平素より「Looopでんき」をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

先日当社より公表したお知らせのとおり、日本卸電力取引所(JEPX)での電力取引価格が、昨年末より数週間にわたって高騰していました。それがようやく、1月の最終週に入って落ち着きを取り戻したところです。


本件につき、お客様をはじめ関係者の皆様に、あらためて現状をお伝えいたします。


■市場高騰がようやく落ち着いた


出典:JEPX公開データより作成


上記グラフはJEPXのスポット価格(翌日に発電または販売する電力を前日までに入札する時の単価)の推移を表したものです。1月末よりJEPXのスポット価格が例年通りの水準に戻りつつあるのが見て取れます。昨年末より、約1カ月にも及んだ異常な高騰は何とか収束に向かいました。


電力市場価格はこれまでも高騰することがありました。しかし、日本国内においても、電力自由化が先行する海外においても、数時間や数日の高騰は記録としてあるものの、約1カ月にも及ぶ高騰は初めての事象です。


■市場が連日の売り切れ状態に

では、1ヶ月にも及んだ、今回の市場高騰は一体なぜ起きたのでしょうか。


実は、JEPXでの電力価格の変動も、一般的な市場と同様に、電力が市場に余っていれば価格は下がりますが、足りなくなればその分電力価格も高くなります。


今回の電力価格の高騰は、端的にいうと、電力市場に売りに出される電力が不足した結果だと言えます。



出典:JEPX公開データより作成


上記グラフのとおり、12月26日を境に、JEPXに売りに出された電力(売り入札量=供給)が前兆もなく急減しました。一方でJEPXに買いに出された電力(買い入札量=需要)はそれほど減らず、売り入札がほぼ全量約定(取引)されました。以降、グラフ上の売り入札量と約定総量の線がほぼ一致し、通常は売り残りが発生するはずの市場において、連日の売り切れ状態が続きました。供給が需要に追いついていない中、市場価格が高騰していきました。


例えばレストランの仕入れであれば、特定の食材の原価が高騰する際は、その商品の購入をやめればいいという話ですが、そうもいかないのが電力です。


電力はライフラインの1つです。新電力などの小売電気事業者は、自らのお客様の需要に応じるために必要な供給力を確保することが義務付けられています。供給力が確保できない場合は、一種のペナルティともいえる「インバランス料金」の支払いが課されます。その義務が課されている中、今回も供給力を確保しようとする買い手(小売電気事業者)が限られた売り入札量をより高い値段で奪い合う構造となり、日に日に電力価格は高騰しました。


■そもそもなぜ売り入札量が減ったのか?

では、なぜ売り入札量は12月末に急激に減ったのでしょうか。原因は依然として資源エネルギー庁による検証が続いていますが、1つの背景として考えられているのは、火力発電の燃料である液化天然ガス(LNG)の不足です。


コロナ禍で需要が減ると見られていたところ、12月中旬以降は、全国的に気温が低下し、想定外に需要が増加しました。この時期からLNGの在庫量も大幅に減少しました。


出典:電力・ガス基本政策小委員会、資源エネルギー庁 (2021/1/19)


また、海外のLNG生産拠点から日本まで専用の船で輸送しなければならないLNGですが、日本の輸入拠点に着船するまでには約2か月かかります。そのため、今回のような想定外の燃料需要が発生した場合でも、実際に燃料が調達できるまでに一定の期間を要してしまいます。


実際、大手電力各社はLNGの在庫切れを懸念して、LNG火力発電所の出力を抑制しました(出力低下)。



出典:第54回制度設計専門会合、電力・ガス取引監視委員会 (2021/1/25)


■市場高騰の影響は?

この未曽有の状況において、「新電力経営難」、「電力自由化は失敗」といった論調の報道が一部なされています。また、1月末に大手新電力会社が市場状況の変化を理由に、新規契約の受け付けを停止したと発表したことも、新電力各社に対するさらなる不安の増大に繋がったのではないでしょうか。


消費者の不安を解消するためにも、市場高騰の真相及び、今後の対策については、監督官庁等が主体に引き続き調査をしています。当社も事業者としてできるかぎりご協力したいと思っています。


また、前掲のお知らせでも言及しておりますが、当社は、従前より市場価格高騰リスクを鑑み、JEPXのみに限らず、様々な調達手段を組み合わせた電力調達を行っております。今冬においても、リスク分析の結果を踏まえて調達を行い、市場高騰による影響を最小限に抑えることができました。これも過去の市場価格を独自に分析し、蓄積してきた需給管理、電源調達に対する知見が活かされた結果です。


そのため、お客様の負担に転嫁しない単価固定プランを今後も変わらず提供させていただきますので、引き続き安心して電気をお使いください。


また、「エネルギーフリー社会の実現」をビジョンに掲げる当社ですが、今後はより再生可能エネルギーを身近に感じられるサービス開発にも取り組んでまいります。多種多様なメニューを展開していくことで、電力自由化の意義実現にこれからも貢献していきます。


今後とも「Looopでんき」をご愛顧のほど、何卒宜しくお願い致します。

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社Looop  Looopでんきコンタクトセンター
お電話でのお問い合せ:0120-707-454(年中無休 9:00~20:00)
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