下の温度にそれほど差が生じません。そのため、シーリングファンを取り付けるなら、床から天井まで高さのある住宅がおすすめです。
ただし、近年では低い天井に合うように、天井から羽根までの距離が近いタイプや軽量の商品、羽のないタイプなども販売されています。天井が高くない部屋に設置するシーリングファンを選ぶときは、天井に取り付けたときにファンの音は気にならないか、頭までの距離や圧迫感はないか、といった点を意識すると良いでしょう。
掃除に手間がかかる
シーリングファンには、羽の部分にホコリが溜まりやすいというデメリットがあります。そのため、定期的に羽を掃除する必要がありますが、天井付近の高い場所にあるため掃除するのは大変です。高い位置にある羽は、脚立や長い柄のついた専用の用具などがないと届きません。そのため、掃除をするための用具を購入する手間や費用も必要となります。
シーリングファンの掃除をしないと、羽の回転を逆方向にしたときにホコリが落ちてきてしまいます。定期的に掃除をするのが難しいと感じる場合は、無理せずに専門業者に依頼するのがおすすめです。
シーリングファンのメリット・デメリット | |
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メリット |
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デメリット |
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家の電気代を節約するなら契約の見直しがおすすめ
シーリングファンは1時間で約1.2円、1日24時間回していても約27.9円と電気代が安いのが特徴です。設置するメリットも多く、空気を循環させることでエアコンの効率を上げることもできます。
しかし、さらに毎月の電気代を抑えたいなら、現在の電気料金プランや電力会社を見直すことがおすすめです。現在では電力会社によって多彩な電気料金プランが用意されています。ぜひ現在の契約内容をほかの電力会社と比較して電気料金を安くしましょう。
まとめ
シーリングファンは、ずっとつけたままにしていても家計の負担になりにくい電化製品です。天井に取り付けて高い位置で羽を回転させることで、部屋全体の空気を循環させて温度のムラを解消してくれます。さまざまなデザインの商品があるので、部屋に合わせて選び、おしゃれな空間にグレードアップできるのはシーリングファンの大きな特徴です。
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