「できるだけ毎月の出費を減らしたい」。誰もがそう思っているにもかかわらず、なかなか家計の節約を実現できないのはなぜでしょうか。もしかすると、出費の抑制が難しかったり、手間がかかったりするものに取り組んでいるからかもしれません。家計の節約のコツは簡単で継続しやすいものから始めること。このページでは、手軽に続けられる「光熱費」の節約方法を解説します。節約の第一歩としてぜひチャレンジしてみてください。
※タイトルの50,000円という表記は、本ページで紹介している節約法のうち、表「東京電力とLooopでんきの電気料金(年間)シミュレーション」の5人以上の家族の差額と、「主な電化製品の節約法と節約額」「浴室での節約法と節約額」に記載されている節約額を合算したものです。
家計の節約。いつの時代も多くのご家庭が抱えている課題です。普段の生活レベルを下げることなく、手軽にできる節約法を探しているという方もたくさんいらっしゃるでしょう。それでは家計のうちのどのような出費を減らすのが簡単で効果的なのでしょうか。平均的な家庭の支出データを見ながら考えてみます。
平均的な家庭の支出を知るために、総務省統計局が発表している「家計調査年報」のデータを確認してみます。単身世帯、2人世帯、4人世帯のデータを抽出したところ、それぞれ支出のトップ5は以下のようになりました。
「住居費が少なすぎるのでは?」という疑問をお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんが、これは持ち家や実家など家賃のかからない住環境の方も含んでいるからです。
1位:食料費 40,331円
2位:住居費 20,847円
3位:教養娯楽費 18,746円
4位:交通費 14,195円
5位:光熱費 9,533円
※出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)」より作成
1位:食料費 66,525円
2位:教養娯楽費 26,249円
3位:交通費 23,978円
4位:住居費 16,611円
5位:光熱費 15,501円
※出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)」より作成
1位:食料費 83,799円
2位:交通費 40,807円
3位:教養娯楽費 34,495円
4位:教育費 28,739円
5位:光熱費 17,779円
※出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)」より作成
さて、それぞれの世帯の支出TOP5を見て、どの支出を抑えたらよいかイメージができましたでしょうか。すべての世帯で圧倒的な1位だったのは「食費」です。節約の余地が大きいことが予想されますが、食費を節約するとなると、安い商品にこだわって買い物をしたり、外食を控えて節約レシピで自炊をしたりと、かなりの手間がかかります。手軽さに欠けますし、我慢も必要になるでしょう。
そのほか、教養娯楽費、交通費、住居費も上位に入っていますが、これらを大幅に節約するのにはためらいがあるでしょう。娯楽がなくなることは生活の質の低下につながりますし、住居費の節約、つまり家賃を下げるということを簡単に実践するのは難しいはずです。
そこで注目したいのが光熱費です。あまり大きな金額には見えないかもしれませんが、これはあくまで平均値。もし、電気やガスをたくさん使っているご家庭であれば、想像以上に大きな節約が実現するケースがあります。しかも、普段の生活にはほとんど影響はありません。
以下で紹介する節約法をぜひ実践してみてください。ストレスのない節約生活をスタートできるはずです。
光熱費の節約を考えるなら、まずは電気の契約内容を見直しましょう。電気事業者を切り替えたり、プランを見直したりするだけでグンと電気料金が安くなる可能性があるからです。多くの方が契約している電力会社とその代表的なプランについて解説するとともに、電気事業者の切り替えによってどれだけ電気料金が安くなるのかを紹介します。
現在、多くの方が電気の契約をしているのが、東京電力、関西電力、中部電力、北海道電力、九州電力といった地域の大手電力会社です。そして、ほとんどのご家庭が「従量電灯」というプランで契約をしています。下に具体例として、東京電力の「従量電灯B」、関西電力の「従量電灯A」というプランの料金をまとめたのでチェックしてみましょう。
大手電力会社の電気料金は、基本的に「使用量に関わらず毎月必ずかかる“基本料金(最低料金)”+使用量に応じて計算される“電力量料金(従量料金)”」という仕組みで構成されています。
例えば東京電力の場合、契約アンペア数が40Aで、月に500kWhを使用したときには、「基本料金(1,144円)+電力量料金(13,266円)(※1)」がかかるというわけです(※2)。
(※1)第1段階料金(120kWh×19.88円)+第2段階料金(180kWh×26.48円)+第3段階料金(200kWh×30.57円)=13,266円
(※2)実際の電気料金には、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が加算され、電力量料金にも「燃料費調整額」が加算・減算されます。
東京電力・従量電灯Bの電気料金単価表 | |||
---|---|---|---|
契約アンペア数 | 単位 | 料金 | |
基本料金 | 10A | 1契約 | 286円 |
15A | 429円 | ||
20A | 572円 | ||
30A | 858円 | ||
40A | 1,144円 | ||
50A | 1,430円 | ||
60A | 1,716円 | ||
単位 | 料金単価 | ||
電力量料金 | 120kWhまで (第1段階) |
1kWh | 19.88円 |
121kWh〜300kWhまで (第2段階) |
26.48円 | ||
301kWh〜 (第3段階) |
30.57円 |
関西電力・従量電灯Aの電気料金単価表 | |||
---|---|---|---|
単位 | 料金単価 | ||
最低料金(最初の15kWhまで) | 1契約 | 341.02円 | |
電力量料金 | 15kWhを超え120kWhまで (第1段階) |
1kWh | 20.32円 |
121kWh〜300kWhまで (第2段階) |
25.80円 | ||
301kWh〜 (第3段階) |
29.29円 |
ここで多くの方が契約している電気料金のプランについて説明したのには理由があります。上記の電気料金単価表を見て「そんなこと当然知っている」「確かに契約した覚えがある」と言える方は少ないのではないでしょうか。もしかすると、「電気料金ってこういう仕組みだったんだ」と、初めて知った方も多いのではないでしょうか。
実は、内容を詳しく把握しないまま、電気の契約をしてしまっている人が少なくありません。
電気料金の節約を考えるうえで、電気の契約内容の見直しは非常に大きなポイントとなります。なぜなら、ご家庭で契約できる電気事業者は大手の電力会社以外にもたくさんあり、電気料金もさまざまだからです。もし、深く考えずに大手の電力会社と契約しているのであれば、電気事業者の切り替えが大きな節約につながるかもしれません。
それでは、電気事業者を切り替えることで、実際にどの程度の節約が可能になるのかをシミュレーションしてみましょう。ここでは東京電力の従量電灯Bから、「Looopでんき(おうちプラン)」に切り替えた場合にどれだけ電気料金が安くなるかを見てみます。
東京電力とLooopでんきの電気料金(年間)シミュレーション | |||
---|---|---|---|
家族構成 | 東京電力 | Looopでんき (おうちプラン) |
差額 |
一人暮らし | 80,232円 | 79,200円 | |
2~3人家族 | 117,888円 | 110,880円 | |
4人家族 | 176,352円 | 158,400円 | |
5人以上の家族 | 271,488円 | 237,600円 |
※試算条件
・一人暮らし:契約アンペア数 30A/月間平均電気使用量 250kWh
・2~3人家族:契約アンペア数 40A/月間平均電気使用量 350kWh
・4人家族:契約アンペア数 50A/月間平均電気使用量 500kWh
・5人以上の家族:契約アンペア数 60A/月間平均電気使用量 750kWh
※Looopでんきのシミュレーション機能を使用して算出
一人暮らしの場合は年間約1,000円安くなる程度でしたが、家族の人数が増えるとともに電気料金の差は大きくなり、2~3人家族で年間約7,000円、4人家族で年間約18,000円、5人以上の家族では年間約34,000円も安くなるという結果になりました。
生活スタイルを変えずにこれだけの電気料金を節約できるのですから、特に家族の人数が多いご家庭にとっては、非常に有効な節約法といえるのではないでしょうか。
なお、Looopでんき(おうちプラン)は、大手の電力会社と違って、電気の使用量が増えても、電力量料金単価は高くならない仕組みになっています。そのため、電気の使用量が多いご家庭ほど切り替えによる節約額は大きくなるのが一般的です。
上の表は、あくまで標準的な電気使用量のご家庭を想定したもの。もしかすると、もっと大きな金額の節約ができるかもしれません。まずはシミュレーションだけでもしてみてはいかがでしょうか。
⇒ 電気料金がいくら安くなるかシミュレーションしてみる
電気事業者を切り替えるだけで十分な節約を実現できますが、もっと光熱費を安くしたいなら、やはり無駄遣いを少なくする工夫も必要です。とはいえ、生活が面倒になったり大きな我慢が必要になったりすることだと、長続きはしません。
そこで、ちょっとした工夫や設定の変更で気軽に電気料金を節約できるテクニックを一覧表にまとめてみました。ご自身が簡単にできると感じるものを選んで実践してみてはいかがでしょうか。普段から電気を使いすぎている方にとっては大きな節約になるかもしれません。
主な電化製品の節約法と節約額 | |||
---|---|---|---|
電化製品 | 節約法 | 比較条件 | 節約額(年間) |
照明 | 電球形LEDランプに取り替える | 54Wの白熱電球から9Wの電球形LEDランプに交換(年間2,000時間使用 ※1日あたり5時間半程度の使用) | 約2,430円 |
冷蔵庫 | ものを詰めすぎない | 容量いっぱいに詰め込んだ場合と、半分にした場合の比較 | 約1,180円 |
洗濯機 | まとめて、洗濯回数を減らす | 定格容量(洗濯・脱水容量:6kg)の4割を入れて洗う場合と、8割を入れて洗う回数を半分にした場合の比較 | 約160円 |
衣類乾燥機 | まとめて、乾燥回数を減らす | 定格容量(5kg)の8割を入れて2日に1回使用した場合と、4割ずつに分けて毎日使用した場合の比較 | 約1,130円 |
冷房 | 28度を設定温度の目安にする | 外気温度31度の時、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27度から28度にした場合(使用時間:9時間/日) | 約820円 |
暖房 | 20度を設定温度の目安にする | 外気温度6度の時、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21度から20度にした場合(使用時間:9時間/日) | 約1,430円 |
こたつ | 設定温度を低めに設定する | 温度調節を「強」から「中」に下げた場合(1日5時間使用) | 約1,320円 |
掃除機 | 部屋を片付けてから掃除機をかける | 利用する時間を、1日1分短縮した場合 | 約150円 |
テレビ | 画面が明るすぎないようにする | テレビ(32V型)の画面の輝度を最適(最大→中間)にした場合 | 約730円 |
パソコン | 使わないときは電源を消す | 1日1時間利用時間を短縮した場合(デスクトップ型の場合) | 約850円 |
※出典:経済産業省資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」より
ライフスタイルをできるだけ変えないという前提で考えるなら、古い電化製品を買い替えるのも効果的な節約方法の一つといえます。電化製品は新しいものほど省エネ性能に優れている傾向があるため、最新モデルに買い替えるだけで電気料金の節約が実現する可能性が高いです。電化製品は長期間使用するもの。長い目で見ると、10万円以上の節約になる可能性もあるので、検討してみるとよいでしょう。
光熱費を構成する大きな要素として、電気料金のほかにガス料金が挙げられます。ガス料金にも簡単に節約できるポイントがあるので、実践してみましょう。特に注目したいのが浴室でのガスの使い方です。
最大のポイントは追い炊きの回数を減らすこと。200Lのお湯に対する追い焚き(お湯の温度を4.5度上昇)を1日1回減らすだけで、年間で約6,190円の節約になります。さらにシャワーの使い方に少しだけ気を配れば、年間で約2,070円もガス料金を減らせるといわれています。
浴室での節約法と節約額 | |||
---|---|---|---|
節約方法 | 節約法 | 比較条件 | 節約額(年間) |
追い焚きをしない | ・湯船の湯の量を減らす ・保温シートを使う ・時間をあけずに入浴する |
200Lのお湯に対する追い焚き(4.5度上昇)を1日1回減らした場合 | 約6,190円 |
シャワーの使用量を減らす | ・こまめにシャワーを止める ・お湯の量を減らす ・温度を下げる |
45℃の湯を流す時間を1分間短縮した場合 | 約2,070円 |
※出典:経済産業省資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」より
電気事業者を切り替えることで電気料金の節約になると前述しました。実はガス事業者も自由に選ぶことができ、切り替えによってガス料金を減らせるケースがあります。電気と同じように、特にこだわらずに地域のガス会社(東京ガス、大阪ガスなど)と契約しているのであれば、一度、見直しを検討してみてもいいでしょう。
光熱費の節約という観点で考えるなら、特におすすめなのが、電気とガスのセット契約ができる会社です。セット契約にすることで割引が適用されるケースが多いのです。
東京電力と東京ガスを個別に契約している方が、Looopでんきのセットプラン「Looopでんき+ガス(※)」に切り替えた場合に、電気料金とガス料金の合計がどう変化するかをシミュレーションしたのが下のグラフ。なんと年間で約7,660円も安くなっています。
(※)Looopでんき+ガスのサービス提供エリアは、東京ガスの「東京地区等」に位置づけられる区域です。
⇒ 年間7,660円もお得!「Looopでんき+ガス」をチェック
安くなる金額は各ご家庭の電気、ガスの使用状況によりますが、より大きな節約が実現するケースも多いでしょう。一度、切り替えてしまえば普段の生活で細かな工夫をする必要もありません。まずはどれだけ安くなるか、シミュレーションをしてみてはいかがでしょうか。
⇒ 電気料金とガス料金がいくら安くなるかシミュレーションしてみる
※このページ記載されている金額はすべて、2020年12月24日現在の税込表記のものです。
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