平素より「Looopでんき」をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
2022年1月6日、厳冬の影響によって電力需要が局所的に上昇したことを受けて、東京電力パワーグリッド様は他管轄の一般送配電事業者から電力融通を受けました(※1)。
2021年より懸念されていたことではございますが、電力広域的運営推進機関(広域機関)が公表する日本全国の電力需給状況予測において、今冬の電力需給がひっ迫するおそれがあるとされていました。今回はその懸念が一時的に表面化したものと当社は捉えております。
つきましては、今冬の電力需給の状況ならびに当社の見解・対応についてお知らせいたします。
Looopでんきのお客様におかれましては、昨今の厳しい電力事情を鑑み、ご無理のない範囲で節電にご協力いただけますと幸いです。
■電力不足(その指標である「予備率」)について
「電力不足」とは、一般的には「電力の需要に対して、電力供給の余力が低くなる」状況を指します。
この供給余力は「予備率」という指標で数値化されており、電力広域的運営推進機関が各電気事業者から電力供給計画の情報を収集することで、予想予備率を算出・公表しています。
猛暑や寒波といった急な気候の変化で電力需要が急上昇することもあるため、一般的には安定的な電力供給の維持に予備率が基本的には8%以上、どれだけ少なくても3%以上の水準を確保している必要があるとされています。
■電力不足の理由
昨今の報道が出ているのは、この予備率が2022年1月・2月に3%の水準まで落ち込む見通しが出てきたことに起因しています。
※出典:資源エネルギー庁「第40回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会」PDF資料5ページ より(10月24日時点)
電力供給が不足する原因は様々ですが、今冬は発電所の休廃止計画が重なったことが主要因です。
発電所は常時稼働しているわけではありません。定期的な点検・補修は必要ですし、老朽化・高コスト化に伴って発電所自体を廃止する場合もあります。
各電気事業者の提出した2021年度の供給計画を国や広域機関が確認したところ、2021年4月時点の予測では、2022年1月・2月に厳寒が発生した場合のピーク需要で東京エリアの予備率がマイナスに転じるという予測が出ました。
2021年4月時点の需給見通し。東京エリアは予備率がマイナスに転じる見通しだったが、10月時点で3%台まで回復した
出典:電力広域的運営推進機関「第60回 調整力及び需給バランス評価等に関する委員会 」配付資料3「2021~2030年度を対象とした電源入札等の検討開始の要否について 」15ページより
この予測を受けて資源エネルギー庁は各発電事業者に発電力の調整を仰ぎ、東京電力パワーグリッドは2021年度冬季の追加供給力の公募を行いました(※2)。その結果、この予想予備率は前述のとおり2021年10月時点で3%まで回復しています。
■電力不足と停電について
では、この予備率が下がり、電力供給が不安定になると何が起きるのでしょうか。
電力需給状況がひっ迫した場合、当該エリアでの電力需要を下げるために計画停電が実施される可能性があります。
ただし、計画停電の実施は極めて珍しい事態です。
資源エネルギー庁では、予備率が1%を下回る見通しの場合に計画停電の実施を想定していますが、予備率が実際に1%を下回ることは滅多にありません。近年では2011年の東日本大震災に際し、東京電力エリアで2週間程度の計画停電がおこなわれましたが、それ以前は数十年近く実施されたことはありませんでした。
逆に言えば、大規模な災害が発生した場合を除けば、計画停電が実施されることは通常ありません。一例として、東京電力パワーグリッドは、計画停電について「原則不実施」であることを明言しています(※3)。
なお、当社は2016年4月の電力市場の全面自由化に際して電気小売事業に参入した新電力会社ですが、当社(新電力会社)と契約している場合であっても停電リスクが高まることはございません。
電力自由化以降、電力事業は電力小売事業・送配電事業・発電事業の三業種に分割されました。私どもは電力小売事業を通じて皆さまに電気を販売していますが、皆さまのご家庭に電気をお送りするのは送配電事業者であり、2016年以前も以後もその点は変わりません。 言いかえると、需要家のみなさまがどの電力会社と契約していても、電力供給に余力があれば停電はしませんし、ひっ迫してくれば停電発生の可能性は高まります。
■2022年1月6日に発生した事態について
2022年1月6日には東京では積雪が観測されるなど、寒波による電力需要の急増が発生し、電力の使用率が97%に達するなど、局所的に電力需給が大変厳しい状況が発生しました。
出典:東京電力パワーグリッド「でんき予報」 より(2021年1月6日21時43分確認)
幸いにも、東京電力パワーグリッド様と広域機関の調整により、管轄間での電力融通がおこなわれたことで計画停電といった事態は回避することができました。
しかしながら、今回のような急な気候変化で突発的に電力需要が急増することは今後もありえるため、引き続き電力需給のバランスを取っていくことが重要になります。
■ご無理のない範囲での節電へのご協力をお願いします
国や広域機関は各電気事業者と電力需給の見通しを常に確認し、皆さまに安定した電力供給を行えるように努めております。
つきましては、Looopでんきをご契約の皆さまにおかれましても、ご無理のない範囲で日々の生活での節電にご協力をお願いいたします。
Looopでんきでは、1月からDR(※4)プログラム「真冬の節電大作戦」など、お客様に楽しく節電していただくことを目的としたキャンペーンを実施しております(現在は募集期間が終了しております)。
節電にご興味のある方は、今後も実施予定の当社のキャンペーンへの参加をおすすめいたします。
今冬は電力不足が見込まれる状況ではございますが、日本の電力事業を担う企業のひとつとして、電力の安定供給の継続に向け尽力してまいります。
お客様をはじめ、広く社会の皆様には現状へのご理解と節電へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。
今後ともLooopでんきをご愛顧のほど、何卒宜しくお願いいたします。
※1 出典:融通電力の受電について|プレスリリース・お知らせ一覧|東京電力パワーグリッド株式会社 / 融通電力の受電(本日2回目)について|プレスリリース・お知らせ一覧|東京電力パワーグリッド株式会社
※2 経済産業省「第36回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会」資料5 「2021年度冬季に向けた供給力確保策について」、東京電力パワーグリッド「当社サービスエリア内における2021年度冬季追加供給力の公募開始について」などをご参照ください。
※3 東京電力パワーグリッドHP内「よくあるご質問」の「計画停電を行う可能性がありますか?」をご参照ください。
※4 DR(ディマンド・レスポンス):電力需要が大幅に変化するタイミングで需要家(電力消費者)によって電力使用量を調整し、電力の安定供給を図る仕組みを指します。ピークタイムでの需要抑制、非ピークタイムでの需要増加を促進することで、発電コストを削減し、エネルギー利用の効率化を進めることが可能です。詳しくは資源エネルギー庁「VPP・DRの意義|資源エネルギー庁」などもご参照ください。
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